先週からフジTV「とくダネ!」では、佐々木恭子アナが産休に入られて、なかみ-になりましたね。

恭子さんの笑顔に癒されてきたワタクシとしては、「おいおい、なかみ-で大丈夫かよ・・・」って思ってましたが、意外に健闘してませんか?

若すぎず、落ち着きすぎず。

やっぱ、フジの女子アナはレベル高いわ。

 

女子アナのコトはどーでもイイとして、この本は佐々木恭子アナが、ユニセフとの共同事業「FNSチャリティキャンペーン」の支援対象国を自ら取材した、ルポルタージュだ。

副題は、「私が出会ったHIV/エイズの子どもたち」。

取材国は、マラウイ共和国、パプアニューギニア独立国、ガイアナ共和国。

彼女は、かの地に出向き、HIVポジティブの子どもや親たちに、対面取材を行っている。

これまた、なかなかにハードな内容であった。

 

何がハードって、佐々木アナが、取材をしながら、1人の人間として、目の前の現実にどーしよーもない、何も出来ない、徹底的に無力な存在であることを痛感していく様を、セキララに綴っているのだ、この本では。

 

例えば、パプアニューギニアで出会った、10代のジュニアというHIVポジティブの少年。

頭部や皮膚には浮腫が浮き上がり、エイズが発症し出した様子。

彼は、両親をHIVで失い、親戚の家の離れに寝泊りしている。

食事が与えられるのは、数日に一度。

学校も行っていない。

その地域は、健康な子どもを養うのにも、精一杯な経済状況である。

 

日本から来た佐々木アナたちの前で、やっと、数日ぶりに食事を与えられるジュニア。

ジュニアは佐々木アナに言う。「たぶん、あなた達が取材に来たから、この家の人はボクに、ゴハンをくれたんだと思うよ。」

ジュニアは、エイズが発症した母親の、月経の世話をしていた時、指に怪我をしていて、HIVポジティブになったのだと言う。

でも、今のジュニアには、世話をする人はもちろん、声をかけてくれる人も、毎日食事をくれる人もいない。

たった1人、空腹を抱え、自分を励ますために鼻歌を歌うジュニア。

 

・・・・といったエピソードが何個も何個も綴られ、その度に佐々木アナは自問自答するのだ。

「”命の重みは等しい”。今までそう習って信じてきたことが、絵空事のように思えた。」

過酷な自然環境に起因する、絶対的な貧困。

資源産出国でありながら、過酷で危険な男達の労働力は、驚くほどの安値で搾取される。

女・子どもは常にレイプの危険と隣合わせ、一夫多妻の習慣が残る地域では、夫から妻へのHIV感染も多い。

貧しさから脱しようと、町に出稼ぎに来た女・子どもにある唯一の仕事は、売春だけ。

 

青臭い問いだが、「人は何の為に生まれてきたの?」と、佐々木アナ同様、思わずにはいられない。

佐々木アナは言う、「どう生きたいか?ではなくて、毎日生きられるかどうかで、闘っている人々が、世界にこんなにいる。」

 

こーいう現実を知って思うのは、

「何だかんだ言って、ヒトの人生なんて、生まれてきた環境で、全て決まっちゃってるじゃないか・・・」

という、絶望感に近いものだ。

「ヒトは幸せになるために、生まれてきた訳では無い。」

と、ある人が言った。

ワタシもこの言葉には、深い部分で、納得している。

 

たぶん、ワタシ達日本人は、物質的にはかなり豊かなこの国で、常にジタバタしながら、何かしらの不安を抱き、一生「幸せ」にはなれず、生きていくんでしょう。

それは、この世界は大いなるディストピアで、ユートピアはどこにも無いという、確かな証明でもあると思う。

ものすごくネガティブな考え方だが、そこから出発しなかったら、ものすごい空回りだと思うのだ。

誤解を恐れずに言うと。

「幸せになるために生まれてきた。」という、何の役にも立たない幻想は、絶対貧困の現実の前で、物質的には豊かだが脆弱かつ貧弱なワタシたちのココロの前で、いさぎよく捨ててしまおう。

 

母親から、HIVに感染した15歳の少女、テレーザが言う。

「お母さんを恨んでいない。

たった一人のお母さんだし、もうこの世にいないから、何を言っても仕方がない。

将来は、シスターになりたい。

結婚したら夫や子どもにHIVが感染してしまう。他の人の人生まで、ダメにしたくない。」

・・・・甘い幻想など一つも無く、ここまで強くなった少女がいる。

ポジティブ・シンキングや、幸せを乞うだけの脆弱な「前向きさ」で、ヒトはこの境地に達することが、出来るだろうか?

 

この超絶・格差社会の前で、ワタシも何も出来ない存在の1人です。

でも、これだけは自分に誓おう。

「幸せになるために生まれてきた。」なんつー、安易な現実逃避には、巻かれないぞ!!と。

感情だけは自由で平等なのだから、せめてディストピアを生き抜く勇気を。

おいおい、それだけかよ?何か行動しろよ・・・って感じですが、まずは心意気に筋を通さないと、その先もグダグダになってしまうじゃーありませんか。

ホント、生きるってタイヘンですね。

 

もし、あなたの書棚に、「ポジティブシンキングゥ~」「幸せになれる方法」みたいな自己啓発書があったら、この機会に、一掃してみたらどーでしょう?

・・・・ハイ、余計なお世話でしたね。

もう寝ます。おやすみなpsycho.