いや~出ましたね~安室ちゃん2010ツアーLIVE DVD。
噂に違わず、26曲、ほとんどしゃべりもせずノン・ストップで歌い踊る安室ちゃん。
彼女が今、実力・カリスマ性ともに日本で最高レベルの女性アーティストというのは、間違いないでしょう。
とはいえ、コレ観てワタシがまず思ったのは、
「安室ちゃんにとって、2010年は、色んな意味でツイてない年だったんだな」
っていうこと。
相変わらずシャープな動き、ボリュームUPしたサウンド、バックダンサーズのダンスの質、いつもより高レベルで維持されたヴォーカル・コントロール力など、安室ちゃんの魅力は全開でしたが。
ワタシには、安室ちゃんもスタッフさんも、「守りに入ってる」よーに見えて仕方がなかった。
まず安室ちゃんのコスチュームなんですけども。
黒のニーハイ・ロングブーツに、ふとももギリギリのふわっとしたミニ・スカート。
パーマのかかったロングヘア。
ちょっと吊り目気味のアイメイク。
長丁場のLIVEで、比較的「持ち」のいいスタイリングとヘア・メイクっていうのは分かる。
2005年から安室ちゃんのLIVE観てきて、彼女の定番なんだろうと。
一番安心して、歌と踊りに集中できるコスチュームなんだろうと。
でもこの相変わらずのスタイリング観てると、正直、スポーツ選手が精一杯オシャレしてるよーな息苦しさを感じてしまったわ。
完ぺき主義な人ほど、自分の定番に拘ってしまう心情は、分かるんだけど。
安室ちゃんはアーティストなんだから。
自分の「カッコいい」イメージを、どんどんUPデートしてかないと。
それと振り付けと、フォーメーション。
これは安室ちゃんというより、スタッフさんの問題と思うけど。
振り付けとフォーメーションという意味では、2005年から安室ちゃんのLIVE・DVD観てるけど、一番つまらないLIVEだった。
ダンサーさんから、HIDEさんとHOSSYがいなくなって、華が無くなったというのもあるけれど。
そもそも、後ろの階段の使い方、「LIVE STYLE2006」をもう一回見直した方がいい。
これ、「BEST FICTION」のときから、イヤーな予感がしてたんだけど。
装置と映像に頼り過ぎて、肝心の「人の動き」をショーとして演出するという仕事をしていないんですよ、演出家の方が。
チマチマ器用にダンスしてるのは分かる。
長時間、息も切らさず、トライアスロン並みに高いレベルのパフォーマンスをしている安室ちゃんとダンサーズは、ホントにスゴイと思う。
でもさー。これはショーなんだからさー。
それをきっちり、視覚化し、ショーUPしないと。
空間演出の力が間違いなく落ちてます。安室ちゃんのLIVEは。
振り付けでは、今回、
「CAN'T SLEEP,CAN'T EAT, I'M SICK」
の振り付けが一新されてましたね。
が、コレがダサい。
原曲振り付けは、確かアメリカ人のヒトがやっていて、この曲のeasyな感じ、不良が一息ついてるよーな遊び心が、ふんだんに盛り込まれてたんですが。
それがさー。いや、ダンス技術がスゴイのは分かる。
でもさー。この曲は、そーいう「すごいでしょ?!」ってゆう振り付けじゃなくて、「クスっ」って笑っちゃうよーなリラックス感とハイテンション感を両立させないと。曲の持ってるeasy感、HAPPY感、リラックス感が伝わらないのよ。
安室ちゃんもダンサーさんも、この曲でつい「ドヤ顔」しちゃってるし・・・・
この曲に一番似合わないのが、マジな「ドヤ顔」なんですけど・・・・
細部のクオリティに拘ってるのは分かるんだけど、そもそも演出がちぐはぐなんですよ。
それと「WILD」のサウンドを、新アレンジしてましたが。
ピアノっつううか、鍵盤系のアレンジを入れてるんだけどさー。
これがダサい。致命的。
「WILD」ってゆう曲のもつシャープさ、炭酸形のスカッとする感じが、モサーとしちゃってて。
まあワタシが鍵盤系の音がキライだというのもあるんでしょうけど。
やっちゃったよ・・・・って感じでした。
avex系ということで言えば、もーサウンド総合ディレクターをVERBALとかm-flo系にやってもらえば?と思うんだけど、安室ちゃんとm-flo系サウンドって、意外と相性悪いんですよね。fishとかLovotomyとか、イマイチ弾け切らなかったし。
しかしこのまま安室ちゃんがダサい方向に行ってしまうのは、黙って観てられない(観てろって話ですが)。
このように悪口ばかり書いてしまいましたが、全体的に観たらやはりスゴいクオリティです。
COPY THATやFIRST TIMER、LOVE GAMEは、今後のLIVEでもゼヒ定番曲にしてほしいし。
で、こういう風になってしまったのは、「BEST FICTION」の時からある程度予想がついてたんですが。
スタッフさんの問題とか色々あるだろーけど、結局、安室ちゃんが「どういう女性像をパフォーマンスしていきたいか?」つうことについての深堀を、丁寧にやっていないからなんだよ。
32歳だか33歳だかという年齢から言えば、いわゆるDIVA的な、それでいてSEXY CAT的な、10年くらいまえのマドンナとかクリスティーナ・アギレラとかジェニファー・ロペスとかがやっていたような、そういう女性像を追求したくなるのも分かるし、女盛りの安室ちゃんの魅力が全開する手法だとは思う。
でもさー。もうそれ、古いんだよ・・・・2010年にトップ・アーティストがやることじゃない。
もう安室ちゃんの前に、お手本はいない。少なくとも日本の中では。
アムロちゃんが新しい女性像を発明しないと。
誰かが(ハリウッド系含め)やっていた何かを、安室ちゃん風にモディファイしてて「スゴイ」って言われてた季節はもう思ったとワタシは思う。
このままやっていたら、いつかきっと、小室さんプロデュースの安室ちゃんが飽きられていったように、DIVA安室も飽きられること間違いなし。
ほんとに厳しいことを上から目線で言ってしまいますが。
安室ちゃん、古くなってます。形骸化してます。
2010年の安室ちゃんのスタートは、ロンブー淳との熱愛スクープでしたね。
二人でセドナのパワー・スポットに行ってたんだっけ。
その気持ちはよく分かる。
たぶん彼女は自信がない、だから恋愛やパワースポットに頼ってしまう。
でもさあ。
安室ちゃんレベルのヒトの答えは、少なくとも、パワースポットには無いんだよ。
トレーニングやボーカルコントロールなど、やるべきことを彼女がきっちりやってるのはよく分かる。
それがスゴいレベルだってことも。
でも、そんな安室ちゃんが、ホントにやるべきことを突き詰めてやっていなかったということが、このLIVE DVD全体を通して、どうしても伝わってしまう。
遊び心がない、というのが安室ちゃんの唯一と言っていい欠点だと思うんですけど。
少ない休みを返上して、一生懸命恋愛し、パワースポットにせっせと行ってしまう安室ちゃん。
その方向の努力は間違ってる。
いや、恋愛は別にいいと思うんですけど。
しかし、ツキっていうものは、結局ひとつひとつ突き詰めた思考と行動の果てに訪れる、努力のたまものだと思うんですよ。
パワースポットとかに「行っただけ」で、安易に手に入るものじゃない。
いや、行くことを否定してる訳じゃなく。
そこで、とにかく心を落ち着けて、きっちり方向性を掴まないと。
そういうことするなら、意味はあると思うけどさ。
LIVEのオーラスから2曲目、「GET MYSELF BACK」というミディアム系の曲。
「もう大丈夫、全てはうまくいく」
って、まるでスピリチュアル系のヒトのよーにゆったりと語りかけるよーに歌う安室ちゃん。
いやいや・・・それは違うでしょ。
やるべきこと積み重ねていかないと、何にも上手くいきませんよ。
そんな棚ボタの幸せが欲しい訳じゃないでしょーよ?
それが一番よくわかってるのが安室ちゃんじゃなかったのか?
いやあ、厳しいことばかり書き連ねてしまいましたが、ワタシはやっぱり安室ちゃんが好きだし、まだ興味がある。
といのが、彼女が若いころから一貫して、自立した主体的な女性像を演じようとしているからなんだと思う。
でも、とりあえず、「Sexy Girl」って曲は、LIVE封印しよう。
強くてSEXYでプッシーCATでDIVAな安室ちゃん・・・というイメージは、今の50%以下に減らしてください。
残り50%、「新しい何か」で埋める努力をお願いします。
そうしてくれないと、いつかこのワタクシでさえ、安室ちゃんに飽きてしまうかもしれません(勝手に飽きてろって話ですが)。
