世界最高峰の音楽の祭典「第58回グラミー賞」の発表・授賞式が15日(日本時間16日)、米ロサンゼルスで開かれ、日本からは指揮者の小澤征爾さん(80)が最優秀オペラ録音部門で受賞した。受賞作品は2013年8月に長野県松本市で開かれた音楽祭「サイトウ・キネン・フェスティバル松本(現セイジ・オザワ松本フェスティバル)」で指揮したラベル作曲の歌劇「こどもと魔法」を収めたアルバムで、演奏はサイトウ・キネン・オーケストラ。小澤さんは16日、セイジ・オザワ松本フェスティバル実行委員会を通じて「たいへんうれしく、みんなとこの作品をつくれたことを誇りに思います。仲間たちとこの喜びを分かち合いたいです」とのコメントを発表した。実行委によると、小澤さんは8度目のグラミー賞ノミネートで初の快挙となった。小澤さんは1935年、旧満州奉天市(現中国瀋陽市)生まれ。59年にフランス・ブザンソン国際指揮者コンクールで優勝。約30年間、米ボストン交響楽団の音楽監督を務めるなど「世界のオザワ」として国際的評価を確立した。ボストン交響楽団はツイッターで「おめでとうございます」と祝意を伝えるとともに、ホームページで「世界のクラシック音楽界で有数の偉大な人物だ」とたたえた。「世界のオザワ」と称され、これまで幾度となくグラミー賞にノミネートされた小澤さん。総監督を務める長野県松本市の音楽祭「サイトウ・キネン・フェスティバル松本(SKF)」のオペラ公演収録アルバムでの受賞は、「世界に向かって西洋音楽を発信する」という、地元と育んできた壮大な夢が実を結んだ。SKFは、小澤さんの恩師、斎藤秀雄さんをしのんで門下生らが結成した「サイトウ・キネン・オーケストラ」を母体に、1992年に始まった。オーケストラ公演とオペラ公演が2本柱で、小澤さんはオーケストラを率いて聴衆を魅了。音楽祭は昨年「セイジ・オザワ松本フェスティバル」と改称された。「あちこちで仕事をしてきているけど、自分で始めて、責任もあって、同級生や仲間が世界中から集まっているから、下手なことはできない」と音楽祭への愛着を語っていた小澤さん。アルバム収録の「こどもと魔法」は、病気療養からの本格的な復帰公演だった。