一人石持浅海(いしもちあさみ)祭り
開催中。第二段。
「賢者の贈り物」
誰もが知ってる古今東西の名作をモチーフに、現代日本を舞台に移して、「日常の謎解き」ミステリに仕立てなおした短編が10個入ってます。
ぶっくおふでフト目に止まり、表題作「賢者の贈り物」を立ち読みしたんですけども。
カメラ好きの夫に、フィルムを1ダースもプレゼントしてきた妻。
夫婦仲は、とりたてて良くも悪くもなし。
不思議なのは、夫は最近、デジタルカメラに移行し、いわゆるフィルム用カメラを処分しており。
妻もそれを知ってるはずなのに、敢えてなぜに、大量のフィルム(だけ)を、わざわざプレゼントしてきたの?
結末は、ふ~ん、なるほど、ちゃんとかの有名な「賢者の贈り物」的オチに納まっていて。
こりゃ面白そーと、購入したのが、ワタクシの石持浅海さん初体験でした。
んで10編、読んでみて、なかなかこの作家さんはクレバーな方だな、と(上から・・・)。
事実の積み重ねの中から、原因として「ありうべきコトとあり得ないコト」を客観的に仕分けし謎解きしていく・・・とゆう、本格ミステリの醍醐味が堪能できます。
この謎解きの思考過程が、実にスマートで美しく、読んでてスッキリ![]()
そしてそもそも、この作品群の面白さって、何より「日常の謎」の設定の作り方に、この作者ならではのオリジナリティが感じられるんですよね。
「金の携帯、銀の携帯」
舞台は携帯ショップ。
携帯がぶっ壊れ修理に持ってったら、その間タダで携帯を貸して貰うことに。
目の前に置かれる3種類の携帯。
今と同じ機種が一つ、最新機種が二つ。
二つの最新機種は、全く同じ機種で、違いはお財布ケータイの中に、一個は5千円、もう一個は5万円が既にチャージされていることだけ。
・・・それはなぜ?
「ガラスの靴」
会社の同期が男女複数、ある男性のマンションに泊りに来て。
3人うちの内、一人の女性が、彼のサンダルを掃いて、自分の靴は置いたまま帰ってしまった。
しかし、翌日以降も誰も名乗りをあげてこない。
誰がオレのサンダル履いてったの?・・・・そして、それはなぜ?
誰も死なないし事件性もないコトばかりだけど、日常生活で起こったら、頭の中がクエスチョン・・・になるよーな設定が、実に巧い。
しかもその設定に、オリジナリティがあるというか。
すこーしだけ日常から逸脱して、ちょっとファンタジーというか、モチーフとなる童話の世界に近い「謎」と言いますか。
なんかこう・・・・ありふれた日常が、ちょっとした謎に出会い、急に輝き出した・・・・By 宇多田ヒカル、みたいな。
しょーじき、この本を手に取ったときは、タイトルといいPHP出版といい、あんま期待してなかったんですけども。
意外や意外(失礼)、ウェルメイドな短編ミステリー集で。
で、最近、コレ文庫になったみたいですね。
これ、早○ミステリ文庫や創元○理文庫から出ててもおかしくないです。
本格ミステリ好きにはゼヒ。
って、石持さん、本格好きの間じゃー、既に有名な作家さんですけども。
理屈っぽいのはキライじゃないが余りウェッティーなのは好まん、かといって地味過ぎるのは詰まらないので適度に華のあるミステリが好き。
つー、小うるさいミステリ好きには、実にオススメの本です。
という訳で、ひとり石持浅海祭り開催中です。
よかったね自分・・・
ワッショイワッショイ。
