まだまだ続いていた石持浅海祭り。
すみません私・・・ミステリーが好きなんです![]()
いったいいつ、この祭りは終わるんだろ![]()
で、「心臓と左手-座間味くんの推理」。
座間味くんとゆー、30代一般男性会社員を「安楽椅子探偵(椅子に座って、聞いた情報だけで犯人を推理する)」にしつらえた、短編集です。
安楽椅子探偵とは、ミス・マープルみたいな推理スタイルですね。
キモは、読者と同じ情報量で犯人を当てるってゆー、公平さではないかと。
つまり、作者と読者のガチ勝負。
で、座間味くんに安楽椅子探偵役を押し付けるのは、警視庁特殊犯罪担当、大迫警視。
このヒト、ペラペラ民間人に、機密事項をしゃべり過ぎだと思う・・・
しかし世の中の特殊な事件って、起こったときや犯人逮捕のときはセンセーショナルに報道されるけど、結局アレはどーいう動機だったの?てとこまでは、なかなかフォローされませんよね。
ホワイダニット?(なぜそれが起こったか?)の部分が宙ぶらりん。
そういう意味では、「犯人逮捕されてひと段落」のあと、ホントのところの真相究明を、酒のみながら警視庁のヒトと雑談する。ってゆーこの本のシチュエーションは、ミステリ・スキーには、堪らん魅力があります。
特に面白かったのが、一話目の「貧者の軍隊」。
これ、「貧者の軍隊」ってゆーテロリスト集団が、
内輪もめ→仲間の内、二人が殺される→残った一味が一網打尽→しかし、殺された二人以外はテロリストだっつー証拠が掴めず釈放→テロリスト集団解散、
つーお話なんですが。
この「貧者の軍隊」の構成員たちの設定が秀逸。
特に思想的背景はなく、学生時代の友人たちが、「サラリーマン活動の余暇活動」として世直しを行う。
工学部出身のフリーターが武器作りの天才、
大手広告代理店勤務が企画立案、
システムエンジニアが天才ハッカーで情報収集、
エリート銀行員が隠し口座つくって資金調達、
メーカーの総務勤務が犯行声明を書く。
で、結局、エリート銀行員が出世コースの米国転勤を示唆されたことにより、活動の円満終結を画策し。
友達二人に罪を負わせ、自分は高跳びした、と(前触れのないネタばれ)。
非日常的設定ではありますが、このサラリーマン社会の日本で、真面目に政治活動を行う若者がいるとは思えず。
ノンポリながら、子供の世直し発想で、自分らの得意分野を持ち寄り、テロ活動をしてた。
つー設定が、ワタシはとても面白いと思う。
現実の世界に、うまく隙間を開けた設定、と言いますか。
石持さんのこーいう発想、すごく現代的だと思います。
で、この座間味くんと大迫警視、数か月に1回くらい?のペースで、新宿の紀伊国屋書店(たぶん)で待ち合わせて、色んな居酒屋に行くんですが。
この居酒屋が、実在の店だったらグルメ本としても楽しめるのになー、と。
海鮮鍋、石垣牛の焼き肉、鶏肉のから揚げとビール、北海道の炉端焼き。
それらを食いながら、警視庁極秘情報?を聴き、謎解きをする、座間味くん。うらやまてぃー。
実に21世紀的な安楽椅子探偵だな。と思いましたとさ。
