吉田拓郎とかぐや姫が1975年に静岡・掛川市で開催した伝説のステージ「つま恋コンサート」が23日、同地で31年ぶりに復活した。午後1時10分から8時間半にわたり、拓郎が「ああ青春」など35曲、かぐや姫は「神田川」など33曲を披露。「団塊オヤジ」も再集結し、3万5000人と「同窓会」を楽しんだ。中島みゆき、ムッシュかまやつら豪華ゲストも駆け付け、小田和正、松山千春らも見守った。
フォーク全盛の75年、若者だった人たちがが、31年ぶりに「つま恋」へ集結。当時29歳だった拓郎も、還暦。2003年には肺腫瘍(しゅよう)手術もあった。「みなさん、お元気で良かった。お互いずいぶん変わったね」おだやかに、語りかけた。南こうせつは「あのころの少年がオヤジに。おいちゃんは涙がこみ上げてきて、歌えなくなっちゃうよ」。白髪交じりの山田パンダに、長髪のままの伊勢正三。心に染みてくるその優しい歌声は変わらない。
スタートは午後1時過ぎ。「みなさん、お元気そうでよかったです。『朝までやらないと男じゃない!!』なんて悲しいじゃない。(午後)9時まででいいじゃない、9時で」。 ギターをかき鳴らし歌い続けた31年前のつま恋での吉田拓郎。宴は午前4時半まで延々と続いた31年前の昭和50年8月2日。伝説のライブは午前4時半まで続いた。今でも“炎の12時間”と語り草となった。「あの時は客席が怖かった。みんなが攻めてきたらどうしようって本気で思った。みんな丸くなってよかったね」。
前回は交互での出演で実現しなかった夢のセッション。3万5000枚のチケットは即日完売。会場の多目的広場は樹木が成長し観覧スペースが狭まったため、収容人数限界まで人、人で埋め尽くされた。みゆきも歌った サプライズゲストが花を添えた。中島みゆきは自ら出演を直訴し、拓郎と「永遠の嘘をついてくれ」を聴かせた。ムッシュかまやつも歌で祝福した。
「還暦? それがなんだよ。お祝いしてもらっても、ちっともうれしくない。俺、天の邪鬼だから」。そう、うれしそうに話すと客席に向かって自らカメラのシャッターを押したり、「足が痛くなった」と靴を脱いだり、1曲1曲を楽しんだ。「こんなに大人が集まることはもうないよ。余力はあるけど、帰りの電車があるから」と拓郎。「落陽」に合わせ、夜空に花火が打ち上げられた。ステージを所狭しと走り、投げキス。かぐや姫は「神田川」(73年)で締めくくった。
午後9時40分。8時間30分にわたる「同窓会」のフィナーレ。「ありがと~う」アンコールで「聖なる場所に祝福を」を歌い終わった後、拓郎は両手を振りながら、ステージを後にした。目は確かに涙で潤んでいた。拍手がいつまでも鳴りやまない。ステージにはネオンで「Thank You Forever Young」の文字。団塊の世代が、拓郎本人が青春時代を取り戻した。