法月綸太郎さんのデビュー作、「密閉教室」がお正月のブックおふで、@300円になっていたもんで。
読んじゃいました~。
法月さんとは、鯨統一郎先生の「ミステリアス学園」巻末の「本格ミステリ度MAP」で、横軸の論理度でも、縦軸のミステリ度でも、MAX満点の100だった座標軸?のような作家さん。
本格マトリックスの一番右上に位置していた、ゴリゴリの本格ミステリ作家さんです。
だから何だよ?って話なんですが、世間ではこういうムックも出てるくらい、本格ミステリって根強いファンがいるミステリ小説の1ジャンルなんですよ、奥さん!!
これと今年の「このミステリーがすごい!」を比較し、やっぱ自分は本格好きだと実感。
だってさー、乾くるみ「セカンド・ラブ」が13位だよ!?
「このミス」より20位以上、順位が上さ。
初野晴「空想オルガン」は20位。
「謎解きはディナーの後で」は9位。
そして、「本格ミステリ」でも「このミス」でも、2位だったのが「叫びと祈り」。
ひょっとしてこの作品は、近年まれにみる傑作・・・?
とりあえず、本格5位、このミス9位の「アルバトロスは羽ばたかない」を早々に読もうと自分に誓う。
で、法月綸太郎さん衝撃のデビュー作「密閉教室」。
ストーリーはですねえ。
ある朝、ある高校の1室で、男子生徒が喉をかっきって自殺していた。
しかも、教室には机もイスも一個もなく、引き戸にはガムテープで中から目張りされていた。
教室の真ん中に、血の海と男子生徒の死体・・・・。
彼は自殺?他殺なの?!
ってゆーのを、けーさつとか先生とか、同級生が知恵を屈指して解き明かすのさ。
で、結末はとーぜん他殺です。
その動機は?いつ?どうやって?死体の始末は?
全て、小説の中に伏線があり、その謎が最終章に向かって、見事に将棋倒しのごとく、解き明かされていく、と。
いや~スッキリしますね~
これぞ本格の魅力!!
そんなパズルみたいな小説のどこが面白いんだ?と思われるかもしれません。
が、ヒトは論理的整合性のあるものを、「美しい!」と思ったり、「腑に落ちる・・・」と思ったり、まあ端的に言うと、「快」に感じる生き物なんだと思うんですよ。
ワタクシ大学で「美学芸術学」ってゆう、税金も親の金も、ドブに捨ててたんだね君は・・・ってゆーよーな学問を専攻してたんですけども(おい)。
そこでですね、「美しい」とヒトが「感動」するときには、3つの条件があると教わった(気がする)。
それが真・善・美なんですけども。
「感動」は、受け手から第三者に伝搬する性質がある、と美学では定義づけられていた(気がする)。
例えば、ヒトは本当に何かに感動したとき、誰かにそれを自分の言葉で、伝えたくなる。
あるいは、その感動を、違った創作物で表現したくなる(自然の美に感動して、絵を描きたくなる等)。
単に美しいだけでは、ヒトを感動させるまで、なかなか持っていけない。
その対象物に、「真実」があること。
「善」という倫理観があること。
その上で、ヒトは「感動」する、と。
確かそんな話だったよーな・・・(専攻を単なるハナシで片付けるワタクシ。)
で、本格ミステリなんですが。
本格には、小説内でおきた事件の論理的整合性を突き詰める、という性質があります。
コレが「真」な訳ですよ。
んでもって、ミステリなんで最後には悪が暴かれる=「善」の倫理観で小説が展開。
さらにその論理が、実にスマートに、鮮やかに展開される=「美」。
ってことで、良くできた本格ミステリは、「真」「善」「美」が揃ってる。
まるでイケメンや美人に遭遇したときのよーな「気持ち良さ」が、本格読書にはあるんですよ~。
そーいう意味では、乾くるみさんの小説はお薦めなんですよね~これが。
「セカンド・ラブ」も「イニ・ラブ」も、殺人事件とか起こらないんですよ。
単なる青春小説に読める。
読めるんだけども、きっちり本格ミステリなんだよね~!!
あと鯨さんの小説も、もーバカミスなんですけど(バカバカしいミステリの略。これも1ジャンル。)、きっちり本格なんですよ!
「タイムスリップ森鴎外」とか歴史モノも本格だし。
初野晴さんの「退出ゲーム」も、コレほんとすごい見事ですよ。
「空想オルガン」は、これから辛かったことを乗り切ったときのご褒美として、読まないでとっておいてます。勿体ないから。
あ、近所の本屋で、乾さんの本が「女性作家コーナー」にずーっと置いてあるんですけど。
乾さん男なんでね・・・
早く直してね・・・
「真」「善」「美」が本格ミステリの根幹ですから。
間違いは正さないと。
しかし乾さんのジェンダー・トリックはどーやって状況証拠から導いたらイイんだ!?
小説読むしかないのか?
読んでも分からんし・・・
「著者サイン会」をやれってことかしらね。
