安倍晋三首相は10日の衆院特別委員会で、新国立競技場の建設費が2520億円に膨らんだことに関し、「費用がかさんでいるのは、その通りだ」と認めた。下村博文文科相は、民主党政権時代に行われた競技場のデザイン選考に疑問を表明。質問した辻元氏は首相に「どちらの話も、安倍政権の姿勢と重なって見える。専門家や多くの国民に理解できないと言われても、突き進もう、押し切ろうとしている」。首相は、「費用がかさんだのは、おっしゃる通りだ。多くの国民が、そう思っているのではないかと私も思う」と、認めた。国民の厳しい目を意識していることも、明かした。ザハ・ハディド氏の現行案。首相は、国際コンペでザハ案に決まったのは民主党政権時代の12年11月と説明。しかし、ザハ案を携えて、東京招致をアピールしたのは、首相自身だった。消費税率アップ、建築材や人件費が高騰し、3年でコストは一気に上昇した。首相は「(デザインを)変えることが出来るのか、我々も検討している」「私も辻元氏のような思いを持ち、事務方にどうなんだと投げかけてきた」と、事態打開を探ったことも示唆した。ただ、新デザインについて「19年のラグビーW杯、20年の東京大会に間に合わない可能性が高いと報告を受けた」。現段階で困難との見方を示した。辻元氏は質疑後、「安倍政権は、国立競技場の問題も安保法制も、国民の声を聴かずに押し切ろうとしている」と批判。「競技場も見直すべきだと思うし、法案も1度立ち止まり撤回すべきだ」
新国立デザイン決定まで
▼12年2月 東京都が、20年夏季大会の開催計画を、国際オリンピック委員会(IOC)に提出
▼同7月 メーン会場について、国際コンペによるデザイン募集を開始
▼同11月 応募総数46件から、ザハ氏のデザインが選ばれる
▼同12月 民主党から自民党に政権交代
▼13年9月 IOC総会で、20年東京五輪・パラリンピックが決定