※注意!!※
・これは完全なる俺の自己満足作品です。本当に暇で暇で仕方がなく読んでやっても良いんだぜ?と思う方だけ読んでいただければーーーーーああ。
・設定に多数の厨二設定が含まれております。
・モンスターハンターの公式設定をかなり無視しております。


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登場人物紹介
NAME:タロ
HR:2
主な使用武器:ランス、ガンス


小説モンスターハンター ~愛の物語~


備考:三年前以前の記憶が無い。これから村クエ最終の「モンスターハンター」に挑もうとしている。

~タロ・MH編ステータス~

武器:ヒドゥンスティンガー
頭:ギザミSヘルム
胴:ギザミSメイル
腕:ギザミSアーム
腰:ギザミSフォールド
脚:ギザミSグリーヴ

発動スキル
攻撃力UP【中】
砥石使用高速化
切れ味レベル+1


~オトモアイルー・カク~

初代旦那さん:タロ
オトモLV:18
攻撃力:306
防御力:155
なつき度:☆☆☆☆☆
毛並み:黒メラ
性格:武器一筋
攻撃系統:切断
攻撃傾向:武器のみ

オトモスキル
回復笛の術
真・回復笛の術
ぶんどり術



11

入口の向こう側から聞こえてくる大歓声。
そんな大歓声の中に、最初にいるモンスターは「空の王者リオレウス」。
タロは大闘技場の入口の檻が開いたのを確認すると、アイテムポーチから強走薬Gと硬化薬Gを取り出し、サッと飲み干した。

うげえ…っ相変わらずすごい味だな…!!

口の中はとても甘く、それでいてとても苦い、そんな複雑な後味だった。
しかし、そんな後味に目が覚めるような、意識がはっきりする感覚にタロはしっかりと前を向き闘技場の中に走って行こうとした。
だが、何を思ったのかタロはトンネルの入り口で急に足を止める。

そしてそのままそこに動かなくなった。
オトモのカクは当然そのまま中に入ると思っていたので、そんな主人の行動に急ブレーキをかける。
「旦那さん、どうしたニャ!!行かないのかニャ!?」
カクが不思議そうな顔で、タロを見上げる。
「まあ、ちょっと待て。」
タロはそう呟くと、トンネルの向こうをずっと凝視したままアイテムポーチをごそごそと探っている。
檻が開いて数十秒が経ち、観衆の歓声もその質を変え始めた。
「おい!!早く出て来いよ!!!この前座野郎―!!!」
「怖気づいたか!!!上位野郎―!!!」
そんな野次が飛び始める。
タロが一向に闘技場の中に入ろうとしないのを見て、カクが不安そうな顔でタロを見上げた。
タロはそんなカクの頭を撫でると、
「何、大丈夫だ。ちょっと先制してやろう。」
と、笑いながら言う。
このクエストの後に「ガルダ」という王族のハンターがクエストを行う事を聞いていたタロは、観客のほとんどが自分を「前座」と見ているだろうと予想していた。
「早く食われちまえよ!!!」
「少しは楽しませてくれよ!!!上位野郎―!!!」
案の定、この野次か。
控え室にいた兵士の、気づかうような台詞に今更納得する。
俺は『盛り上げ役』という大役を担っている訳だな。

「ならばその期待を見事、裏切ってやろうか!!」
タロはいきなりそう叫ぶと、アイテムポーチから取り出した物を握りしめたまま走りだした。
慌ててカクがタロの後を追う。
ちょっとしたトンネルを抜けて。


太陽の光とともに、ど真ん中で威風堂々と構えている赤き飛竜と、大歓声を巻き起こしている観衆の姿がその目に飛び込んできた。

タロはアイテムポーチの中から取り出しておいた閃光玉を、リオレウスがこちらに視線を移すより先に投げつける。

観衆はタロが入口から出てきたのを確認し、さらにその大歓声の音量を一つ上げようとしていた時だった。


カッ!!


その場にいた、タロ以外の全ての者がその閃光玉の光に無防備だったようで、観衆の声が「あっ!!」という声に変わった。
そんな光の中、タロとカクは一直線にリオレウスの頭に向かって走る。

タロは背中に担いでいた槍を左手に持つと、手慣れた感じでリオレウスの頭にその槍を突き出した。


12

観衆がタロの閃光に目を眩ませて数十秒、ざわついていた観客も徐々にその視力を回復していく。
「あの前座野郎、開幕閃光かよ…!!!」
観客の中の誰かがそんな呟きを漏らす。
やっとその眩みから回復した観客は、中央で戦っているタロ達とレウスを見て驚いた。
他の観客が思わず指をさす。
「おい…!!レウスの頭が…!!」
観客の誰かがそう叫んだレウスの頭部は、すでに破壊されていた。
闘技場全体がどよめく。

そんな闘技場のどよめきに構わず、タロはレウスの頭部にさらなる渾身の上突きを決めていった。
そしてリオレウスの目の眩みも解けた事を確認すると、タロは急いでバックステップで後ろに下がるとレウスの様子を窺う。
目の眩みも解けてレウスは改めてタロの方に向くと、なんの躊躇もなくタロに向かっていきなり突進した。
タロもそんなリオレウスの行動は予測済みなのか、右手の盾を突きだしてその突進を受け流す。


小説モンスターハンター ~愛の物語~



受け流した時のガードバックによって生じた距離をバックステップで調節すると、タロはそこでまた改めて盾を構え直しレウスと対峙した。

闘技場内がさらにどよめく。
「前座」だと思われていたタロの予想以上のランス捌きに、闘技場内の雰囲気に多少の変化が出た。
「おい…やるじゃないか…あの前座野郎。」
そんな呟きが観客の中から聞こえる。

しかしそれもごく少数の呟きのようだ。少し時間が経つと共にすぐにその呟きはかき消えた。
「まあでもこれ位はな…。ガルダ様の『前座』だしな。」
「ああ。まあすぐに食われるのも興を削ぐしな…。」
そんなタロの鮮やかな先制でも、中々闘技場内でのタロの「役目」は変わらないようだった。
相変わらず、タロへの汚い野次は飛んでいる。

しかしタロはそんな野次を気にする様子もなく、盾を構えつつレウスの動きを観察していた。
いや、正確に言うと野次を気にしている余裕が無かった。
先ほどのレウスの突進をガードした時の衝撃に心底肝を冷やしたからだ。

おいおい…これが…G級の衝撃…かよ…!!
ガードで受け流した右手が、じんじんと鈍い痛みを持っている。
レウスの突進を幾度となく受け流してきたタロだったが、こんな衝撃は初めてだった。
うっすらと額に嫌な汗が流れる。

これは…「もらったら」…本当にまずい…。
今までにない緊張感がタロを襲った。

しかしそんな緊張とは別に、こうしてレウスと対峙してタロは一つ安心した事もある。

とりあえず、今はあの「疼き」が無い。
あの「疼き」に耐えながらこんな化け物相手は、正直勝てる気がしないだけに今はそれだけでもありがたかった。

さて…どうしてくれようか。
額にうっすらと汗を浮かべたまま、タロはレウスをじっと見つめる。


レウスはタロの方に向き直すと、その王者の風格漂わせる赤い翼を羽ばたかせ、空に舞った。


13

レウスの羽ばたきに観衆は歓声を上げる。
レウスは空に羽ばたいてこそのモンスター。
普段狩猟をしない各国の来賓やこの国の貴族にとっては、そんなレウスの羽ばたきを見ること自体が新鮮だった。
レウスは一定の高さまで飛ぶとタロの方に向きを合わせる。
そこから繰り出されるのは、「火竜」の異名を持つレウスの象徴の火球。
レウスはそんな「人間」の手出しできない絶対的領域から攻撃を繰り出した。

さらなる歓声が巻き起こる。

「人間」の領域を越えるモノを見る。聞く。感じる。
これは人間が持つ「興味の本質」を突く。
そんなレウスの「動き」に、人間は畏怖しながらも目を離す事はできないだろう。
リオレウスはまさにその「興味の本質」そのものだからだ。
観客はそんなリオレウスに見惚れた。


だが、その畏怖すらも「ハンター」は越える。
狩る事を知らない、レウスに畏怖しか持たない観客には解らない、レウスを越える術とレウスに立ち向かう勇気を「ハンター」は持つ。

天高く舞う、恐れ敬うレウスに見惚れていた観客がそんな「ハンター」を目撃するのに、そんなに時間はかからなかった。


カッ!!


今日二度目の閃光がいきなり闘技場全体を襲う。
そして次の瞬間には観客にとっての「畏怖」であるべき存在のリオレウスが、地面に叩き落とされた。
タロはレウスが火球を吐きだしたその瞬間に、レウスの視界に閃光玉を投げ込こんでいたのだ。そしてその場に叩き落としたリオレウスに向かって躊躇なくそのランスを突きつける。

観衆の歓声がまたしてもどよめきに変わった。


生物は自身で「対処できないモノ」に対して「恐怖」を持つ。
これは本能だ。
そんな感情からは逃れることはできない。
普通は恐れ慄き、逃走する事しか考える事ができない。


理解ができないのだ。
この観客達には。

「畏怖」をも超える「同種」に。

大闘技場を閃光の光が幾度包んだのか。
大した時間もかからず「畏怖」の対象が地面に亡骸として転がっているそんな場面に、大闘技場の観客達は声を出す事が出来なかった。

自分より身分の低い「同種」に対して出す「歓声」は無い。
しかし、「畏怖」をも越えるこの「同種」に出せる「罵声」もない。



数百という観客が、一斉に黙り込むという異様な光景がそこにあった。



観客達はそこに…畏怖を越える術と、立ち向かう勇気を持つ「ハンター」という「異種」がいる事を思い知らされる。
リオレウスの亡骸を運ぶために大闘技場に数人の兵士が入ってくると、そこでやっと観客達にざわつきが起こり始めた。

観客達は認めざるを得ないのだ。
上位装備のこの「ハンター」を。
そこには自分達とは違う、「ハンター」という身分の者がいるという事を。


レウスの亡骸を運ぶ荷車が闘技場内から出て行く頃になってやっと、タロに対してこの大闘技場内が轟く程の「大歓声」が湧いた。


14

リオレウスを討伐したタロに対して大歓声が沸いたその時、門番として警護していたグスタとアズはそんな大歓声に目を合わせた。
「この大歓声…どっちだと思う!?」
大闘技場内の大歓声を聞いたアズが、思わずグスタに聞く。
どっちとは当然討伐したのか、公開処刑を受けたのか、という事だ。
「この歓声…これはもちろん討伐したんだろ…!!」
グスタは思いのほか、興奮気味だ。
今まで幾度となく王族貴族の「ハンター様」の前座の歓声を「聞いてきた」グスタにとって、この歓声は間違いなく今までにない異質な歓声だ。
予想通りの「前座」の結果では、こんな「大歓声」は湧かない。
「そうか…。まだ、アイツは生きてるんだな。」
そう呟くとアズはホッとした顔で闘技場に目を移した。
特に会話をした訳ではないが、あんなカイザーX野郎の「前座」として死んでいくにはあまりにも不憫だと思っていただけに、アズは嬉しそうに笑う。
そんなアズの想いはグスタも同様だった。
「しかし上位装備であのレウスに勝つとは…これは本当に『公開処刑』という訳ではないかもしれんな。」
グスタはそう言うと改めて上位装備でついさっきまでここにいたタロを思い出す。
「そんな強そうなハンターにも見えなかったが、見た目からは解らないものだ。」
グスタはそんな正直な感想を呟いた。
「全くだな。で、次はなんのモンスターなんだい?」
モンスターハンターのクエストを知らないアズは、グスタに聞く。
「次はティガ。確かティガレックスだな…。」
そう答えるグスタの顔が少し曇った。
「ティガだと…?レウスの次に…?ちょっと待ってくれ。このクエスト、他にどんなモンスターが出てくると言うんだよ?」
アズが思わず聞き返す。
「いや…本当にこのクエストは特別なんだ。本当に『選ばれた者』のみが挑戦できるクエスト。『勇者』と呼ばれる所以さ。」
そんな呟きと共にグスタが他に出てくるモンスター名をアズに教えると、アズは唖然とした顔で、
「そんな…本当にアイツは…このクエストをこなせるのか…?しかも上位装備だろ…?」
と、驚愕する。
「だから俺も最初は信じられなかったんだよ。しかし…アイツはどうやらレウスを討伐したようだぜ?」
そう言ってグスタはアズを見た。
「…。本当に…何者なんだよ…アイツ…。」
目を見開いたままアズは呟く。
「やっぱり…三年前のアイツと関係があるんだろうな…。まあなんにしても…本当にやってのけたら、次のカイザーX野…カイザーX様はいたたまれんだろうな。」
グスタはそう言ってフッと笑う。
「そうだな…本当に…。」
アズは本当にそうなったらどれだけ愉快な事だろうと思うと、心の中でタロを思う気持ちが強くなった。


先ほどまで歓声に沸いていた闘技場内は、いつの間にか静かになっている。


「次」が始まる。


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MH編5に続く