講談社もなかなかやるなあ。

ノンフィクション雑誌、「G2(ジーツー)」が、9月に創刊しました。


これ、マジすごいですよ。

代表的コンテンツは、

・柳美里によるドキュメント「児童虐待-なぜ私は愛するわが子を叩くのか-」。

・石井光太による「感染宣告-日本人エイズ患者と性愛の連鎖-」。

・元ベルディ所属、永井秀樹の独白録-現役続投-などなど。


これ以外も、濃ゆいタイトルが目白押し。

ぜひ、ノンフィクション好きは、手に取ることをオススメする。


まず、柳美里の実録ドキュメントですが。

彼女は、自らの「わが子への虐待」と、臨床心理士によるカウンセリングの一部始終を、対談形式で載せています。

芥川賞作家による、自らの「虐待」カミングアウト・・・・それも、「された」方ではなく、「する」方の。

ま~、相変わらず、重い芸風ですなあ、柳美里さん。

しかし、実に読み応えがあったわ。

なぜ、ヒトは、愛するわが子を傷つけてしまうのか?

その心の動きが、想像以上に、冷静に書かれてます。

まさに、当事者にしか書けない、闇の世界。


柳さんの作風って、露悪的スギじゃね?と思っていたんですが。

コレを読んで、このヒトは、本当に作家なんだな・・・と。

この芸風を貫くのに、彼女なりの覚悟というか、ある意味、命かけてるんだな、と。

自分の心の闇を何とか昇華したい、それも自分の意志の力で・・・という所が、彼女は激情型に見えて、実は理性のヒトなんだな、と。


誰も、自分が「加害者」であることを認めたり、更にその因果関係を自ら分析するよーなこと、したくないですよ。

でも、「作家」であるコトが自分のアイデンティティの一番に来る人の場合、そういう負の部分でさえも、言葉で把握しようとするんですよね。

文学や言葉に対する覚悟が無いと、そこまで捧げられないですよ。

「結局、原稿料の為じゃん?」的な見方も、あるとは思う。

でも、いくらお金貰っても、自分の恥部を曝け出すのは、相当な覚悟がいることですよ。


そして、彼女の息子さん。

どんなに怒られても、大人に嘘を吐いてまでも、9歳の彼は、「自分の髪を切る」という「自傷行為」を、止められない。

この現実の物語に、柳さんは、どういう落とし前をつけるのだろう・・・


このドキュメントを、柳さんに書かせたへんしゅーさん。

・・・すごい仕事をしたもんだ。


って、柳さんのコトだけで、イッパイになってしまいましたが。

天海祐希さんの元カレ、元読売ベルディ所属の人気Jリーガーだった「永井秀樹」の現在も、これまた面白い記事になってました。

FC琉球に所属し、男一人暮らしで、沖縄でプレイする永井選手。

日本のプロのサッカー選手って、結構しつこく、現役続けますよね(except:中田)。

よっぽどサッカーって、「止められない魅力」があるんだろーなー、と。

女優やタレントと浮名流してても、どっかでみんな、「女よりサッカーを愛す。」みたいな雰囲気が、しないでもない。

そういうサッカーの「抗えない魅力」が、永井選手を通して垣間見える、良いルポでした。


それと、出ましたノンフィクション番長?の石井光太氏。

相変わらず、業の深いテーマと取り組んでなさるなあ・・・

この「日本人エイズ患者と性愛の連鎖」という記事は、人間にとってセックスって何?というコトを、異性愛・同性愛の両方から切り込もうとしている、非常に野心的なモノです。

エイズという病気を、神様がこの世に流布させた意図をも、解明しようとしているかの様です。

とても今の自分には、咀嚼しきれない内容でした。

でも、読まずには、いられない。

そういう「痛い」(イタイでは無くて)文章を読みたいヒトには、迷わずオススメします。


このG2は、ネットでもタダで記事が読めるそーだ。

実に野心的。

次号は12月5日発売だそう。うーん、待ち遠しい。