アメリカ南部のアトランタで行われているTPPの閣僚会合は、5日、最終日を迎え、日本を含む交渉参加12か国は、日本時間の5日夜、全体会合を開きました。このあと、5日午後10時すぎから閣僚会合の共同記者会見が開かれ、議長国アメリカのフロマン通商代表は「『TPPの交渉を成功裏に終結させることができた』と発表できることを喜ばしく思う」と述べ、交渉が大筋合意したことを発表。すると会場の交渉官らから大きな拍手が起こりました。フロマン代表は「5年以上に及ぶ集中的な交渉の結果、アジア太平洋地域で、雇用を創出し、持続的な成長を生み出し、技術革新を促進する合意に至ることができた」「この合意は貿易や投資の自由化を進めるだけなく地域が21世紀に直面している課題に対応するものだ」。甘利経済再生担当大臣は共同記者会見で、「われわれ12か国のルールは、21世紀の世界のルールになっていく。複数国が参加を待っており、雪崩が起きるように次から次へと参加が広がっていくはずだ」「われわれのルールが世界に広がるに従って、世界がより豊かで相互依存関係が強くなる。つまり、これは経済の安全保障であると同時に、間接的に、安全保障にも、地域の連帯と平和にもつながっていく重要な試みだ」と述べた。TPPが正式に発効するには議会の承認など各国の国内手続きが必要になりますが、アメリカでは与党・民主党の多数が自由貿易には慎重なほか、野党・共和党の中にも譲歩した内容の合意ならば賛成しないという意見もあります。このため、これから来年にかけて行われる協定の承認手続きでは、激しい議論も予想されます。フロマン通商代表は、記者会見で「この合意は重要な一歩で、このあと議会に今回の協定の中身を詳しく説明していくが、議会が求める力強い合意だと理解してくれると信じている」と述べた。安倍総理大臣は、TPP=環太平洋パートナーシップ協定交渉が大筋合意に達したことを受けて記者会見し、中小企業や地方に大きなビジネスチャンスを与えるものだと意義を強調したうえで、国内農業への影響を最小限に抑えるため、政府内にすべての閣僚による総合対策本部を設置し、責任を持って必要な対策を取りまとめる考えを示しました。「新しいアジア太平洋の世紀、いよいよその幕開けだ。日本とアメリカがリードし、自由と民主主義、基本的人権、法の支配といった価値を共有する国々とともに、このアジア太平洋に自由と繁栄の海を築き上げる」「TPPは、まさに国家百年の計で、私たちの生活を豊かにしてくれる。その主役は、きらりと光る技を持つ中小、小規模事業者の皆さん個性あふれる、ふるさと名物を持つ地方の皆さんだ。意欲あふれる地方、若者の皆さんにはぜひTPPという世界の舞台で、このチャンスを最大限生かしてほしい」「『TPPに入ると農業を続けていけなくなる』と大変な不安を感じている方々がたくさんいることを私はよく承知している。美しい田園風景、伝統あるふるさと、日本が誇るこうした国柄をこれからもしっかりと守っていく。その決意は今後も全く揺らぐことはない」と述べました。そして、安倍総理大臣は、TPP交渉でコメや麦など農産物5項目を関税撤廃の例外とするよう求める衆参両院の農林水産委員会の決議を踏まえ、重要品目を関税撤廃の例外とすることができたとしたうえで、国内農業への影響を最小限に抑えるため、政府内にすべての閣僚をメンバーとするTPP総合対策本部を設置する考えを示しました。そのうえで、「今後、具体的などのような影響が生じるかを十分に精査し、TPP協定の締結について国会の承認を求めるまでの間に政府全体で責任を持って、国内対策を取りまとめ、万全の措置を講じていく考えだ」と述べました。また、安倍総理大臣は、中国との関係に関連し、「基本的価値を共有する国々と相互依存関係を深め、将来的に中国もTPPに参加すれば、わが国の安全保障にとっても、アジア太平洋地域の安定にも大きく寄与し、戦略的にも非常に大きな意義がある」と述べました。