東京都の調査チームは、4年後のオリンピック・パラリンピックのボート・カヌーの競技会場を、東京・臨海部の「海の森水上競技場」から宮城県登米市にあるボート場に変更することなどを提案しています。12日夕方、東京都庁では、小池知事と宮城県の村井知事が会談し、村井知事が提案を歓迎する意向を伝えたうえで、選手村の宿泊施設として震災の際の仮設住宅を再利用することやボート場を全国高校総体の会場として毎年利用する案などについて説明しました。村井知事は「整備費用は宮城県も応分の負担をしなければいけないと思っていて、何もかも東京都や国にお願いする訳ではない。海の森より安くできる自信がある」と述べました。小池知事は、「4年後の大会は復興オリンピックを掲げるべきだ」としていて、村井知事が示した案について意見を交わしました。一方、競技会場の見直し案をめぐっては、国際ボート連盟など競技団体側から現在の計画を推す意見が出されているほか、大会の組織委員会も会場変更は選手の負担になるなどと指摘しています。このため小池知事は、12日の会談を踏まえ今月15日に登米市にあるボート場を視察するとともに、日本を訪れるIOC=国際オリンピック委員会のバッハ会長と18日にも会談し、提案についての判断を示すことにしています。小池知事は「村井知事みずからプレゼンテーションに来られて非常にわかりやすかった。長沼のボート場は、選択肢の1つだが、思い入れは十分受け止めた」バッハ会長との会談については、「1つ1つの会場について説明するより、東京大会全体がどうあるべきか話をすることになる」大会の組織委員会が宮城県での開催についてインフラの整備やコストの増大など9つの問題点があるという見解を示したことについて、小池知事は「私は、できない理由よりできる理由を考える方なので、このように洗い出されるのかとある意味、感心した。指摘については村井知事のほうで対応策を考えることになる」。村井知事は12日、東京都の小池知事と会談するの前に、組織委員会を訪れました。この中で村井知事は、調査チームが示している変更案に前向きな意向であることを伝えたのに対して、組織委員会は、宮城県での開催についてインフラの整備やコストの増大など9つの問題点があるという見解を示しました。組織委員会の遠藤利明理事は「東京都を含めてそれぞれの組織や団体が時間をかけて丁寧に精査し、現在の計画が最良の場所だと決めた。その中でIOC=国際オリンピック委員会などの理解を得られるのかどうか、難しい課題がいっぱいある。問題点のうち、いくつかはすでにクリアしているということだが、いちばん大きい問題は、現地で負担する費用の問題だと思う」。村井知事は「組織委員会は消極的で『しょせん無理だ』という感じだった。長沼のボート場でできない9つの理由を挙げていたが、すべてクリアできると考えている。1000年に一度と言われる震災から立ち直ったのだから、やる気を出せば4年あればできる。できない理由よりもやれる方法を考えるべきで、森会長のリーダーシップに期待したい」と述べました。