東京オリンピック・パラリンピックの経費削減を目指す東京都、組織委員会、政府、IOC=国際オリンピック委員会の4者協議は、都が見直しを提案していた3つの競技会場について、ボート・カヌーの会場は「海の森水上競技場」を整備し、水泳会場は東京・江東区の「オリンピックアクアティクスセンター」を新設し、座席数を1万5000席に減らすことを決めました。一方、バレーボール会場については結論を先送りしました。会議は午後2時すぎから都内のホテルで開かれ、東京都の小池知事、組織委員会の森会長、政府の丸川オリンピック・パラリンピック担当大臣、IOCのコーツ副会長などが出席しました。この中では、3つの競技会場のうち、ボートとカヌーは当初の計画どおりの「海の森水上競技場」で経費を削減する案が採用されました。宮城県の「長沼ボート場」を活用する案は見送られましたが、復興五輪の観点から、事前キャンプ地として利用を目指していくことで合意しました。水泳の競技会場は、「アクアティクスセンター」の座席数を当初の2万席から1万5000席に減らす案で決まりました。一方、バレーボールの会場は、東京・江東区に新設する「有明アリーナ」と、既存の「横浜アリーナ」が検討されてきましたが、小池知事が「あとしばらくお時間を頂戴したい。クリスマスまでに結論を出したい」と述べ、結論を先送りすることになりました。これについて、組織委員会の森会長が「クリスマスまでに何をおやりになるのか。横浜市の合意も必要ではないか」と質問をしたのに対し、小池知事は「横浜アリーナは周辺の移動経路などについて精査したい。横浜市からは『決まったらやりたい』と聞いている。有明アリーナも建築の観点から見直したい」と答えました。また、実務者による作業部会をまとめたIOCのデュビオリンピック統括部長は、「横浜で進める場合は、詳細な運営計画を立てたり、民有地の地主から土地の利用について合意をとりつけたりするなど、すべてを整えなければならない。大変な時間がかかることを、残りの数週間でやらなければいけない」と厳しく指摘しました。東京都の小池知事は、焦点の1つだったバレーボール会場の結論を見送ったことについて、4者協議のあと記者団に対し、「有明アリーナの整備費は400億円余りと、ほかの施設と比べてまだ高い。コストを下げられないか追求したい。横浜アリーナについては、コストや会場までの移動経路などを精査し、できる理由を追求したい」、「地元の横浜市にも歓迎していただいているものと受け止めている。これらを検討し、総合的に判断する」と述べ、来月下旬までに最終的な結論を出す考えを示しました。小池知事はこれまで、29日の4者協議の場で結論を出したいという意向を示してきており、記者から「検討はこの2か月間に行ったのではなかったのか」と問われたのに対し、「そう言われればそのとおりだが、これはラストチャンスと思うので、チャンスを生かしたい」と述べました。また、29日の4者協議は、当初、会議の中盤に競技会場を評価するための話し合いが非公開で行われる予定でしたが、結果としてすべての協議が公開で進められ、スケジュールが大きく変わりました。小池知事は、「フルオープンでない部分があると聞いて、だったら最初から結論を言ったほうがいいと思って、そのようにした」と述べ、当初の予定をみずからの考えで変更した理由を明らかにしました。4者協議を終えた組織委員会の森会長は、報道陣の取材に応じ、バレーボールの競技会場として、東京都が有明アリーナとともに検討を進めている横浜アリーナについて、「現実性はわからない。東京都から急に出てきて、結論を伸ばして、どういうことをやるのかと思う」「小池知事が一生懸命費用を安くしよう、大会をよくしようと努力することは大変評価していて、すばらしいと思うが、われわれも2年半努力をして、IOCの了解も得てきた。いよいよこれからというときに、あれを変える、これを変えるとは、当然国際競技団体の許可が必要だ。最終的に会場は、組織委員会ではなくIOCが決める」と述べました。IOCのコーツ副会長は、4者協議が終わったあと、報道陣の取材に応じ、カヌー・ボート会場については、「元の計画どおり、海の森水上競技場で進めることで了承した」と話しました。また、バレーボール会場については、「有明アリーナを新設するか、既存の横浜アリーナを活用するか、コストを比べるのにもう少し時間がかかるということについても了承した」「現時点ではどちらがいいかを比較することはできないが、どちらにしても、現在示されている経費からさらなる削減が可能だと信じている」と述べました。組織委員会が示した2兆円という大会予算の上限については、「IOCが2兆円という額に同意したとは誤解してほしくない」と、了承していないことを強調しました。その理由については、「大会予算は収入とのバランスをとることが大切で、IOCとしては、もっと少ない予算でできると考えている。現在の予算では、調達の分野や賃借料の部分で通常よりもかなり高い額が示されているが、その部分で早めに契約を進めるなどすれば、節約の余地がある」と述べました。丸川オリンピック・パラリンピック担当大臣は、4者協議のあと記者団に対し、「率直な議論ができたことはすばらしい。IOCに入ってもらうことによって、具体的な、より突っ込んだ議論ができたことは大きな収穫だ」「大臣就任当初から大会経費の全体像についてラフな形でも示してもらいたいとお願いしてきたが、2兆円を切る見込みの予算を示してもらえるということで、大きく進展したと認識している。小池知事が『クリスマスまでを期限に』と言った競技会場が決まっていく中で、また見えてくるものがあるだろうが、さらなる削減に向けて、できるところは国としても協力していきたい」と述べました。バレーボールの会場の結論が先送りになったことについて、日本バレーボール協会の木村憲治会長は、「いつまで待たなければいけないのかという気持ちだ。われわれとしては一日も早く、予定どおり有明アリーナの新設を示してほしいと考えている」と話しました。そのうえで、「有明アリーナは、オリンピックではバレーボールの会場だが、体育館を使用する競技の会場が不足している現状を踏まえれば、これはスポーツ界全体の問題だ。ぜひ新しい施設をつくってほしいという願いは日々強くなっている。いい方向に進めてほしい」と話していました。ボート・カヌーの会場が「海の森水上競技場」に決まったことについて、日本ボート協会の吉田健二広報委員長は、「率直に安心した。競技の発展とともに、施設を有効活用できるよう、東京都と継続して話し合っていきたい」、「競技会場が多くの人の目の前で明確に決まっていった過程は、ボート界が一丸となるきっかけになったし、大会後の利用の案を示すきっかけにもなった」。日本カヌー連盟の成田昌憲副会長は、「4者協議を含め、皆さんにありがとうと言いたい。もともとこの会場以外ないと思っていた」と話しました。成田副会長は「宮城県の長沼ボート場の話が出たときは大きく戸惑ったが、何が何でも海の森にとお願いしてきた」「大会コストのスリム化には大賛成なので、今後の施設整備についても関わっていきたい」と話していました。水泳の競技会場が、「オリンピックアクアティクスセンター」を新設したうえで、観客席の数を当初の2万席から1万5000席に減らして整備することが決まったことについて、日本水泳連盟の安部喜方副会長は、「無事に方向性がまとまった。1万5000席という国際基準を満たした会場ができるので、ほっとしている」「東京大会の準備はもう始まっている。新しいプールで多くのメダルを獲得できるように強化を進めていきたい」と話していました。
本日の4者協議、小池知事は横浜アリーナを主張したがまだ横浜市と合意をしておらず有明アリーナについては考えがなく内容の薄い議論で全く提案にすらなっていないという印象。発想がマイナス方向で本当に東京都で五輪するという国際契約を果たす責任を放棄しているようにも映った。有明アリーナのこと、小池知事や調査チームの面目などどうでもいい。要は都民やアスリート、アーティスト、観客や五輪にとってどれだけ多くの人のためになるかである。4者協議ではどうか冷静に全体のことを考えてそれぞれの思惑だけ通そうという姿勢だけはやめて最良のプランを選んでほしいと思う。