歌野晶午さんといえば、大人の本格ミステリーを書く作家さん。て印象。

2004年のこのミス1位「葉桜の季節に君を想うということ」がミステリ好きの間では、超有名ですね。

 

んで、今作は、歌野さん渾身の描き下ろし。

年末にかけて、大勝負にでた・・?

いやがおうにも高まる期待。

 

一読しまして。

いやまあ、面白かったよ?

ほお~そーきたか・・・みたいな。

ミステリというより、うーん、「泣いた赤鬼・ミステリ版」みたいな?

 

主人公は、高校生の娘をひき逃げされ、妻も自殺し、会社を左遷され、地方のスーパーの万引き犯処理係みたいなことをやっている、50歳過ぎの平野さん。

そこへ、20代半ばの、ヤンキー崩れみたいな女が、万引きして連れられてくる。

免許証をみると、亡くした娘と同じ年で。

「警察にはつきださない。二度とやるな」

娘を釈放してやる平野。

そこから二人の交流が始まり・・・・・

 

ワタクシ、さほどこのトリックには、感心しなかったので、敢えてネタばれはしません。

ではどこに感心を?

歌野さん、なんか東野圭吾の人情噺を、意識しちゃってる?みたいな・・・

その変わり身の早さに感心した(褒めてます)。

 

まあもともと、「葉桜」もびみょう~にベタだったけどね。

ワタシの印象では、も少しシニカルな作家さんかと思っていたもんで。

 

とはいえ、ミステリ・エンタメ界の東野さんの経済効果って、そりゃもうすごいもんでしょうからね。

そりゃ、二匹目の東野圭吾が必要です、どこもかしこも。

ワタシはこれ、二匹目の東野圭吾に、十分なってる気がします。

 

が、もーすこし、ミステリ的サスペンス性が欲しかったかな、と。

結局、娘の事件は未解決やし。

平野さん簡単に騙され過ぎやし(ややネタばれ)。

 

あと、東野さんなら、このヤンキー崩れの女の子を、

「なりは汚いけど、よく見ると年より幼く、愛らしい印象のルックス」

「細い手足に反比例して、胸元は豊満で、意外に大人の女」

「そのアンバランスさが、彼女に不思議なコケットリーを与えていた」

みたいな、超どベタな「オヤジの夢」的な女性像に、臆面もなく仕立てあげていたに違いない。

 

そう、それでいいのよ・・・オヤジの夢だからね。

だって、こんな女、絶対いないもん!!

更に微妙にネタばれしますが、

女は自分が

「悪モノ=汚れ」になるのが、大キライな生き物。

「こんなに健気に頑張っているイイ子なワタシを、みんなが応援してくれる。

特に若いイケメンは絶対自分を見逃さない。

見逃すはずが無い。」

ってゆー展開が大好物。

だから、ちとこのお話は、女性受けが悪かろう・・・と。

 

最近のオヤジは、女向けエンタメは「韓流にまかせた。」って言いきっちゃってるからなあ。

女性の皆さん、あんま韓流韓流いってると、日本製エンタメが、気付いたらみーんな男向けになってた・・・みたいな展開がないとも限らない、そんな分岐点に来てるのかもしれませんことよ。