巨人の長嶋茂雄終身名誉監督と、巨人、ヤンキースなどで活躍した松井秀喜氏の国民栄誉賞授与式が5日、広島戦の試合前、東京ドームで行われた。内野グラウンドに「3」と「55」赤いじゅうたんが敷かれ、授与式では、オーロラビジョンで「ふたりの野球人」と題した約2分半の回顧VTRを上映。その後、安倍晋三首相から長嶋さんへ表彰状と盾、記念品(金のバット)が贈られた。長嶋さんが賞状などを左手だけで受け取る際、松井氏が手をさしのべた。加藤良三プロ野球コミッショナー、国民栄誉賞を受賞している王貞治氏(ソフトバンク会長)、衣笠祥雄氏(野球解説者)らがゲストとして花束を贈呈した。
安倍首相「安倍晋三です。長嶋監督、松井選手、おめでとうございます。長嶋さんの演じた数々のメークドラマ。アンチ巨人だった私も手に汗握りながら、ラジオの前で耳を傾けておりました。そして日米ファンの度肝を抜いた松井選手の大きなホームラン。お二人のあの活躍は今でもたくさんの日本人の胸に焼き付いています。文句なしの国民栄誉賞、皆さん、そう思いませんか。お二人が登場する、そうした瞬間に、パッと空気が変わり、この会場もなんか明るくなった気がします。この明るさこそ私は、私たちが今求めているものなんだろう、このように思います。この4年間、日本は景気が低迷し、暗い雰囲気がありました。この雰囲気を変えなければいけない。こんな思いも込めて、お二人に国民栄誉賞を贈りました。今日はこどもの日です。たくさんの子供たちが今日、この球場にやってきてくれています。これからもお二人には、たくさんの子供たちに夢を与え続けてもらいたいと思います。これからもどうか、お二人ともお元気で頑張っていただきたいと思います。お二人とも本当におめでとうございました」。場内からひときわ大きな歓声を浴びた。
長嶋さん「国民栄誉賞をいただきまして、本当にありがとうございます。松井君も一緒にもらって、ありがたく御礼を申し上げます。ファンの皆様、本当にありがとうございます。よろしくお願いします」などとスピーチ。ファンに向かって直接、肉声を披露したのは2004年3月に脳梗塞で倒れてからは初めてだった。
松井氏「私はこの賞をいただき、大変、大変、光栄ではありますが、同じくらいの気持ちで恐縮もしております。私は王さんのようにホームランで、衣笠さんのように連続試合出場で、何か世界記録を作れたわけではありません。長嶋監督の現役時代のように、日本中のファンの方々を熱狂させるほどのプレーをできたわけではありません。僕が誇れることは、日米の素晴らしいチームでプレーし、素晴らしい指導者の方々、チームメート、そして素晴らしいファンに恵まれたことです。今後、偉大なお三方の背中を追いかけ、日本の野球の、そして野球を愛する国民の皆さんの力に少しでもなれるように努力していきたいと思います。このたびは身に余る光栄ではありますが、ただただ、私を支えてくださったファンの方々、そして私が野球でかかわったすべての方々に感謝申し上げたいと思います。本当にありがとうございました」。