柔道世界選手権 11日国立代々木競技場
男女計3階級すべてを制した。女子57キロ級で世界ランキング1位の松本薫が、決勝で前回銀メダルのテルマ・モンテイロ(ポルトガル)を破った。五輪や世界選手権の同級(旧56キロ級含む)で日本勢の金メダルは初めて。松本は日本の世界選手権歴代金メダル100個目を獲得した。女子63キロ級で上野順恵が決勝で初出場の田中美衣に勝ち、2連覇を果たした。上野順は2001、03年大会70キロ級を制した姉の雅恵に続く2大会連続優勝となり、日本勢で姉妹が連覇するのは初。男子73キロ級は秋本啓之が決勝でデクス・エルモント(オランダ)に一本勝ちして初制覇し、1975年大会軽中量級銅メダルの父勝則に続くメダル獲得。粟野靖浩は銅メダルだった。女子57キロ級の宇高菜絵は3回戦で敗退した。金メダル第1号は階級無差別で実施された1956年の第1回東京大会の夏井昇吉氏。柔道の創始者、嘉納治五郎の生誕150周年という節目の年に大台に到達した。日本オリンピック委員会の竹田恒和会長は「お家芸の歴史と伝統がなせる技であり、他のスポーツではあり得ない数字」とたたえた。第3日を終え日本勢のメダルは金5、銀2、銅5の計12個となった。
松本薫「最高の誕生日になった。(100個目の金メダルに)ラッキーでした。とにかく去年のリベンジをしたかった。試合中は冷静だった。金メダルを取る思いだけだった」上野順恵「意地とプライドだけで戦った。きつかった。去年より重みのある優勝と思う。準決勝が一番つらかった」田中美衣「どの大会でも優勝を目指しているので悔しい。まだ技のレパートリーが少ない。自分自身の柔道をもっと大きくしていきたい」秋本啓之「自分だけでなく、サポートしてくれたみなさんとつかんだ金メダル。普通の金じゃない。(世界選手権銅メダルの父勝則さんを上回ったが)超えたとは思っていない」粟野靖浩「どさくさ紛れの3位というのはある。しっかり3位決定戦で勝って取りたかった。(準々決勝で秋本に敗れ)力の差がある。少しでも差を縮めたい」篠原信一・日本男子監督「秋本はずっと世界で勝てなかった悔しさが金メダルにつながった。(ロンドン五輪へ向け)現時点は秋本が軸。粟野もいる。お互い競りながら一年一年やってほしい」園田隆二・日本女子監督「松本は今までにない集中力があった。精神面の成長が大きい。(57キロ級で)やっと(金メダルを)取れる選手が出てきた。上野は昨年が良すぎただけ。昨年のチャンピオンという意地だけで戦っていた」上村春樹・全日本柔道連盟会長「日本がきちんと組んで理にかなった柔道を実践し、記念のメダルを達成してくれたことをうれしく思う。今後は200個目の金メダルを目指し、選手強化に取り組んでいきたい」