自筆証書遺言は,手軽に作成できることから,一般的によく用いられる形式ですが,後で相続人間において争いになるリスクも低いとはいえません。

 

争いになりやすいポイントとしては,①遺言者の意思能力,②法的要件の欠如,③相続人の一部による隠匿・改ざんなどです。遺言者が亡くなったのち,相続人間で争いが生じれば,各当事者が自分に有利にことを運びたいと考え,何か主張できないかと考えて,あれこれと言い出すことが少なくないのです。

「うちに限って,そんな争いになるはずがない。」と考えておられる向きも少なくないでしょうが,実際に肉親から,突然に遺言の無効を主張され,衝撃を受けるということが少なくないのです。

特に意思能力については,高齢者の方には,認知能力に日によって差が大きい方もおられるため,問題になりやすいといえます。しかも,遺言の有効を主張する側は,遺言者の頭のはっきりしている時のイメージが強く,他方無効を主張する側は,遺言者の判断力が低下している時のイメージが強くなりがちですから(そのようなイメージは後になって強化されることも少なくありません),尚更争いは大きくなります。

 
遺言の効力をめぐって紛争が生じれば,最終的にどのような解決になるにせよ,決着がつくまでに相当の時間と費用がかかるのが通例でしょう。
そのためにも,効力のはっきりした遺言を作成されることが必要です。