Nのために (双葉文庫)/双葉社

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2010年初版の、湊かなえさんの作品としては比較的古い「Nのために」。



2014年10月からのTBS系金曜ドラマになるそうです。



文庫化されたので、読んでみました。



湊さん当時初の、純愛ミステリーという事でしたが。



うーん、恋愛モノとしては、人物描写とか、恋愛そのものの業とかは、余り描き込まれず。

お話としては、さほど深くはないです。



不可思議な殺人事件が起き、その動機には、その場に居合わせた男女全員の情が絡んでいると言う作り。設定は面白いですよね。



ただ登場人物が、男性一人は40代だけど、あとはほぼ20代の、就職したての男女。業を描く年代じゃないし、カセを作ると言っても、家が貧乏だったとか、親に問題があって苦労してたとか。



若い子がウットリしがちな、「不幸な生い立ち」設定です。



テレビドラマには打ってつけ。

亡くなる夫婦も自分勝手だし。



ただ主人公の女の子が、最終的に、不治の病に犯されて、病院で当時を回想してるって設定なんですよね。



いきなり病気になってるのが解せないけど、湊さんの作家としての好みで、誰の思いも成就させない結末にしたかったんでしょうね。

そうなると不治の病での着陸しか無かったのかも。



で、テレビ的には、病室に誰かが来て看取る or 病が治って新たな旅立ち、みたいな結末かしら?



主人公は榮倉奈々さんらしいですが、イメージは合ってるな、と思いました。一見サッパリしてるけど、実は陰のある子、というキャラクターなので、女優さんは演じがいがある役ですね。



わたくし的には、長澤まさみさんかな。

長澤さんは一度、湊さんのドラマ演ってましたね。



映画「告白」の松たか子さんといい、湊さんの原作ドラマは、ザ・A型女優というか、オーソドックスなタイプの方がハマりますね。



ただ、主人公の女の子は、恋愛してないよね…? レストランで働いている同郷の男の子が相手だけど、共感とか同情の方が立ってしまって、男女のそれって感じがしない。



だから、殺人事件が起きて、それの後始末とか、一連の主人公の動機が、イマイチ分からない。殺人の動機も、主人公以外の登場人物のものだし、なんかストレートじゃ無いんですよね。



本音を言うと、「告白」があったから世の中に出た作品、て感じがしました。



とは言え、湊さんのグイグイ物語を引っ張る構成力は今作でも遺憾無く発揮されてます。



きっとドラマは、及第点は行くんじゃないでしょうか。