判決例については,裁判所が一部を公開し,また主要な法律雑誌に掲載されるものも多いため,その分析・検討は一般に広く行われています。私たちのような法律家も,司法試験受験時代から繰り返し,判例・裁判例の分析・検討は行ってきました。

 

ところが,和解となった事案につきましては,その結果が一般に公開されていないため,分析・検討のしようがありません。しかしながら,民事事件の過半数は和解で終結するため,和解で終わった事案の分析・検討も必要性は高いはずだと思ってきました。

そうしたところ,平成28年12月に第一法規から『交通事故裁判和解例集―裁判上の和解における損害賠償実務とその傾向―』(弁護士法人サリュ)という書籍が刊行され,私も独立後,参照しています。

 

交通事故事案以外の和解事案についても,分析・検討できる資料の刊行が待たれるところですね。