・・・・答えは、
- 職業としてのAV女優 (幻冬舎新書)/中村 淳彦
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という事です。
80年代のAV勃興期から、出せば売れた90年代、やがて過剰供給による淘汰が始まった00年代、そしてビジネスとしての継続性から、企業コンプライアンスが重要視されるまでに至った10年代。
この本は、そういう日本のAV史をなぞりながらも、AV女優を目指す日本の女性たちの「変質」にも言及しています。
面白かったのは、90年代に明らかに多かった、精神疾患を抱える「病んでる」系女性の、AV界からの淘汰。
いまやAVできちんと稼げるのは、容姿端麗は当たり前として、心身ともに健康で、自分の価値を冷静・客観的に品定めでき、「仕事」がきちんと出来る社会的スキル、多くの現場でコミュニケーションを円滑にとれる「人間的能力」の高さがある女性。
AV界の女の子の、容姿レベルが飛躍的に上がっているという噂は耳にしていたが、その社会能力まで、非常に高いスキルを持つものしか、もはや生き残れない業界なんだそうです。
そんでもって、色んなジャンルのAVはあるが、最終的に言えるのは、
「ブスはムリ。」
ってことだそうです。
その上で性格や社会的スキルも高くないとムリ。
病んでるヒトは尚更ムリなんだそうです。
とにかく、求められるのは、
「清楚で美人もしくは可愛く、かつ社会にきちんと居場所のある女性が、性的に激しく乱れる。」
ってコンテンツらしいです。
わたしはそこを演技でカバー!!とか言っても、やっぱそのヒトの社会でのリアルな立ち位置とか生育環境とかは、女性の雰囲気とか表情に表れてしまうので、「荒んだ」オーラが出てる子は、やっぱ人気が出なくて淘汰されて行くそうです。
・・・・。
つまり、それだけハイスペックな女性が、どーっと集まる業界になってしまっちょる、という現実がある訳です。
と、ここまで読むと、「えーそんなステキ女子しかやれない仕事ならあたしもやってみようかしら」みたいな勘違いした若い女子がいるとも限らないが。
この作者は、今のAV業界でかつやくするライターさんであるが、業界全体の働きやすさは上がっているとはいえ、供給過多需要減からくる賃金のダダオチ、また法的にグレーゾーンである就労現場という観点から、
「職業的には、風俗産業、AV女優というものは、全くもって割にあわないので、寧ろ選ばない方が幸せな職業と言える。」
と言うことを断定していらっしゃって、ほっとひと安心。
しかし、読めば読むほど、AVってそもそも合法なんかよ?
とゆー疑問が沸いてしまう。
行為の相手からお金もらったら売春で、
行為のギャラリーからお金もらうのはビジネス??
法律の抜け道なのか、社会のガス抜きなのか。
男の考えることはよく分からん。
とはいえ、この本には、ちょっと前の、過劇なAV撮影から、「女優潰し」という、その女優さんを引退に追い込むほどの凌辱・暴行を加える現場があったことも、きちんと伝えています。
直腸破損や網膜剥離寸前まで顔面を殴打する、大火傷をさせる、など。
なぜそんな行為が行われていたのか?
「過劇さを求める視聴者の為」という大義名分で、お仕事好きな日本男子が暴走した・・・という風に、作者さんはその理由を書いています。
んなバカな・・・とは思うけど、こういう日本人男性の女性蔑視というか、女性いじめみたいな性質は、AVとは全く関係ない職場でも、残念ながら、今でもあるな・・・と思います。
(日本人男性と書いたのは、とりあえず外国人男性からそういうのを感じた経験が今まで無いからで、断定するものではありません。)
もちろん、こんな非人間的犯罪行為は無いですけれども、そもそも日本人の働き方って、ONとOFFを分けないことが多い。
例えば、仕事の延長での取引先との飲み会・・・・が減ったとはいえ、ゼロでは無い。
男性と混じって、男性と同じ給与体系で働く女性は、なかなかそういう場を断れないし、そういう場を「巧く、角を立てずに」やりこなすくらい出来ないと、まあ中枢的なポジションの仕事が、回っていかないところもある。
いわゆる「疑似男性化」ってやつ。
ほとんどの女性は「アホらしー」と思いながらも、テキトーにやりこなしてると思う。
あと、知的レベルの高い職場や業界だと、男性側も教育されていて教養もあったりするので、女性いじめも少なく、女性も仕事しやすいってのがあるかと。
更に昨今の、中枢的仕事を行うヒトの年齢が若返っているという全世界的傾向もございます(例:米国大統領が40代とか。)
ただ、たまーに、知的レベルは高くて、稼ぐ実力もあり、男性社会では人望のあるタイプでも、
「意識が田舎臭い男性」
ってゆー存在も、まだまだ、現実にはいらっしゃる訳ですよ。例えお若くても。
で、そーいう男性が、男社会で疑似男性やってる女性に、無茶ぶりしたりする訳だ。
「こんくらいOKなんでしょ?だからアンタ、ここにいるんでしょ?」と。
「俺たち男が仕事で私生活も犠牲にしているように、アンタもそういうプライベート的なものを犠牲にする気があるから、ココにいるんでしょ?」
って感覚。
これが行き過ぎるとセクハラになりますね。
ワタクシが言いたいのは、セクハラ以前のライト・ハラスメントって感じです。
いくらライトとはいえ、女性の立場からするとそういう感じの男性は、社会的に価値があろうとも一回氏ね。(あっ社会的にって意味です)と思っている訳です。
しかしうかつに反撃すると、自分が社会的に氏にかねない側面があります。
仕事にまつわるライトハラスメントには。
とゆう長い前フリをさせて頂きましたが、何が言いたいかというと、AV業界でひどい暴力行為が行われていた現実を、きちんと出版物に書いた作者さんと、色んなしがらみがありながらも警察に訴え、民事裁判までもっていった数々の女優さんたちは、相当な覚悟だったろうと思いますし、社会的にも大変意義のある行動なのではないかと思った次第です。
また、自分が女性としてこの現実はちょっとキツイな、と思ったのが、
「メーカーや制作側は、フリーの企画女優が承認欲求や自分自身のアイデンティティのためにAVの世界にしがみついていることを知り尽くしているので、プロダクション経由ではありえない価格の仕事をオファーする。」
って下り。
こういうことは、AV業界以外にも、よくあると思います。
いわゆる「供給過剰」な業界では。
男性も女性も。
あまりお金のことをギスギス言うのはどうかと思うが、でもやっぱり、
「稼げる金額」と
「その仕事を継続することが、キャリアとして自分の付加価値になっていくか?」
つーことを、過酷な労働環境の中で、我々はシビアに捉えないきゃいけないんでしょーね。
業界・性別関係なく。
搾取されない為には。
そして
「ラクに沢山稼げる仕事は、この世にはない」
ってコトですよ、若い娘さん。
ところで。
最終的結論として、究極的に売れるAVってのは、つまるところ、
「女優が芸能人」
ってコンテンツだそーです。
・・・業界の構図が透けてみえる発言ですね。
あ、あとそこまでぶっちゃけなくても・・・と思ったのが、AV女優の引退後の処遇について書かれた箇所で、
「(異性にモテる女性であれば)ちゃんとした育ちで精神疾患がなく、少し腹黒いくらいの女性は、社会的地位のある男を捕まえて、一度の結婚で幸せな家庭を築いていく」
とゆう下り。
一文字も反論なし、全て正論。
そう、「異性にモテる」女性は、むしろ「少し腹黒い」=つまり賢さ、強かさがないと、逆に食いつくされてしまう可能性があるんですよね~。
かといって異性にモテない上に愚かで弱かったら、目もあてられないし。
ホント女性って、生きてくのが大変ですよね~。
男のひとって、異性にもてなくても仕事が出来なくても心が病んでても、なんか抜け道というか、どっかに受け皿があるというか。
そういう意味では、女性の方が個人の裁量に人生が任せられてる。
つうか社会がそこまで女性の人生に、責任を負ってくれない。
だから女性の方が自由、ってのもあるとは思いますが、今の女性は、この自由さに疲れてるんだと思います。
それは保守化ってゆうのとは似ているようで違うと思うので、なんつーか、どーにかならんかのう・・・って気がしちゃいます。じゃっかんマジで。
