宮崎県延岡市北川町では、町内を流れる北川からあふれたとみられる水で広い範囲が浸水し、複数の住宅や建物の1階部分が水につかって、道路も冠水し、車がタイヤが見えなくなるほど水につかっています。周辺の集落では、住民がひざの部分まで水につかりながら歩いている姿も見られました。延岡市消防本部によりますと、広い範囲が水につかる被害があった延岡市北川町では道路が冠水し、車からの救助を求める通報がこれまでに2件ありました。
このうち午前5時半ごろには走行中のトラックが冠水した道路で道路脇の側溝にはまって身動きが取れなくなったという通報があり、駆けつけた消防隊員がトラックから運転していた男性を救助したということです。また、午前5時すぎには、増水した川に車ごと流されたという通報がありましたが、乗っていた男性は、自力で泳いで脱出し、無事だったということです。
延岡市では、店舗などに浸水の被害が出ています。このうち、延岡市松原町にあるコインランドリーは20日午前0時ごろから水が入り込み、洗濯機や乾燥機が水につかったということです。水の高さは最大で40センチほどに達したということです。また、同じ延岡市松原町にある美容室では店の外側が水につかり、その圧力で入り口のガラスが割れて店内に水が流れ込んだということで、いすや商品などがぐちゃぐちゃに散乱していました。美容室を経営する70代の女性は、「後片づけをしていきますが、営業再開のめどは立ちません」と話していました。北川町にある有料老人ホームの「イキル」では、午前5時すぎ、近くを流れる川からあふれたとみられる水が建物の中に入ってきたということです。この施設によりますと水はすぐにひざくらいまでの高さになり、午前5時半ごろには胸ほどの高さまで水につかり、その後まもなく水は1階の天井近くに達したということです。この施設は4階建てで、入所しているお年寄り40人は、いずれも2階以上の部屋で生活していますが、浸水があった当時、念のためすべての入所者を3階より上の階に避難させたということです。これまでのところ体調不良を訴える入所者はいないということです。その後、水はひきはじめましたが、水道が使えなくなっているということです。施設の担当者は、「けがなどをした入所者はいませんが、岩手県の水害もあったので水も使えず、今後どうなるか心配です」と話しています。宮崎県延岡市北川町にある介護老人保健施設、「螢邑苑」によりますと、雨は20日朝早く激しくなり、午前6時前から施設内に水が入ってきて1階部分が70センチほど浸水したということです。施設は3階建てで100歳近い人も含めて71人のお年寄りが入所していますが、入所者は2階より上の階で生活しており今のところけがをした人や体調を崩した人はいないということです。しかし、1階の調理室が浸水の影響で使用できなくなり、朝食は非常食でまかなったということです。また断水しているため入所者用の風呂も使えない状態だということです。さらに施設のデイケアは毎日20人余りが利用していますが、今のところ再開のめどはたっていないということで施設を経営する医療法人、悠隆会の尾関史生事務部長は、「水は引いてきておりこれから片づけなどをして営業再開の準備をしたいが調理室や風呂などはしばらく使えないかもしれない」と話しています。大分県佐伯市では住民から消防などに住宅や農地が水に浸かるなどの通報が相次いでいて、市によりますと午前10時半現在で青山地区で床上浸水が1棟、床下浸水が2棟で確認されているということです。また佐伯市長谷では農業用ハウスなどが広い範囲で水に浸かっています。九州電力によりますと、台風16号の影響で、九州では20日午前10時現在、合わせて13万9800戸で停電しています。このうち、鹿児島県がおよそ10万7900戸、宮崎県がおよそ3万1600戸、佐賀県がおよそ200戸、熊本県がおよそ100戸などとなっていて、このほか大分県でも停電が起きているということです。
台風16号の影響で、国内の空の便は九州や四国地方の空港を発着する便を中心に、合わせて106便が欠航したり、欠航が決まったりしていて、航空各社は最新の情報を確認するよう呼びかけています。航空各社によりますと、台風の進路によっては、このほかにも欠航や遅れが出るおそれがあるということです。航空各社は、ホームページや利用者用の電話窓口などで最新の情報を確認するよう呼びかけています。
すでに欠航、または欠航が決まっているのは以下の便です。
全日空が鹿児島や松山と羽田や大阪を結ぶ便など44便。
日本航空が宮崎や高松と羽田や大阪を結ぶ便など38便。
日本エアコミューターが鹿児島と種子島を結ぶ便など8便。
ソラシドエアが宮崎と羽田を結ぶ便など8便。
スターフライヤーが福岡と名古屋を結ぶ便など8便となっています。
西日本高速道路などによりますと、午前4時現在、台風に伴う大雨のため、東九州自動車道は大分県の大分インターチェンジと宮崎県の清武南インターチェンジの間の上下線と、鹿児島県の隼人東インターチェンジと鹿屋串良ジャンクションの間の上下線で、それぞれ通行止めになっています。また、宮崎自動車道の宮崎インターチェンジと小林インターチェンジの間の上下線も通行止めになっています。