アメフト試合での「悪質タックル」問題は,いろいろな観点から私も考えるところがあります。
その一つは,わが国のもののふの姿として,非常に嘆かわしいということです。
坂上田村麻呂は敵将阿弖流為の助命を強く望んで朝廷にもお願い申し上げ,楠木正行は厳寒期の戦闘で傷ついた足利方の将士を介抱して衣食を与え,謙信は信玄に塩を送り,乃木大将は敵将と対等の立場で水師営の会見を行いました。
むろん,個別の戦闘では残虐酸鼻の場面があった可能性も否定できませんが,武将の理想としてこのような逸話が語り継がれることを,後世の我々は重くみるべきでしょう。
国家の興廃,あるいは自らの死命を賭した戦いの敵に対してさえこのような態度なのですから,同じ種目を戦う仲間に対して,何と悲しいことでしょうか。