そしてまた恩田陸さん。

2007年刊行の中編です。

 

ストーリーはですねえ。

アキとヒロという男女の、同棲解消の最終夜。

ヒロは、ここを出たら、別の女性と暮らすことになっていた。

酒を飲みつつ、お互い腹の探り合い。

それは、ある男性の、山での転落事故死に関わる秘密。

二人は、以前、山登りし、そこでガイドとしてその男に出会っていたのだ。

アキはヒロが、ヒロはアキが、あの男を殺したのでは?と疑っていた。

 

で、この二人がどういう仲で、転落死した男性とは、これまたどういう関係だったのか?

つーことが、二人の会話と回想で、徐々に明らかにされていき。

そしてお互いが、お互いをどう思っていたのか?つーことも明らかにされていき。

最後に辿り着いた・・・かのように思える真実。

その頃には、朝が白み始めていた。

 

まあ読み始めた時は、とーぜんこの二人は、恋人同士なんだろうな、と。

で、ヒロがなぜ心変わりしたのか?つー話なのかな?と思いきや。

山のガイドさんの転落死が、二人の間の謎として影を落とし。

この死がきっかけで、この二人の仲が壊れたことが明らかになり。

で、このヒト誰なの?

つーのを、ページを読み進めながら、読みとっていく、みたいな展開。

 

会話と回想の混じり方や

アキとヒロの人物像、

二人が山登りして、木々の木漏れ日の下で、自分たちが海の底の魚みたいだ、と思う描写とか、

恩田さんらしいエッセンスがぎゅっと詰まった小説です。

 

装丁も、ビニールの白い半透明のカバーを取ると、濃色の森のイラストが出てきて。

木漏れ日が再現されてます。

 

という訳で、全体的にウェルメイドな小説でしたが、一点疑問が。

アキとヒロ(携帯小説の登場人物みたいな名前だ・・・)は、お互い魅かれあっていて、同棲を開始する訳ですけども、結局寝てないんですよね。

まあ寝てない関係というのが、一つのカセみたいなもんなんですけど。

ちょっとリアリティが無い気が・・・

 

いっそ寝てる関係にして、もっと血縁と生殖と愛情みたいなとこに、恩田さんらしいサラっとした文体で、切りこんでいっちゃっても面白かったんじゃ?

決してドロドロさせないで。

まあ難しいか。

 

と、何となくネタばれした所で。

 

[2005] ムルソー コント・ラフォンMeursault Comte Lafon/レナ(ワインショップフィッチ)
¥価格不明
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ブルゴーニュ・ワインのMeursaultという白ワインを飲みました。

写真と違って、2008年の白。

結構、お高かったぜ・・・

でも美味しかったわ。

 

Chablisと違って、まろやかな感じの飲み口なんで、ワタシはチーズに合うかと。

ふわっとしてるけど味はしっかり。

赤が苦手だけど、肉と一緒に飲みたい・・・ってときに、こりゃピッタリかと。

 

でもアレですね、日本人って、酒にあうアテって考えがちだけど、ワイン文化でいう「マリアージュ」ってやつは、酒と料理の相性がよくて、口の中で合わさったときに、第三の味が生まれる・・・て状態なんだよね(ざっくりとした説明)。

 

マリアージュとは結婚という意味のフランス語で。

男女の仲も、どっちか(酒)がどっちか(料理)を引き立てるだけじゃなくて、一緒にいることで、クリエイティブな何か(子供とか?)が生まれる状態がよろしい、ってことなんですかね。

日本人は男尊女卑で、かかあ殿下なお国柄だからなあ。

どっちかがどっちかにつき従う状態が、一番心地いい人種なのかもね。ワタシはイヤだけど。

 

ちなみにこの「木漏れ日に泳ぐ魚」は、マリアージュの生まれない関係に煮詰まった男女の成れの果て、とも読めるお話で。

まあアキとヒロは、別れるとゆう結末で良かったんじゃないでしょうか?

やっぱ似た者同士って、最終的に煮詰まっちゃうよーな気がします。

自分と正反対の異性と、着かず離れずやってくのが、着地点なのかもしれませんね。

 

と、めずらしく酒とドラマが一致したところで、次は何呑もうかなっとニコニコ