出張でまた中国(上海→南の方)に行ってきました。

もう一生分出張したと思う。

しかし上海は近いな。あんま海外って気がしない。

気がしなさ過ぎて、変圧器忘れた・・・

そしたら羽田で、docomo、au、softbank、iphoneのいずれも変圧器いらずで充電できるってゆう優れモノな充電器が売ってたよ。ワーイワーイ。

 

んで、出張中も、ひとり石持浅海祭りは、継続開催中でした。

4冊目は「BG、あるいは死せるカイニス」です。

 

ざっくり言うと、パラレルワールドものです。

人間が生まれながら全員女性で、四分の一くらいが途中で男性に性転換し、生殖する世界。っていう設定。

 

男性化するのは、生物学的に優秀な女性でして。

さらに優秀な女性は、「BG」という、男性of男性みたいな、知能・体力ともに並はずれて優秀な男性に変態する、とゆう。

 

そんな世界で、男性化候補筆頭だった女子高校生の優子さんが、ある夜、学校でレイプ未遂の末、殺害されるとゆう事件が起こる。

なぜ優子さんは殺されたのか?

男性が圧倒的に少ないこの世の中で、女性がレイプ「する」ことはあっても、「される」ことはまずない。

でも、なぜ優子さんは、レイプ「されそう」になって殺されたの?

その謎を、優子さんの異母妹の遥(ハルカ)が、親友の美紀と共に探ってゆく・・・・

 

よしながふみ「大奥」に、ちょっと発想が似てるかな。

でも2004年刊行なので、石持さんのほーが先だったのかな?まあどっちでもイイけど。

 

この作品、世の中の人間が全員女性として生まれてきて、子供を産んだあと、相対的に優秀な個体が「男性化する」とゆう設定が、なかなか凝ってますね。

さらに「BG」とゆう存在は、処女のまま「デュッセルドルフ病」とゆう致死率90%の難病にかかって生還した女性のみが男性化してなるとゆう、超人的存在でして。

「男にはなりたくないけど、BGならなりたいわ!!」

とかゆう、夢見る乙女な会話が優子さん達女子高校生の間で交わされています。

 

このパラレルワールドの発想と世界観を、リアルにする為のディティールの作り込みが、非常に石持さん、ち密な上に分かり易く、面白かったです。

 

登場人物は、ほぼ全員女性で(途中で男性化しても最初は女性という設定なので)、しかも女子高校生ばかりなんですが。

男性作家さんが書いてる割には、内面描写や台詞などが、さほどキモくは無かったです。

女性同士の同性愛的な描写もありましたが、こちらもうわっ・・・て感じも無かったし。

石持さんは、際どい世界観を描いても、イヤ汁を出しにくい作家さんですね。

根底に、明晰な世界観と、論理的な謎解きという、ロジックの世界が横たわっているからなんでしょうなあ。

 

そう、石持作品の面白さって、作者の冷静さというか、理屈っぽさと、日常からぶっとんだ想像の世界が融合していて、ファンタジーに見えながらリアル。とゆう、独特の世界観が展開していく所にある。

 

そこんとこ、「BG、あるいは死せるカイニス」には、凝縮されております。

 

でもワタシ的には、「Rのつく月には気をつけよう」や「賢者の贈り物」みたいな、日常の謎解き+そこから浮遊した世界観・・・・という作品の方が好きかな。

 

とはいえ、この作品、行きの羽田と帰りの虹橋空港で、ボーディングタイム待つ小一時間の間に一気読みしました。

いや、羽田って便利だわ・・・もう海外出張において、羽田以外の発着って出来ればナシとしたい。

 

まあ羽田国際空港問題は置いといて。

 

この作品、ミステリとしては面白いけど、女性に向上心があり過ぎてリアリティがないとか、結局生殖の技術を変えようとするのは男性なのねとか、いかにも「男性」的発想が見受けられる側面が無くも無いです。

 

何だろかなー、例え男性の数が四分の一になっても、男性を「レイプ」する女性の存在ってゆうのはリアリティが無いな。

数の問題じゃないんだよなー。

やっぱ暴力性の問題なんじゃないの?

それと向上心ってゆうのも、実は結構、密接な関係があるよーな気がしないでもない。

しかし、そこまで男性性について踏み込んでしまうと、ワタシの嫌いな社会学的なツマンナイ議論になってしまうので、さらりとパラレルワールドを提示するに留めるミステリ作家的アプローチを支持したい。

 

とゆう訳で、理屈っぽい話は大好きだが、一見理屈っぽく見えて実は大層胡散臭い社会学的議論には鳥肌たっちゃう・・・とゆう、ワタクシみたいな面倒くさい理屈好きなヒトには、実にオススメな本です。

 

あ、そーか本格ミステリって、そーいうちょっと浮世離れ?した天然系の理屈好きが好むジャンルなんだね。

ちょっと自分が分かったよーで、スッキリしたニコニコ