交通事故の民事事件を幾つも手掛けていると,よく似たケースを同時期に複数手掛けることもあります。
例えば,当事者の属性,事故状況,争点などが共通した事案を幾つも同時並行的にやるということが少なからずあるのです。
そのような経験を通じて,いろいろな事案の類型化を行い,筋道を立てて進めることが容易になるというメリットがあります。また,そのようにして経験の蓄積を図っていくことは非常に重要でしょう。
ただ一方で,事案の個別性を軽視し,「ああ,またこのパターンか」などと先入観をもって安易に見てしまうのは非常に危険ですし,そもそも依頼者の方に対して失礼でもあると思います。
仕事としてやっている者にとってはいくつもある事件の一つですが,依頼者の方にとっては,二つとないものであり,しかも一生がかかっていることさえ珍しくないからです。
まったく同一の事案は絶対に存在しないことを改めて肝に銘じ,誠意をもって仕事に当たりたいと思うものです。