「緊急事態宣言」と「まん延防止等重点措置」どう違う? 東京など7都道府県で21日移行
2021年6月20日 19時01分東京新聞
10都道府県で発令中の緊急事態宣言が、沖縄を除く9都道府県で20日を期限に解除される。東京、北海道、愛知、京都、大阪、兵庫、福岡の7都道府県では21日、「まん延防止等重点措置」に移行する。「緊急事態宣言」と「まん延防止措置」。そもそも何がどう違うのか。目的や対象地域、制限の内容、できること・できないことの線引きなど、気になる点を整理した。(デジタル編集部)
【首都圏の状況】
◇東京都…20日まで緊急事態宣言、21日から7月11日までまん延防止措置
◇神奈川県、埼玉県、千葉県…7月11日まで「まん延防止措置」
◆対象地域 緊急事態は都道府県全域、まん延防止は一部地域
緊急事態宣言は各都道府県全域が対象になるのに対し、まん延防止措置は特定の地域内で感染を抑え込むことを目的とし、知事が指定した地域のみが対象になる。例えば神奈川県は県内20市町をまん延防止措置の対象としてきたが、期限延長に伴い、21日以降は6市に減らす。
◆対策 緊急事態なら休業も、まん延防止は時短のみ
緊急事態宣言では、飲食店などに対し、休業や営業時間短縮の命令や要請ができる。一方、まん延防止措置では休業の命令や要請はできず、営業時間短縮のみとなる。
具体的な命令、要請の内容は、政府が取りまとめる「基本的対処方針」の内容を基本とした上で、各都道府県の知事が地域の状況を踏まえて対策の上乗せをする。基本的対処方針の内容は変更を重ねている。今回の東京などへのまん延防止措置適用に伴い、まん延防止の対象地域内での酒類提供を、条件付きで午後7時まで認めることなどが加わった。
◆大規模イベント観客制限
新国立競技場=本社ヘリ「おおづる」より
プロスポーツなどの大規模イベントの観客は、緊急事態宣言でもまん延防止措置でも同じで、「5000人」か「会場収容人数の50%」の少ない方が上限となる。どちらも解除後1カ月程度の経過措置では「1万人」か「会場収容人数の50%」の少ない方が適用される。
まん延防止措置解除後に上限1万人とする経過措置は、6月16日に開かれた政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会で新たに了承された。この上限1万人が、東京五輪・パラリンピック大会に適用することを見越した対応かどうかについては、政府と専門家組織の間で駆け引きがあった。感染症対策分科会の尾身茂会長は、会合後の記者会見で、東京五輪・パラリンピックの観客とは無関係だと「政府に確認し、了承した」と話した。一方、官邸幹部は「決定内容は五輪に関係してくる」と述べた。
【関連記事】「まん延防止」後の観客上限1万人「五輪は別」確認し了承 政府分科会の尾身会長
【関連記事】切り離す前提だが…上限1万人は「五輪に関係」と官邸幹部、有観客へ思惑
◆命令違反の罰則は?
知事は時短営業や休業の要請を拒んだ飲食店などに命令を出すことができ、命令に応じない場合は行政罰が科される。罰の重さには差があり、緊急事態宣言は30万円以下の過料、まん延防止措置は20万円以下の過料だ。
◆発令、適用のタイミングは?
医療提供体制の逼迫具合や新規感染者数を示す指標をもとに4段階で区分される感染状況が発令、適用の目安になっており、緊急事態宣言は最も深刻な「ステージ4(爆発的感染拡大)」、まん延防止措置は「ステージ3(感染急増)」で出される。ただ、機械的に発令、適用されるわけではなく、政府が専門家の意見を踏まえて最終判断している。6月15日時点の指標では、大阪府は入院率と人口10万人当たりの療養者数がステージ4相当だったが、20日まででの緊急事態宣言解除が決まった。
◆緊急事態宣言、まん延防止措置を巡る課題
感染拡大防止のため外出自粛を呼び掛ける東京都の宣伝トラック
休業や営業時間短縮の命令、要請を巡っては、線引きが曖昧になり、内容に納得できない業界団体が行政に抗議するケースもある。
東京都に対する緊急事態宣言が延長された5月には、劇場や演芸場の営業が条件付きで認められた一方、映画館は休業要請のままとなり、映画館の関係者が都庁前で無言の抗議デモを行った。こうした線引きには、都庁内からも「説明が難しい」という声が漏れていた。
まん延防止措置の対象地域の絞り込みでも、線引きが課題になった。市町村ごとの指定が可能で、地域の感染状況に合わせたきめ細かな対応ができるが、線引きの結果、同じ駅周辺の繁華街で対象になる区域と、ならない区域が混在する事態も起きた。
東京都に4月12日からまん延防止措置が適用された際には、JR三鷹駅北側の武蔵野市が対象となる一方、南側の三鷹市は対象から外れ、時短営業要請は武蔵野市内の店なら午後8時、三鷹市内なら午後9時と時差が生まれた。適用初日には「つい三鷹市側に来てしまう」と明かす客もいた。
時短営業などの要請の実効性にも課題がある。実効性は、命令に違反した場合の罰則と、要請に応じた事業者への協力金の支払いによって担保されているが、5月には飲食店経営者から「時短要請に協力したいが、できない」という声が聞かれた。東京都などで時短協力金の支給が遅れていたからだ。5月下旬時点では、3月8~31日分の未支給率が東京都で45.8%、神奈川県で51.0%だった。
【関連記事】時短協力金支給「遅すぎない?」...飲食店「要請するなら約束守って」 1都3県未支給率まとめ
◆効果は?
社会経済活動を強く制限する緊急事態宣言の方が、人の流れを抑制する効果が強い可能性を示すデータはあるものの、宣言期間が長引いた場合に抑制効果が薄れていく傾向もみられる。
厚生労働省に助言する専門家組織「アドバイザリーボード」で、東京都医学総合研究所の西田淳志・社会健康医学研究センター長が提出した主な繁華街の滞留人口の分析結果によると、東京都では4月12日のまん延防止措置の適用直後より、同月25日の緊急事態宣言発令直後の方が大幅に減少した。
この分析は、衛星利用測位システム(GPS)を活用し、繁華街にレジャー目的で滞留したとみられる人口を推定している。東京都では、4月の緊急事態宣言直前に90万人を超えていた午後2~4時の滞留人口が、宣言後には一時的に50万人台にまで下がった。ただ、6月13日までの分析では「5週連続で繁華街滞留人口が増加。夜間・昼間ともに宣言前の水準にまで戻りつつあり、宣言解除後はさらに増加する可能性」と指摘された。
【関連サイト】厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード
以下の記事はNHKの記事を参照一部引用させていただきました。
東京は緊急事態宣言解除 まん延防止等重点措置移行で何が変わる

東京都に出していた緊急事態宣言について、政府は、まん延防止等重点措置に移行させることを決めました。これにともない飲食店や大規模施設、イベント開催についての措置はどう変わるのか。政府方針のポイントや東京都の検討状況など現時点の情報をまとめました。
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東京都 まん延防止等重点措置移行で何が変わる?【詳細情報】
東京都の緊急事態宣言解除 まん延防止等重点措置に
政府は、新型コロナウイルス対策で出されている緊急事態宣言について、沖縄を除く9都道府県は期限の6月20日で解除し、このうち東京都など7都道府県は、7月11日までの期間、重点措置に移行させることを決めました。

何が変わる 政府対処方針のポイント
これに伴い政府は、新型コロナウイルス対策の基本的対処方針を変更しました。
基本対処方針とは
「基本的対処方針」は、新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づいて「政府対策本部」が策定し、政府の全般的な方針や対策の実施に関する重要事項を盛り込むことになっています。策定にあたっては、緊急の場合を除き、あらかじめ専門家からなる諮問委員会に諮ることが定められているほか、策定後にはただちに公示して広く周知することが求められています。
主な内容は以下の通りです。

○まん延防止等重点措置の適用地域の飲食店
午後8時までの営業短縮を引き続き要請するほか、酒類の提供については、一定の要件を満たした飲食店で午後7時まで可能としています。
一方で、要件を満たさない店舗には酒類を提供しないよう要請することや、地域の感染状況に応じ、知事の判断でさらに制限できるとし、要請に応じている店舗との公平性を保つことができるよう、特別措置法に基づく命令や過料など適切な運用を図るよう求めています。
○カラオケを提供する飲食店
カラオケを提供する飲食店については、当面、利用の自粛を要請し、緩和するかどうかは、地域の感染状況やワクチン接種の状況を踏まえ、知事の判断で行うとしています。
○デパートなどの大規模施設
知事の判断で営業時間の短縮を要請するほか、入場整理についても働きかけを行うとしています。
○イベントの開催
重点措置の解除後、1か月程度の経過措置として、主催者に対し、1万人を上限とすることや、地域の感染状況を踏まえ、知事の判断で、開催時間の制限を要請するなどとしています。
○職場への出勤
職場への出勤については、出勤者数の7割削減を目指すことも含め、接触機会の低減に向けて、在宅勤務やローテーション勤務を強力に推進するよう求めています。
東京都は調整中 公表は18日に繰り延べ

東京都は、緊急事態宣言が解除され、まん延防止等重点措置に移行する6月21日からの対応について18日公表する予定で具体的な措置の内容について詰めの調整を進めています。
関係者によりますと、飲食店に対しては営業時間を午後8時までに短縮するよう要請したうえで、酒を提供する場合には制限を設ける方向で調整しています。利用する人数や酒を提供できる時間帯、客の滞在時間などに条件をつける案が検討されているということです。また、対象の地域は感染状況などを踏まえて決めることにしています。
都内の新たな感染確認は下げ止まっていて、専門家から急激な感染拡大の可能性が指摘され、7月に東京オリンピックの開幕が迫るなかでの措置となり、都としては、酒をともなう飲食の場に一定の制限をもうけることでリスクを減らしたい考えです。
小池知事
「国の基本的対処方針の詳細な部分がまだ不明なところもある。段取りを考えると本当は17日にもさまざま都としての措置を決めておきたかったが、18日に繰り延べさせていただいた。こういう中でも事業者の皆さんがいろんな工夫をしながら、圧倒的多数のお店の方々が歯を食いしばって要請にご協力いただいている。状況がこれまでと変わって改善している部分もあるので、それらを加味しながら感染のリバウンドをできるだけ抑えつつ、ご協力、ご理解を得られるような対策を講じていきたい」
“宣言”解除 飲食店の営業時間・酒類提供 どうなる?
緊急事態宣言の解除に伴い、政府は、新型コロナウイルス対策の基本的対処方針を変更し、まん延防止等重点措置に移行した地域では、一定の要件を満たした飲食店で酒類の提供を午後7時まで可能とした一方、地域の感染状況に応じ、知事の判断で制限することを可能とする方針などを盛り込んでいます。
飲食店の営業時間や酒類の提供などはどうなるのか、各都道府県の対応です。

東京 利用は2人まで 滞在時間90分まで
東京都は、まん延防止等重点措置に移行する来週21日から飲食店での酒の提供を認める一方、酒を提供する店に対しては、感染防止対策を担う責任者を「コロナ対策リーダー」として都に登録することや、利用を1グループ2人まで、滞在時間を90分までとするなどの制限を設けます。
東京都は、新型コロナウイルスの対策本部会議を開き、緊急事態宣言からまん延防止等重点措置に移行する来週21日から行う措置を決めました。
措置の対象となるのは、23区と檜原村と奥多摩町を除く多摩地域です。
このうち飲食店に対しては、引き続き午後8時までの営業時間短縮を要請したうえで、酒の提供を認めます。
ただし、酒を提供する店は、感染防止対策を担う責任者を「コロナ対策リーダー」として都に登録し、研修を受けたうえで、注文を午前11時から午後7時までとし、利用を1グループ2人まで、滞在時間を90分までにする制限を設けます。
都内では、3回目の緊急事態宣言が出されたことし4月25日から酒を提供する飲食店への休業要請が続いていて、制限はあるものの提供が可能になるのはおよそ2か月ぶりです。
ただし、都は、感染状況が悪化した場合には酒の提供の全面停止を要請するとしています。
また、デパートなどの大型商業施設に対しては土日の休業要請は行わないものの、営業時間は午後8時までとするよう要請します。
このほか、イベントについては、人数の上限を5000人とし、収容率は、大声での歓声や声援がないものは100%以内、あるものは50%以内とするよう要請します。
さらに、都民に対しては、日中も含めた不要不急の外出と移動を自粛し、特に都道府県をまたぐ不要不急の移動は極力、控えるよう引き続き求めます。
都 来月11日までに体制増やし対象の約7万店見回りへ
東京都はまん延防止等重点措置の期間中、都内の飲食店を回り、感染対策に加えて、酒を提供する場合の利用人数や滞在時間などの制限を守っているかについても確認することにしています。
都内で酒を提供する飲食店はおよそ11万店あり、都は、ことし4月から飲食店などを回って感染対策がとられているか点検してきました。
しかし、休業要請で店を閉じていたためまだ見回りができていない店などがおよそ7万店に上っていて、こうした店を今回の確認の対象とするということです。
確認を行う期間は、重点措置が終わる来月11日までのおよそ3週間で、都は、見回りの体制を増やして対象のおよそ7万店すべてを回りたいとしています。
一方、これまでに感染対策の点検を済ませた店については再度の見回りは行わないとしています。
飲食店の「コロナ対策リーダー」対象にワクチン接種も
さらに都は、制限を設けた酒の提供などの要請に応じたうえで、感染対策が十分にとられていることを都が確認した飲食店の「コロナ対策リーダー」を対象にワクチン接種を行います。
都は、営業時間の短縮などの要請に協力している飲食店を訪れ、感染対策が十分にとられているか点検して「感染防止徹底点検済証」を交付しています。
都は、こうした店舗で感染防止対策を担う責任者として都に登録している「コロナ対策リーダー」を対象にワクチン接種を行います。
接種を受けられるのは、今月21日からのまん延防止等重点措置のもとで、午後8時までの営業時間の短縮要請に応じたうえで、都が求めた制限を実施している店です。
接種は、新宿区にある都庁第一本庁舎45階の南展望室に新たに設けられる会場で今月25日から始めます。
都は今後、接種の対象を「コロナ対策リーダー」以外の従業員にも広げていきたいとしています。
事業者に協力金支給へ
一方、都は、来週21日からまん延防止等重点措置のもとで営業時間の短縮要請に全面的に応じた事業者に対して協力金を支給します。
このうち、飲食店への協力金は、事業規模や売り上げの減少の幅に応じて店舗ごとに1日当たり3万円から20万円です。
また、大規模施設やテナントに対しては、面積と短縮した時間などに応じて金額を算出して支給します。詳細は、都のホームページなどで確認してほしいとしています。
また、都は休業や営業時間短縮の要請に応じた事業者への協力金について、審査態勢を拡充するなどして、これまでより1か月以上早い支給を目指すと発表しました。
東京都の協力金をめぐっては、要請の期間が終わってから申請を受け付けるまでの日数が徐々に長くなっていて、事業者から「支給が遅い」という声が相次いでいます。
このため、都は、できるだけ早く協力金を支給するため、審査態勢を拡充するなどして手続きを迅速化すると発表しました。
受け付けの期間も早め、4月12日から5月11日までの要請分は、これまで予定していた今月30日から21日に前倒します。
また、申請の受け付け開始の時期が決まっていなかった5月12日から31日と、6月1日から20日の2回の要請分は、来月中にまとめて始めるということです。
こうした対応を進めることで都は、これまでより1か月以上早い支給を目指すと説明しています。
小池知事「厳しい感染状況を踏まえ強い措置」
緊急事態宣言からまん延防止等重点措置に移行する来週21日から東京都が行う措置を決定したことを受けて、小池知事は18日夜、臨時の記者会見を開きました。
このなかで、小池知事は「厳しい感染状況を踏まえ、特別措置法に基づいて強い措置を講じていく」と述べました。
また、「きょうの新規感染者数は453人と高い水準で、前の週からの増加比は100.7%となり、下げ止まっている。改めて気を引き締めて感染防止に努めていく必要がある」と述べました。
そのうえで、小池知事は「措置のポイントの1つ目は、人の流れの抑制や基本的な感染防止対策の徹底で、2つ目はワクチン接種の加速だ。この2つの措置によって、何としても感染の再拡大を食い止めていかなければならない」と述べました。
大阪 酒類提供は原則1グループ2人上限
まん延防止等重点措置への移行を受けて、大阪府は、重点措置の対象地域を府内の町と村を除く33の市としたうえで、地域内の飲食店などに対し、来週21日から一定の条件付きで、酒類の提供を午前11時から午後7時まで認める方針を決定しました。
大阪に出されている緊急事態宣言について、政府は、期限の20日で解除し、来週21日から来月11日までの期間、まん延防止等重点措置に移行させることを決めました。
これを受けて、大阪府は18日、新型コロナウイルスの対策本部会議を開き、冒頭、吉村知事は「リバウンドは絶対に防がないといけない。飲食店への要請は、原則、酒類の提供の自粛は続けるべきだが、例外的に感染対策を徹底して『ゴールドステッカー』を取得した店舗などは、午後7時まで2名の客に限ってお酒の提供を認めるべきだ」と述べました。
そして会議では、重点措置の対象地域を、府内の町と村を除く33の市としたうえで、地域内の飲食店などに対し、感染対策に取り組んでいることを認証する府の「ゴールドステッカー」の交付を受けているか、ステッカーの申請を行っている店にかぎり、原則1グループ2人を上限に、来週21日から、酒類の提供を午前11時から午後7時まで認める方針を決定しました。
営業時間については、引き続き、午後8時までに短縮するよう要請します。
また、対象地域に指定しない10の町と村の飲食店などには、酒類の提供については同じ条件付きで午後8時まで、営業時間は、午後9時までとするよう要請します。
一方、カラオケ設備の利用については、府内全域で、引き続き自粛を要請します。
また、百貨店などの大規模施設への土日の休業要請は解除する一方、引き続き、営業時間は午後8時までとするよう要請します。
土日に開かれるイベントの無観客での開催要請は、解除します。
さらに、小中学校や高校の部活動も通常での活動を認めるほか、大学へのオンライン授業の要請も解除することを決めました。
大阪 吉村知事「感染対策と社会経済を両立」
大阪府の対策本部会議のあと、吉村知事は記者団に対し「来週21日から重点措置の期間に入るが、感染対策を徹底して大きなリバウンドを起こさせない、もと来た道を戻らないよう協力をお願いしたい」と述べ、府民に対し引き続き感染対策を徹底するよう強く呼びかけました。
また、一定の条件付きで酒類の提供を認める方針を決めたことについて「原則、自粛の要請を続けるべきだと思っているが、お酒の提供ができないと商売としては厳しいという声があるのも事実だ。感染対策と社会経済を両立させるという観点から、徐々に社会を元に戻し、ワクチンも広げていくという両にらみの方向で進めていきたい」と述べました。
さらに吉村知事は、今後、感染の急拡大の兆候が見えた場合の対応について「重点措置の中で対策を強化することも重要で、機動的に判断したい」と述べました。
大阪 ミナミ 全面的な営業再開を見送る飲食店も
大阪府で緊急事態宣言が解除されても飲食店での酒類の提供が午後7時までとなったことで、全面的な営業再開を見送る飲食店もあります。
大阪・ミナミで居酒屋や洋食店など5つの店舗を経営する会社では、緊急事態宣言を受けてすべての店舗で休業してきました。
宣言の解除に向けてこの会社では営業が再開できると期待し、今週からは社員を短時間だけ出勤させて店内やちゅう房の清掃、食器類などの準備を進めていました。
しかし、まん延防止等重点措置に移行したことで、大阪市などでは酒類の提供が午後7時までとなったことに会社の担当者は先行きへの不安を感じているといいます。
店舗の売り上げのうち酒類の割合は4割ほどを占め、午後7時までしか提供できないとなると多くの来店客は見込みにくいということです。
このため、この会社では全面的な営業再開を見送り、来週後半から日中の売り上げが多い店舗などに絞って営業を再開することにしています。
会社では店舗の休業などに伴う自治体からの協力金を申請していますが、2月分の協力金の大半が今月になってようやく振り込まれたといいます。
店舗の売り上げは、平均すると新型コロナの感染拡大前と比べて70%以上減少しています。
会社では売り上げを確保しようと通信販売向けのメニューを増やすことを検討しているということです。
運営会社Fioーholdingsの佐藤深幸マネージャーは「酒を出せる時間が短いので営業自体がかなり厳しい状況です。きょうあすに店舗を開けられるかどうかより、その先どうなっていくかが見えない状況です」と話していました。

北海道 一定要件満たせば酒類提供 午後7時まで可能
まん延防止等重点措置への移行について鈴木知事は、18日の道議会の一般質問で、札幌市を重点措置の対象地域とし今月21日以降、市内の飲食店などに対して午後8時までの営業短縮を引き続き要請したうえで、一定の要件を満たせば、酒類の提供を午後7時まで可能とする方針を明らかにしました。
この中で、鈴木知事は、まん延防止等重点措置への移行について「大きな感染のリバウンドを回避するため、来月11日まで道民とともに緊張感を持って取り組みたい。道の中心都市であり、ほかの地域との人の往来も多い札幌市の感染拡大を考慮することが極めて重要だ」と述べ、札幌市を重点措置の対象地域とする考えを示しました。
そのうえで、市内の飲食店などへの要請について「これまで酒類を提供する店舗には休業を要請していたが、感染防止策について一定の要件を満たした店舗では午後7時まで酒類の提供を可能とすることなどを検討している」と述べ、午後8時までの営業短縮を引き続き要請したうえで、一定の要件を満たせば、酒類の提供を午後7時まで可能とする方針を明らかにしました。
北海道は、緊急事態宣言のもとで札幌市とともに「特定措置区域」に指定してきた石狩地方と小樽市、それに旭川市について政府との協議を踏まえ、対策の緩和は段階的に進める必要があるとして、飲食店などに対し営業を午後9時まで、酒類の提供は午後8時までに短縮するよう要請する方針です。
京都 条件付きで酒類提供認める
まん延防止等重点措置への移行を受けて、京都府は、対象地域を京都市に限定したうえで、市内の飲食店などに対し、酒類の提供を一定の条件付きで、午前11時から午後7時まで認めることを決めました。
京都などへの緊急事態宣言が期限の20日で解除され、来週21日から来月11日までの期間、まん延防止等重点措置に移行されることを受けて、京都府は、18日、対策本部会議を開いて新たな措置を決定しました。
重点措置の対象地域は京都市に限定したうえで、市内の飲食店などに対し、酒類の提供については、換気の徹底や食事中以外のマスク着用の推奨、同じグループでの飲食は原則4人以内とするなどの条件付きで、午前11時から午後7時まで認めることを決めました。
営業時間については引き続き、午後8時までに短縮するよう要請します。
一方、京都市以外の25の市町村の飲食店などに対しては、酒類の提供を感染対策の条件付きで午前11時から午後8時半まで、営業時間は午後9時までとするよう要請します。
また、百貨店などの大規模施設への土日の休業要請は解除する一方、生活必需品の売り場を除いて、平日も含めて夜8時までの営業時間の短縮を求めていくことを決めました。
京都 西脇知事「制限がなくなると緩む」
京都府の西脇知事は対策本部会議のあと記者会見し「飲酒の機会に感染リスクが高いのは分かっているが、今の感染状況を踏まえれば、全面的に酒類の提供を禁止することまでは必要ないと考えた。酒類の提供には感染対策として一定の条件を設け、厳しい内容になっているが、感染の再拡大を防ぐために有効だと考えている」と述べました。
そのうえで「何も制限がなくなると、明らかに緩んだ感じが出てふさわしくないと思っており、徐々に緩和すべきだと考えている。感染者数は、いわゆる『第3波』より下がりきっておらず、インドで広がる変異ウイルスや人の流れも増えているため、リバウンドを招かないという強い決意のもとに、感染拡大の防止に努めていただきたい」と述べ、府民に協力を呼びかけました。

愛知 午後7時まで酒類提供 認める
愛知県は、緊急事態宣言が解除され、今月21日からまん延防止等重点措置が適用されるのを受け、県の対策本部会議を開き、名古屋市など14の市と町を重点措置の対象地域として、飲食店に対する営業時間短縮の要請などを続ける一方、午後7時までは酒類の提供を認めることを正式に決定しました。
18日開かれた県の対策本部会議で大村知事は「オリンピックもあることから、お盆の時期は感染が再び拡大して非常に厳しい状況が予想されるので、重点措置の期間でさらに感染を抑え込んでいきたい」と述べました。
そして名古屋市など14の市と町を重点措置の対象地域としたうえで、これらの地域の飲食店に対し、引き続き営業時間を午後8時までとするよう要請する一方、現在は自粛を求めている酒の提供を午後7時まで認めることを正式に決定しました。
またこれ以外の地域の県内の飲食店に対しては、営業時間を午後9時までとするよう要請するとしています。
会議の中で国立病院機構名古屋医療センターの長谷川好規院長は、インドで確認された変異ウイルスのデルタ株の感染が拡大していることに触れたうえで「第5波が来る可能性が高い。特に、ワクチン接種を受けていない幼い子どもを守るために適切な対策をお願いしたい」と県に求めました。
また、愛知県病院協会の細井延行副会長は「小児科のある病院では、乳幼児に肺炎などを引き起こすRSウイルスの感染が非常に増えていることもあり、医療従事者は全く安心していないのが実情だ」と指摘しました。

“宣言”解除 広島・岡山 対策継続
緊急事態宣言が解除される広島県と岡山県では、解除後も飲食店に営業時間の短縮を要請するなど感染拡大を防ぐための対策を継続することにしています。
イベントの人数制限はどうなる?経過措置とは?
「緊急事態宣言やまん延防止等重点措置を解除した場合でも、大規模なスポーツイベントなどでは1万人が上限」。
クラシックコンサートは?夏フェスはどうなる?政府が示した方針の内容を詳しくお伝えします。

これは現在のイベントの開催制限についてまとめた表です。西村経済再生担当大臣は、16日、新たな方針を示しました。(緑枠で囲った部分)
対象地域ごとに詳しく見ていきます。
緊急事態宣言
緊急事態宣言の対象地域では、これまでと同様、5000人か、収容人数の半分までのいずれか少ない方が上限となります。
まん延防止等重点措置
まん延防止等重点措置もこれまでと同様5000人か、収容人数の半分までのいずれか少ない方が上限となります。
ただし大声での歓声が想定されないクラシックコンサートや寄席などについては、定員が5000人までの会場なら満席で開催することができます。
その他の地域
宣言と重点措置のいずれの対象にもなっていない地域についても、これまで同様5000人か収容人数の半分までのいずれか多い方が上限となります。
経過措置 大声を出す数万人規模のイベントは1万人が上限
これに加えて、宣言や重点措置が解除された地域では、1か月程度、経過措置が講じられます。
解除後、直ちに収容人数の半分までの入場を認めず、観客が大きな声を出す数万人規模のスポーツイベントやロックコンサートなどでは1万人までを上限とするとしています。
西村経済再生担当大臣は「取り組みを段階的に緩和していくという基本的な方針に基づき、まん延防止等重点措置を解除したあともいきなり収容人数の50%とするのではなく、1万人という上限を新たに設ける。これまでの基準をさらに慎重により厳しく扱うことになる」と述べました。
西村「五輪の観客のあり方を決めたわけではない」
政府は今回の措置を踏まえ、東京オリンピック・パラリンピックの観客の扱いについて、組織委員会などと検討し今月中に決定する方針です。
西村大臣は「オリンピック・パラリンピックの観客のあり方をきょう決めたわけではなく、分科会に決める権限が与えられているわけではない。国内の感染状況を踏まえながら国内のスポーツイベントの上限規制に準ずることを基本として、今月中にいわゆる5者協議の場で判断されると承知している」と述べました。
そのうえで「大会の前や期間中の感染状況や医療の状況をしっかりと見ながら専門家の意見を聴いて、仮に急速な感染拡大などがあれば緊急事態宣言や重点措置を速やかに講じていかなければならない」と述べました。
