なんつうあからさまなタイトル。
いや、しかし、コレめっちゃ面白かったわー。
参議院選挙結果よりもな。なんちて。
00年代は90年代と比べて、ドラマ不毛の時代。と言われてましたが、コレ読むと、
00年代は、「男の子ドラマの集大成」みたいな時代だったんだな、と。
著者の選ぶ、00年代ドラマベスト3。
「池袋ウェストゲートパーク」(00年 主演:長瀬智也 演出:堤幸彦 脚本:官藤官九郎)
「木更津キャッツアイ」(02年 主演:岡田准一 演出:金子文紀 脚本:官藤官九郎)
「花より男子」(05年 主演:井上真央、松本潤 演出:石井康晴 脚本:サタケミキオ)
これらは、クドカン中心とする先鋭的クリエイター達が、ジャニーズアイドルというメジャーな存在を使って、アニメや漫画の演出手法を大胆にTVドラマに取り入れていった、00年代を象徴する代表作である。と著者は言う。
実際、2000年代は、90年代に一世を風靡した「トレンディドラマ」、すなわちスター脚本家のオリジナルストーリーに代わって、マンガ原作ドラマが沢山作られ、ヒットした時代とも言える訳です。
90年代は、鈴木保奈美や常盤貴子など、「女子ウケ」するキレイ系の女優たちが、「女子のナルシシズムを体現」した役を演じ、女の子の欲望を忠実に再現したドラマが、沢山つくられました。
一方、2000年は、ジャニーズアイドルを使うことによって、そのファン層である女子を引きつけつつ、「マンガやアニメ」で表現されてきた、「男の子の成長」を、堤演出に代表されるような、マンガ的・アニメ的ノリを導入しつつ、描いたドラマがヒットした訳だね。
・・・やっぱ、男子って、マンガとアニメの二次元世界がダイスキなんだね。
・・・と、短絡的な総括をしてしまいそーになるが、個人的には、いくら90年代のドラマが女子に優しかったとはいえ、トレンディ・ドラマを観て脚本書きたいと思った事は、全く無かったんですよね。
当時のスター脚本家と比べても、クドカンや木皿泉、サタケミキオさんら、00年代を代表する脚本家の技巧ってのは、やっぱ上手くなってるよなあ。って思うし。
00年代ドラマは、その低視聴率化から、詰まらないという評価をされてしまいがちですが、あながちそーとばかりも言えまい、とワタシも思う。
ただねえ。
この著者のエライところは、無防備に00年代ドラマを持ち上げるだけでなく、批評もちゃんとしているのだ。
例えばキムタクの「HERO」。
「・・・・・見ている間は時代劇のように楽しめるのに、終わってみたらどうにも印象が薄い」
この感想って、00年代ドラマに共通するものだと思う。
今見ると古いし、イタかったけれど、90年代ドラマに確かにあった「熱気」みたいなものが、00年代ドラマには、どーにもこーにも、薄く感じるんだよな。
ほんでもって著者は、90年代を代表するTVドラマ役者であるキムタクの弱点をカンパしてしまう。
それは、
①清濁併せ持つような、人間のダークサイドを感じさせる業の深い演技ができない。
②自分が他人からどう見られているか、ということに対する自己客観性、批評性が無い。
という2点。
著者は、反対に、①が出来るのが中居くん、②が出来るのが亀梨くん、
と、名前をあげていますが、これには禿同。
一般人から突出するイケメン仮面を被っているジャニーズくんたちですが。
ワタシ達が見たいのは、そんな彼らの仮面の奥に見え隠れする、
「男の子のもってる弱さ、ピュアさ」
なんですよね。
こういう華やかさ/泥臭さの二面性を持ってる子を探し当てるの、ジャニーズ事務所は恐ろしい目利きですよ。
「ジャニーズ」というブランドが、ここ数十年の日本女子のハートをわしづかみにしてるのは、一重にこの「華やかさ/泥臭さ」の二律背反的魅力によって、だと思う訳です。
端的に言いますと、例えばホスト的な役目がビジュアル的には似合っちゃうが、
「・・・・ホントはそういうホストみたいなこと、したくないでしょ?」
と、聞きたくなっちゃくような、ナイーブさを持ってる子。ってコトです。
この「ナイーブさ」というのが、日本人は大好物なんですよね。
例えば「北の国から」の純役で有名な、吉岡秀隆さんのよーな個性ですよ。
吉岡くんって、ホスト役とか、絶対ムリそーじゃないですか。
この個性のまま、吉岡くんのルックスが、いわゆるホスト的イケメンくんだったら、まんまジャニーズタレントな訳ですよ。
(微妙に失礼だな・・・・まあ、あんな演技力あるジャニーズも、まずいませんが。)
そういう意味では、例えば亀梨くんやマツジュンがホスト役やったら、ビジュアル的にはハマるだろーけど、
「・・・ホントはムリしてない?」
って聞きたくなる内面の揺らぎがある、とゆうか。
このホスト的な華やかなルックス/それを内面化するのがムリそーなナイーブさ。
を、両方持ってる男の子なんざ、1億人の人口を探しまくっても、そーそーいまい。
んでもって、そういう男の子たち「だけ」で寄り集まっている芸能集団とゆー、虚構性。
この集団の個性が魅力として効くのは、女子だけかと思ったら、
この本の著者を始め、数々の男性クリエイター達をも、虜にしている訳で。
つまりジャニーズタレントは、男子の憧れ性、共感性も体現してる訳だね。
・・・・さすがジャニーさんです。
という意味で、ワタシがもし、自分が脚本書くとして(大きく出たね)、演者として出て頂きたいジャニーズタレントさんはですねえ。
亀梨くんと錦戸くん。嵐だったら二宮くん。
・・・・ですかね。
特に亀梨くんは、ライターから見ると、ものすっっっっごい興味を魅かれる存在です。
なぜなら、あれだけの素質がありつつ、「野ブタ。」以降、あまり当たり役がついてないからです。
彼はぜったい、私生活を彷彿とさせるよーな、10歳以上年上の女性と恋愛するドラマに出た方がイイと思う。
間違いなくブレイクする。
いや、もー十分ブレイクされてますけどね・・・・汗
それとジャニーズ以外では、溝口淳平くんと忍成修吾くん、AAAの西島隆弘くん、瀬戸康史くんも、何か書いてみたいな~と思わせる存在です。
共通点は、何かこう、明るいソトヅラの裏に、ちょっと屈折したものを感じさせるところ。
ワタクシ的には、特に「ホスト的華やかさ」にも「内面のナイーブさ」にも、反応しないタチなんですが、
「品行方正的な、清潔感のあるルックス」と裏腹に、「性格悪そう」な感じが見え隠れする男子が、ツボなんです。
ぱっと見で暗かったり、あからさまに屈折してる男子は、ツボじゃないんです。
例えばキムタクって、俺様ではありますが、決して「性格悪そう」には見えないじゃないですか。
ひねりが無いっつーか。
オダギリジョーさんとか、見た目ちょっとフツウじゃない感が漂っちゃってるじゃないですか。
んで、実際、屈折した感じの、ちょっと変わった役をやりがちじゃないですか。
これもひねりが無い。
やっぱ萌えって難しいですね。
アレ、また萌えの話になっちゃった。
そりゃジャニーズドラマの話してたら、萌え話になっちゃうよな。
って、この本の著者、男性だ。つーところに驚きというかナットクというか。
今、いろいろワタクシが考えていることのアレコレを(萌えに限らず)、色々刺激してくれる本でした。
