何が言いたいかというと、面白いホンが減ってませんか?
特に評論・社会分析方面の。ってコトなんですけど。
- 街場のマンガ論/内田 樹
- ¥1,470
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コレ・・・内田樹先生、マンガ、全然好きじゃないじゃないですか。
1470円を返して欲しい。ていうか、定価でフツーに丸善で買っちゃった自分のバカバカ。って感じです。
だってさ~、取り上げられてる作家さんがさ~、井上雄彦とか宮崎駿とかエースをねらえ!とか手塚治虫先生って・・・・
養老猛先生との対談では、「自分は少女マンガが読める男だ!」と威張ってますが、24年組の作家さん(昭和24年頃生まれの竹宮恵子や萩尾望都、山岸涼子や大島弓子など)なんて、誰でも読めますて。
とにかく取り上げられてる作家や作品の全てが、もはやマンガ界の古典ばかりという。
こーいうの、マンガ評論に多すぎですよ。
そりゃ誰でもイノタケ先生や24年組がすごいことは分かってるっつーの。
更にその取り上げ方も、手垢つきまくりだし。
あと、オタクとBLが分からん。と正直にゲロってるのはイイとして。
米国のゲイ文化を、
「米国では、欧州文化に興味をもつよーなストレートの男性を、ゲイに押しやってしまうメンタリティがある。そーいう男たちが、そこまで言うならいいよ、オレってゲイなんだ・・・って、自らをカテゴライズしてしまう。」
と解説している章を読んで、本気でこのヒトはヤバいんじゃないか?と思った。
更に、「ブロークバック・マウンテン」という超有名な映画を、
「ストレートの男の子がゲイになっちゃう話」と要約し、
「ヒトのジェンダーボーダーはかくも脆い。ってことが言いたかった映画」
と言いきっちゃってて・・・マジでこのヒトは大学の先生ですか?と不安になった。
「ブロークバック・マウンテン」は、ゲイを自覚する一方でそれを嫌悪する主人公(ヒース・レジャー)が、最愛の相手をゲイ・クライムで失ったことによって、初めて失ったものの大切さ、更にその大切な相手だけでなく、そもそも自分が自分を、ずっとないがしろにしてたことに、人生の終盤にやっと気付く物語です。念のため。
何だろ、私が学生の頃は、マンガとか映画とか、サブカル分野から社会を鋭く切り込んだ面白い評論本がいっぱい出てたよーな気がするが。
「QUICK JAPAN」で松尾スズキが、今マジで出版不況なんで、紙媒体で生活してたライター達の活躍の場がじわじわ無くなってる・・・と言ってて、こういうことかと。
つまり、マンガとか、サブカル言論を論じたりする雑誌そのものが無くなっちゃってるんですよね。
なもんで、内田先生とか、名の通った大先生(つまり老人)しか、本が出せなくなってる。
老人とか言っちゃって申し訳ないんですけど、このラインアップ見ると、脳内出版物が全然アップtoデイトされてないから、仕方が無いですね。
せめて「ワンピース」「君に届け」「大奥」「聖お兄さん」くらい取り上げてくれ。
結局、マンガ評論は、年末の「このマンガがすごい!」を待つしかないのか。
・・・・もう1470円を返してくれ。また言っちゃったよ。
- 特捜神話の終焉/郷原 信郎
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これは逆に、面白かったですわ~。
ライブドア事件被告のホリエモン、キャッツ事件で有罪判決の細野祐二元公認会計士、外務省背任事件で有罪判決の佐藤優氏と、元特捜検事だった著者が、検察権力について、対談しています。
しかし、例の郵便不正事件に関わる特捜検察のFD改ざん事件・・・エライことになってますね。
崩壊すべき神話は崩壊したら?と思うけれど、個人がやろーが組織がやろーが、結局、検察内で行われた不正事件ですよね。その割りを食うのは国民なんですけど。
という、色んな意味でタイムリーな出版物でした。
この本の中で、佐藤氏が、「国民が望んでいるのは、正義とか正義じゃないとかでなく、安定した健全な保守」と言いきっていて、なるほど禿同だな、と。
しかし国民の一人として思う訳です、国内の利権を制することに躍起になってる政治屋・官僚ばかりになってると、否応なしに国際化・流動化していく世界情勢の中で、ますます日本は外交もろくに出来ない、ガラパゴス諸島になってまうんじゃないか?と。
なんか、近い将来、日本の領土が減ってるんですけど・・・みたいな事態になりかねないんじゃ?と、全国民がうっすら背筋が凍った2010年秋。じゃなかったですか?例の中国人船長さん事件に端を発して。
日本人的気質からすると、超苦手なことばかりですが、もう内需だけじゃ食ってけません。
ほとんどの大企業がそーで、で、民主党はたぶん、消費税始め、国民個々人から、税金をそうそうバンバン上げられない。
法人税むしりとろーにも、肝心の企業は不景気ですし。
脱税、経済法違反等の追徴金とろーにも、裁判や捜査には時間と金がかかるし。
もーどーすんだよー!!
となった時、やっぱさあ、外需頼みなんですよ、我々は。
外需=中国輸出、となったとき、そりゃ中国政府は、あの手この手で自国に有利な外交的切り札を繰り出してくるでしょーなあ。今回のように。
じゃあどーすんだよ!またやられっぱなしかよ!!
と、なったとき、もう日本は、国際社会での地位向上と、米中露以外の第三国と、いかに友好・有利な関係を結べてるかどーかがカギ。てゆうかそれしかない。
ノーベル賞、オリンピック、各種国際映画祭等の、一見文化的・うっすら政治的な学問・文化表彰の場で。
経済援助や、日本の利権が直接絡まない国際問題での身の処し方。
こーいったところで、地道に日本の発言権・存在感を上げていく。
ほんでもって、お隣さんの大国が、「自国の利権を一方的に主張」してきたとき、国際世論を味方につけて、「お前さんのやってることは、国際法違反ですよ?分かってんの?」と、冷静に指摘し続けること。
アメリカ一国に「おかーさん!!隣の子がまた無茶言ってきた!!助けてよ!!」と、情的に訴えるばかりじゃ、そりゃ舐められますて。
「おかーさんも忙しいのよ!!」って言われちゃうし。ねえ。「おかあさんも、お隣さんと仲良くしないとやってけないのよ・・・」とほほ。
という非常に切羽詰まった国際情勢を考えると、やっぱ日本って、「ヒトしか資源が無い国」だから、みなもっと戦略的に生きないと。って気が。特に政治家。
やっぱあれだ、日本のリーダーに今、ビジョンが無くなってるから。
ビジョンが無いから戦略が無い。戦略が無いから駆け引き出来ない。
そんな図式が、政治や会社のあちこちで散見されてます。
日本人は駆け引きが苦手で。とかってよくいいますが、アレは違います。駆け引きは、絶対巧いヒトがいるんですよ。どんな国民・集団にも。
やっぱ先立つビジョンが無いのが致命的なんです。
その点、かの国たちは、たぶん持ってます。米国に成り変わっての「世界征服」というビジョンを。
思ったんですけど、リーダーの器って、やっぱでっかいビジョンが描けるかどーか?つう所が大きいんですよね。
「こういう国・会社にしたい。社会にしたい。」
ほんでもって、それを言説化し、可視化し、実現化していく。
なんだろーよ、こーいうのって、やっぱ男性的特質なんだと思う訳です。マッチョという意味では無く。
んで、我が国は、急速に女性化しちょる訳です、男も女も。悪い意味で。
なんか、仕事の仕方とか、急速に皆、重箱の隅をつつくよーなことになってるよーな気がして仕方ないし。
なんだろ、こう、「大きくモノが見れなくなってる病」に、国民全体が罹ってるよーな気が。
それを女性的といっちゃあ、フェミニズム的にどうよ?ってんなら、小市民的になってるとでも言っとこうか。
その点、ホリエモンは、結構しっかりビジョンありきで仕事してたヒトなんだなと。
有名な「金で買えないものはない」という彼の言説ですが、その真意は、「コネや伝統、家柄で買えないものがある社会が、既得権益や不透明性を生む。だからそこは、経済性による平等性を導入すべき」ということなんだそうです。
それ説明するのがメンドクサイし、メディアが面白がって「金が全て」って書いていい?ってゆーから、そのまんまにしてたそーです。
いや、そこはスルーしちゃあかんだろ・・・って思いましたが。
という意味で(どんな意味だ?)、この本は、情報量も多いし、自分の頭で色々考えてみよーと思いましたし、1575円の価値は十分ありましたとさ。
