遅い。遅すぎる。
たぶん、ワタシは日本で一番遅い女だわ。
末次由紀作「ちはやふる」を読むのが、サイコーに遅すぎた。
これ、2009年講談社マンガ大賞受賞し、
2008年「このマンガがすごい!女編」で、小玉ユキ作「坂道のアポロン」、くらもっちー先生「駅から5分」に次いで第3位になった少女マンガ。
あっちゃこっちゃで評価の高い、非常に注目されてるマンガで、もー5巻まで出てる。
しかし、ワタクシは末次由紀さんとゆー見慣れない名前と、いかにも少女マンガ風な絵柄と、百人一首競技カルタの和風な世界観がちょっとアレな・・・とか思って、ずっと食わずキライしてたんす。
ああ、ほんとバカだった。
今、ワタシが求めていたフィクションはコレだった!!
つうか、自分、中高生時代にコレ読みたかった!!
くらいの勢いで、今ワタシは猛烈に感動している。
あらすじは、「ちはや」というスポーティな小六女子が、同級生の貧乏なメガネ男子「新」に誘われ、競技カルタをやってみると、意外や意外、面白い。
同じクラスの頭脳明晰・眉目秀麗なお坊ちゃまくん「太一」も、そこに参戦。
「新」は、じいちゃんがカルタの永世名人で、自身も全国子供チャンピオンになる腕前だった。
んで、3人はチームを組んで、「カルタ」の世界にのめりこむが、卒業と同時に「太一」は私立中学へ、「新」はじいちゃんのいる福井へ引越し、ばらばらになってしまう。
再び3人が顔を合わせたのは、高校になってからだった。・・・・続く。
まー荒っぽいアラスジだこと。
本編は、コレの100倍面白い。
「ちはや」「新」「太一」の持つコンプレックスと、それに起因して「競技カルタ」に入れ込まざるを得ない情熱が、ほんっと丁寧に、でも勢いよく描かれていて、とにかく「爽やか、だけど熱い」。
これなあ、背景として、作者の末次由紀さんの事に触れておかねばなるまい。
こんなに絵が上手くて、ストーリーも構成も上手な作家さんが、どーして無名なの?とフシギに思ってもフシギじゃない(何のコッチャ)。
彼女は、一度、「盗作」的なコトをして、マンガ界を干されていたんだそーだ。
一巻の背表紙の折り返しの作者の言葉。
「・・・連載でマンガを描けることが、どれくらい楽しくて幸せなことか、文章ではうまく伝えられそうにありません。
マンガで伝わることを祈ってます。
さぁ、スタートです。」
マジ泣ける。
盗作で訴えられ、仕事を干される・・・・物を創る人にとっちゃ、もう「死んだ」も同然だろう。
そこから復活してきて、マンガを描く女。
相当、マンガが好き。自分がみっともない思いをしても、もう一度マンガが描きたい。と真摯に思った人であろうことは容易に想像がつく。
んで、「ちはやふる」は、まさに情熱を持ってないと生きられない、何かに夢中になったときにしか、「生きてる」って実感できない、そーいう人種を描いているマンガなんだ、コレが。
もうとにかく「ワタシ、生きてる!!」って実感しながら毎日生きていたい。
コレが終わっちゃうのが、怖くてたまらない。
苦しいけど、「生きてる」実感が欲しいから、止められない。
そこまで何かに夢中になってしまう性分のヒトは、ゼヒ「ちはやふる」を読みましょう。
そこに、あなたがいます。
「生きてる実感が欲しい。」と真摯に願う情熱を、自分でも気付かず、持て余すくらい体内に充満させてるヒト。
そーいうヒトが、一瞬でも「生きてる」って実感しちゃったら、何かどーなってもソレを「手離せない」。
そこには、お金も肉欲も介入できない。
もっとヒリヒリとした、滅多に満たされないから余計欲しくなる、そーいうタチの悪い渇望を抱えたヒト。
そーいう人たちのドラマが観たかったんだ、ワタシは。
ああもう彼氏とか友達とか家族とか詰まんない仕事とか世間体とか、どーでもいい。
何かに燃えていたいんだよ!!
萌えではなく!!
おかーさんは、こーいうお話が読みたかったんだよ。
って、未婚子無しの負け犬ですが、そーいうこととかホントどーでもいい。
久保ミツロウ作「モテキ」2巻が出たんで、そっちレビューしようかと思ったけど、コレ読んじゃったらムリだった。
もう「モテ」とかゆってんな。
いや、「モテキ」も面白かったんですけどね。
「ちはやふる」・・・うーん、やっぱ萌えより燃えだわ。
