2020年東京五輪・パラリンピックのメーン会場となる新国立競技場の建設計画見直し問題で、原案を手がけた女性建築家ザハ・ハディド氏(64)の事務所が用意する改良案の一部が29日、分かった。政府が28日に、開閉式屋根の設置を見送る方針を固めたことで、同事務所の改良案が進展した。設計関係者によると、総工費高騰が懸念された今年初め、設計チーム側から「開閉式をやめた方がいい」と提案していた。開閉式をやめれば工費高騰の問題とされたアーチも、橋形式にこだわらず、さまざまな構造を検討し減額できるという。閉じた屋根に大雪が積もった場合、それを支えるアーチに「鉄骨ボックス構造」を用いて強度を確保する必要があったが、それがなくなれば、簡易なキールアーチ構造にでき、鉄材を数割減らすことができる。ボックス構造では数十メートル単位の鉄板を各地の工場で造った後、新国立の脇で組み立てる必要があったが、その手間も省けるため工期短縮、労働力減が見込める。屋根を閉じきった環境でなければ座席空調も取りやめることができる。特殊な音響設備も不要になるという。他にも競技場南側に建設予定のデッキも大幅に縮小し、公園への連絡橋も取りやめる。ザハ氏は安倍首相との面会が実現すれば8月中にも来日し、より具体的な改良案を提示する予定。