えーっとコレは、くらもちふさこ先生の漫画じゃなくて、作品を作る工程とか、イラストの描き方を、ご本人のコメントと、豊富な資料で解説したムックです。

マンガ家志望のヒトが対象読者かな?

そーいや先日、三茶のドトールで時間潰してたら、超・熱心にネーム(下絵)をやっている女の子がいた。

あーやってネーム描くんだ・・・バクマン。みたい!って、ちょっとカンドーしたわ。


んで、くらもち先生ですが。

子供の頃の、絵や漫画の写真も載っているんですが。

手塚先生と同じく、小さい頃から、くらもち先生ったら絵が上手いこと上手いこと。

それと、ファンの方はご存知の通り、くらもち作品って絵柄やタッチが、どんどん変わるんだよねー。

ストーリーの構成にあわせて、マンガの描き方もドンドン変わる。

そんな所も、ずーっと第一線で活躍してる方の特徴でしょうか?


何しろワタクシ、くらもち作品は大好物でして。

一般的には、夏帆ちゃん主演で映画化された「天然コケッコー」が代表作なんだろーけど。

それよりも何よりも、ワタシが一押しのくらもっち作品は、

「A-Girl」

「kiss+πr2(キスプラスパイアールじじょう)」

「海の天辺」

「チープスリル」

「α」「+α」

といったところで、とても一つに絞れません。


特に思春期に衝撃を受けたのが、「A-Girl」でして。

これ、常に複数恋愛してないといられない、多情型男子に、ココロを奪われちゃった女の子の話なんですけど。

主人公「マリコ」が、所謂女子から嫌われそーな、天然「アーパー(軽い)ガール」に設定されてるところが、超・斬新。

そんで、ど・遊び人の多情型男子が、年下でもないのに一貫して主人公のことを「マリコさん」と呼び続ける距離感が、子供心にぐっと来た。

女には二種類いると思う。

男に「オマエ」と呼ばれてデヘっとするヒトと、イラっと来るヒト。

自分は圧倒的に後者です。

昔、男に「オマエ」と呼ばれて激怒、「・・・オ、オマエさん」と言い直させた過去がある。


とにかく何より、くらもっち-作品の最大の魅力は、

・ストレートな心理描写が少なく、人物の描き方が不親切。

・説明セリフもほとんど無く、どっちかっつーと分かりにくい。

・話の展開が、王道と思いきや、読者を裏切る。

といった、フツウのマンガでは、マイナスに作用しがちなトコロにあるのが実にフシギだ。

超・バランス感覚が発達してる作家さんなのだろう。


特に「チープスリル」以降の、ストーリーの組み立て方の斬新さと言ったら。

ロバート・アルトマンかよ。ってなくらいです。

複数の絡み合った登場人物、クロスする現在・過去・未来、場の設定・・・

マンガ表現のキモである誇張と省略のメリハリを最大限に利用し、ストーリーテリングの粋を結晶させたかのよう。

それでいて、キャラの立ち具合の見事さと言ったら(特にイケメン男子キャラ)。


まー結局、くらもっち作品の主人公って、イケメン・いけず男子と、天然カワイイ女子のカップリングの、年齢・職業別バリエーションに収斂されていくと思うんだが。

そういうカッポーが、十代の私の萌えツボど真ん中だったのかもしれない。


でももはや、くらモッチー作品に於けるイケメン・いけず男子なんてものは、ホワイトタイガーの如く、伝説の生き物と化している現代なのであった。

なもんで、人間関係におけるリアルさを追求するくらもっち先生の食指が動かなくなり、主題がクロスする人間関係性に映っていって、「駅から5分」とゆー極みにまで、上り詰めてしまったんだろう。

それはそれで、マンガの楽しみ凝縮なんであるが、チョーシこいてる「夏目くん」や、チープスリルの「イケメン教習所教官」や、掴みどころの無い「河野先生」とかの現代版が、見たいよー。

それはもう、ファンタジーにしか存在しない、幻の生き物なのかもしれん。