いかん、鯨統一郎の本を読むのが止められなくなってきた。

それにしても講談社ノベルズ、軽いし字もおっきいし、読みやすいなー。

地下鉄の中でも、サクサク読めるよ。

ブック・オ○で買ったら半額だし・・・

とか何とか理由を付けて、また手が出てしまった、鯨統一郎作「タイムスリップ森鴎外」。

 

もうまんま、森鴎外が大正時代から2002年(初版当時)の渋谷に、タイムスリップして来るお話です。

ストーリーの骨格としては、

1.何者かに命を狙われた森鴎外が、絶命する直前、現代へタイムスリップしてしまう。

鴎外は、誰に、なぜ、命を狙われ、タイムスリップしてしまったのか?

=文学史型ミステリ。

2.鴎外は、2002年の渋谷で、コギャル(当時)の「うらら」という少女と出会う。

うららのギャル語と文豪・森鴎外(うららによってモリリンと命名)の、厳格な日本語の応酬。=ズレ型コメディ。

3.2002年の日本に、懸命に馴染もうとするモリリン。

根が器用で賢いので、ドンドン時代の利器を習得し、現代風俗も消化してゆくモリリン。

渋谷109の一般参加型イベントで、「メメント森」という芸名で、ラッパー達に混じって即興でライムまでするモリリン・・・=落差型コメディ。

つう、3つのパートが絡まりあい、1.をベースに合間合間で2と3を屈指し、読者を脱力させるとゆー、サービス精神満点の作りです。

 

特にワタシのツボだったのが、モリリンを殺そうと追いかけてきた刺客(?)をまくために、うらら達とカラオケBOXに入るところ。

モリリンは、「現代風俗を知らないと周囲に怪しまれるから」とユー理由で、うらら達にJ-POPのCDを渡され、独学していたのだ。

ガンガン曲を入れるモリリンたち。

-佐野元春「ガラスのジェネレーション」。

-中森明菜「北ウイング」。

-モー娘「LOVEマシーン」。

-郷ひろみ「お嫁サンバ」。

-キンキ・キッズ「kissから始まるミステリー」。

全部なつメロなのは、ある言葉が歌詞に入った曲を、選んで歌ってるからなのですね。

「ある言葉」が何か、気になる方は、本書をお読みください。

つうか、くだらねえ・・・・ガーン

まあいいじゃないか。そんなにカリカリしなくても。

 

んで、モリリン達は、コトの犯人はたぶん実在する作家だろうと推理し、とある文章の一節にたどりつく。

その情報を集めるため、とうとう自分のホームページ、「殺された十七人の文学者」を立ち上げるモリリン。

モリリンは、うららから借りた「近代日本文学史」を読む内に、自分の生きた大正時代の作家達の寿命が、なぜか他の時代のヒトより短い・・・とゆーことに、気付いたんである。

んで、その早死・急逝した17人の作家達も、自分同様、誰かに命を奪われたのでは?・・・と推測したのであった。

 

コレ、主人公を「森鴎外」にしたのがハマってるわ。

鴎外って、医者で、世渡り上手で、頭が良くて合理的・・・なイメージがあるじゃないですか、神経質だった夏目漱石とか、ナイーブで童○だったと言われる宮沢賢治と違ってさ(イヤ、○貞でも全然イイんですけど、物の例えって奴です)。

鴎外は、理屈を説明すれば、意外とすんなり現代の生活にも馴染めちゃうタイプだったろーな、って思えちゃう。

でも、モリリンは、殺されそーになるまえ、「舞姫」のモデルとなったドイツ人のモトカノ、「エリス」の顔を脳裏に浮かべる。

んで、思ったのが、「死にたくない」。

んで、タイムスリップしてきて、コギャルのうららを見て思ったのが、「オレンジ色の髪が、エリスに似てる」。

まあ、モリリンはじーさんなんで、うららとラブい感じには、とーぜんなりませんが、何かステキでした。

そーあって欲しいモリリンです。

 

結局オチとしては、またしても極めて脱力・・・なモノだったが、もーホント、最初から最後までスガスガしいほどバカバカしかったので、満足です。

荒唐無稽な展開に、ちゃんと理屈がついてるところが、ワタシのツボなんです。

 

んで、今手元に、同じ作者の文庫新刊「なみだ特捜班におまかせ!-サイコセラピスト探偵 波田煌子」とブッ○オフった「みなとみらいで捕まえて」があるのだが。

勿体ないから、イッキ読みしないで取っておこっ。

特に「なみだ特捜班」、しばらく本棚に飾ってニヤニヤにひひするのさ。

さーさーはよ寝よ・・・おやすみなpsycho.