つうことで、マイケル・ジャクソンのヴィデオ・クリップを一通りチェックしてみた。
スリラーといい、BEAT IT といい、圧倒的にPOPなド迫力。
これが出てきたときが、小林克也さんが言う通り、「音楽が立体的になった」瞬間だったんだろう。
マイコーが活躍した80年代中盤~90年初頭にかけて、TVの普及と共に、所謂POPスターがキラ星の如く現れた。
プリンス、マイケル・ジャクソン、マドンナ、ペット・ショップ・ボーイズにワム!・・・・って、どえりゃー派手な面々だな。
たぶん、音楽にそれほどキョーミが無い方でも、このヒトたちの名前は、たぶん聞いたこと位、あるだろう。
そして、彼らは黒人だったり、女性だったり、ゲイだったり・・・・マイノリティと言われる出自から、イッキに大衆のアイドルになった訳で。
PSBとワム!は英国人だけど、マイコーとマドンナは、まさに富める国アメリカの象徴で、実際彼らが何か新しいことをはじめると、もー私達日本人は、大人しくマネするしかなかった。まー、日本人だけじゃなく、世界中で起こってた現象なんだろうけど。
んで、マイコーの音楽なんだが。
ジャクソン5の時は、まんま「クロい」音楽をやっていたマイコー。
それが、ソロになった途端に、POPミュージックとしか言い様が無い物になる。
BEAT ITなんか、完全にロックだと思うけど、圧倒的なBEATとリズムもあって。
スリラーもBADもBLACK OR WHITEも、世界を流通しうる、とにかく「強い」POPミュージックそのものだ。
そんな音楽ジャンルは、マイコー以前には存在しなかった。
マイコーの中性的なルックス、少年の様な体型、完璧だけど個性的なダンスや掛け声。
圧倒的な個性と、相反するはずの大衆性が同居した、「怪物」。
ホントに新しいモノを創ってしまったヒト特有の、「分からなさ」がマイコーにはあった。
でも90年代終わりから、マイコーがどんどん「白人化」していく一方で、POPミュージック界ではHIPHOPとゆー、「クロいコトを否定しない、てゆうか寧ろ前面に出す」音楽が、人気を独占していく。
気が付けば、いまやビルボードチャートの上位は、R&BやHIPHOPが独占状態。
「クロい」要素のない音楽は、一部のマニア向け音楽に。
そして、そんな動きと反比例して、マイコーの音楽が、パッとしなくなっていくのだった。
彼の全盛期の大ヒット曲は、今も色あせることないキラメキがある。
でも、今聴き直して思った。
Ne-YoやUSHER、カニエ・ウェストなど、セクシーさと大人な男全開でR&BやHIPHOPをやっている現代のアフリカ系アメリカン・シンガー達と比べて・・・・
「子供」の音楽なんですよ、マイコーの曲って。
バカにしてるんじゃなくて、「性」の匂いが全くしない、という意味です。
20代~30代前半の、中性的で美しいマイコーを見てると、このヒト40代は、結構苦しかっただろーな、とシミジミ思う。
50歳の死は早すぎるけれど、マイコーにとっては、長い人生だったのかも。
もうこーなっては、そっとしといてやれや・・・つー考え方もあるだろーけれど。
マイコーの、整形依存。
なぜにあんなにいじるのか?彼のファンでさえも、ドン引きだったと思う。
米国で黒人として生まれた彼に、どんな心の傷があったのかは知らない。
でもオバマさんが大統領になって半年後、マイコーが逝ってしまったのは、何かフシギな因縁を感じる。
黒人であることを一つも否定しないで、見た目も中身も、カッコイイ自立した大人の男として、米国の頂点に立ったオバマ。
KING OF POPと呼ばれながら、どんどん整形を繰り返したマイコー。
時代がチェンジしちゃったのかもしれない。
そしてもう一つ、マイコーの少年愛疑惑。
整形までは受け入れられても、これにはマジでどん引きだ・・・と思ったファンも多いことでしょう。
でも、ワタシ思うんです。
こんなにスキャンダルまみれのマイコーの音楽に、私達大衆は、ガッチリ惹きつけられてきた。
マイコーの同世代にも、聖人君子で、人間的にも出来た、素晴らしいミュージシャンもたぶん、いたはず。
それでも私達は、マイコーの音楽に熱狂した。
クリエーションと、作者の人となりって、やっぱ別個のものなんだなあ・・・って。
だからと言って、マイコーが少年虐待していたら、こりゃやっぱり、ヒトを傷つける犯罪な訳で。
こーいうマイコーを見てると、POPスターや才能あるヒトの存在全部を、安易に全肯定することは出来ないな、と。
でも、マイコーの「音楽」そのものは、それとは切り離して聴きたいな、と思う自分もいる。
しかしスリラーのサビのメロディの斬新さ、ワクワク感、
BLACK OR WHITEの、世界各地の民族ダンスを次々カッコよくこなすマイコー。
子供特有の、「楽しいこと、見つけちゃったよ!」的な、ウキウキ感といいましょうか。
もうこんなヒトは、出てこないんじゃないでしょーか?
時代に選ばれた、稀代のKING OF POP。
さよなら、マイコー。
