神曲たち(DVD付)/AKB48
¥3,200
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遅ればせながら、AKB48が超気になっているワタクシ。

アキバのブックおふで「神曲たち」を買ってみた。

さすがにもうアキバでは一巡したらしく、そこそこ安値になってたわ。


何が気になってるかというと。

束モノアイドルの中で、こんだけあからさまにプロデューサーの意図が透けて見える企画なのに、どんどんファンが増殖してるってとこ。

フツウ、冷めると思うんですよ。

逆っつーことは、ファンがその企画の立て方を自覚的に支持してるってことかと。

Pは言わずと知れた秋元康さんです。


んで「神曲たち」。

さすが秋元康、アルバムの全作詞をやってますが、全てそのへんの凡庸なJ-POPを軽く凌駕するクオリティです。


曲のタイトルもいい。

「大声ダイヤモンド」「初日」「10年桜」「言い訳Maybe」「マジスカロックンロール」

などなど・・・。


清純な女の子、フツウの女の子のイメージを見事にフィクション化している。

んでもって、ちゃんと売り物にパッケージングしており。


んで、ココがAKB48を他の束モノアイドルと差別化してるんだな。って思ったポイントが。

ファンの男の子の心象風景を、男言葉で、詞にしてるんですよ。

例えば「大声ダイヤモンド」。

「僕が僕であるために/衝動に素直になろう/大好きだ/君が大好きだ・・・」

「RIVER」では

「自分に言い訳するんじゃねえ!/やってみなけりゃわかんねえ!/まっすぐ進むしかねえ!」

この歌詞を、AKB48の女の子たちが歌い、ファンの男の子たちが彼女たちと一緒に合唱し、一緒に振り付けを踊る。

つまり、ファンの男の子たちは、AKB48に自己投影してるってことですよね?

これって、なかなか倒錯的な光景じゃないですか。

例えばジャニーズのアイドルに、わざわざ女子一人称の歌詞を歌わせて、ファンの子たちと合唱させる、みたいなことをやってる訳ですよね?そんなことジャニーズじゃありえねえし。

という意味で、秋元さんがやってることは、すごい新しいと思いました。


それと、AKB48って、選抜メンバーとかあってチームで競ったりセンターを総選挙で決めたりとか、やってるじゃないですか。

チーム同士が結束して、毎日LIVEがあって、チームで練習し、認められたらCDジャケットに写れたり・・・とか。

これ、「友情・努力・勝利」ってやつですよね?

つまりAKB48のコンセプトって、まんま少年ジャンプのそれなんですよね。

そりゃ若い男子が夢中になるわ。


彼らは、もちろん異性としてAKB48に萌えると同時に、自分もメンバーに自己投影し、勝ったの負けたのっつって興奮するんでしょうね(ヘンな意味じゃなく)。

あと、最近ウェンツくんと噂になった大島優子さんに、優子さんアンチのAKBファンの方が「リアル!リアル!(記事がほんとって意味らしい)」と、やじったとか。

この辺、例えば嵐のファンがいて、中でも松潤ファンの女子が、他の嵐のメンバーにヤジ飛ばしたり・・・ってなこと、まずあり得ないじゃないですか。

AKB48ファンなら、みんな応援してやれよ・・・って外野は思いますが、彼らはAKBのコンセプトになってる勝負事チックな仕組みに反応してるから、優子さんのライバルの子のファンは、アンチな行動をとるんでしょうね。

そこまで含めて、「ファン行動」になってるというか。


この辺、若い男子の特性である、「攻撃的、戦闘的」な側面を刺激しつつも、最終的には「友情・努力・勝利」を目指す・・・みたいな、うまいコンセプト作りですね。

AKB48って、そういう意味で、絶対女には作れなかった企画ですよ。


秋元さん・・・80年代のクリエイターで、今もホントの意味でブームを生み出せてるのって、もはやこのヒトだけでしょうね。

歌詞も、さすがの言葉選びです。

今のJ-POP歌詞って、ホント終わってるじゃないですか?

イイ・悪いじゃなく、そもそも日本語の意味が分からん、的な。

秋元さんの歌詞はそんなこと無いし、言葉自体を上品に選んでますよ。

例えば、

「春色街角/空は着替えてても/花と恋の香りには/まだ気付いていない」とか。

日本語がちゃんとしてるとゆうか。

そりゃ「川の流れのよ~うに~」を書いたひとだもんなあ。


作詞も見事ですが、作曲もJ-POP職人を複数使い、クオリティ高いです。

編曲のひとも、キンキキッズの曲やってたヒトとか。

編曲とか曲調とかって、流行り・すたりがありますから。

器用なヒトを複数使って、目先変えてかないと、飽きられますから。

その点、モー○商法みてて、逆に学んだのかもしれませんね。


いやあ、AKBのことをこんなモリモリ書く日が来るとは思わなんだ。

とにかく、「男の子たちを女子アイドルに自己投影させる。」という斬新な商法を、完ぺきに、確信犯的に使ってるところに、度肝抜かれました。

AKB48劇場にも、いつか行ってしまいそーで怖い・・・

チケットが取れないことを祈る。

って、行きたいんだか行きたくないんだか。