自重してたんだが、やっぱ読んでしまった、鯨統一郎。
いい加減ブログっとかんと、うっかり二度買いしちゃいそーなんで、駆け足で纏めます。
1.「九つの殺人メルヘン」
渋谷区にある、日本酒をワイングラスに注いで出すという、嫌味な日本酒バー。
集う面々は、刑事、犯罪心理学者、バーのマスター、そしてメルヘン専攻の大学生、桜川春子。
彼らは、迷宮入りしかけた数々の殺人事件のナゾを、日本酒を飲みながら、語り合う。
でも、いつも鮮やかにナゾを解き明かすのは、門外漢である桜川さん・・・・
彼女は、事件のあらましを聞くと、いつもそれに似通ったメルヘンを思い出し、メルヘンの新解釈とともに、鮮やかにアリバイ崩しをしてしまう。
このアリバイ崩し、解説読むと、有栖川有栖氏が自著でアリバイ・パターンを9つに分類してるそーだが、なんと鯨氏は、そのパターンを、この「9つのメルヘン」で、一つ一つ、再現してるそーだ。
9つのアリバイ・パターンと、9つのメルヘンの新解釈と、9種類の日本酒に関する薀蓄が詰まった、とってもお得な一冊。
予定の無い金曜の夜、部屋でマッタリと、懐メロかけながら、ぬる燗片手に読むと尚良しでしょう。
2.「なみだ特捜班におまかせ!-サイコセラピスト探偵 波田煌子」
「なみだ研究所へようこそ!」の続編で、前作でサイコセラピストだった波田煌子(なみだきらこ)が、今作では警察に民間人プロファイラーとして登用され、難事件に挑む。
事件を解決した後、必ず右目か左目のどちらかから、ひとすじの涙を流す煌子。
右目の時は、犯人の自己中心さから、左目の時は、犯人のトラウマから事件が起ってる気がする。
主人公の波田煌子さん・・・この主人公、ワタシの理想のヒロイン像である。
何がどー理想かとゆーと、
①天然ボケである。
②見た目がショボい。
③ボケ役かと思いきや、権威ある上司などには、鋭く突っ込む。
④仕事にガツガツしてないが、常にクリエイティブな発想力を発揮。
⑤加害者の動機に過度な思い入れをせず、被害者への同情を忘れない真っ当さ。
の、両立がなされているトコロである。
しかし、この煌子さん、会話全てがガックンガックンと、脱力の応酬である。
んで、起る事件も、正直いわゆる「バカミス」である。
でも面白い!!
この「なみだ」シリーズは、鯨氏の間違いなく代表作だ。
中辻理夫氏の文庫解説が、極めて秀逸であったので記しておく。
「ミステリというジャンルでは、フツウは有り得ない解釈が成立してしまう意外性とサプライズが命。鯨氏の作品には、それに常に笑いが伴うが、それは既成の常識をものすごい勢いでひっくり返し、ナンセンスを生み出しているからだ。これは、一種、パンクロッカーにも似た創作姿勢である。」
そーかー、それでワタシは鯨派だったのか・・・
とゆう訳で、鯨作品はパンク好きにもおススメである。
予定のない休日の昼さがり、縁側かベランダでパンク・ロック聴きながら、緑茶と和菓子片手に読むと尚良しでしょう。
3.「みなとみらいで捕まえて」
神奈川県警の敏腕警部、犯人優里(はんにんゆうり)37歳と、巡査の南登野洋子(みなとのようこ)23歳。
そして横浜中華街より、「酩淡亭(めいたんてい)」の主人にして論語研究家の明丹廷(メイタンテイ)117歳が、孔子のコトバを引用し、みなとみらい周辺で起る、数々の難事件の謎を解き明かす。
その被害者や容疑者の名前は、住友正次(すみともしょうじ)に小中大(こなかだい)に歌川椎奈(うたがわしいな)。・・・
もうこれだけでどんなミステリか予想がつくっつーもんだが、まさにその通りのバカミスです。
舞台が、横浜の観光地を網羅しているので、ハマ好きにもおススメだ。
出張帰りの新幹線で、i-podで山口百恵を聴きながら、シューマイ弁当片手に読むと尚良しでしょう。
4.「新・世界の七不思議」
繁華街の裏ぶれたバー。歴史学者のハートマン教授と早乙女静香、ライターの宮田とバーテンダーの松永が、カクテル片手に世界史の七不思議を解き明かす。
しかし、いつも斬新な解釈でハートマンと静香をやりこめるのは、門外漢の宮田である。
解き明かす謎とは、アトランティス大陸、ストーンヘンジ、ピラミッド、ノアの方舟、始皇帝、ナスカの地上絵、モアイ像とゆー、超メジャーな世界史の謎である。
世界史好き、不思議好きにはとてもおススメなミステリである。
また、各話で披露されるカクテルの薀蓄、静香の頼むキャビアやトリュフ、鶏の唐揚げ、地鶏の焼き鳥セット、カツ丼、カラスミにコノワタの美味しそーなコトと言ったら。宮田の頼む、〆の「カシスシャーベット」には、あんまり惹かれないが。
つう訳で、海外旅行中の飛行機で、白ワインとソーダ頼んで作った即席カクテル、「スプリッツァー」を片手に読むと、尚良しでしょう。ビジネスクラスのあなたは、「キール・ロワイヤル」いっちゃって下さい。
はあはあ、疲れた・・・・
読むのは全く苦にならないんだが、鯨作品は小ネタが多くて、拾うのタイヘンだ。
でも楽しっす![]()
ぜひ、この快楽を皆さんにも味わっちゃって欲しいもんだ。
