米国株は戻り局面へ 今こそ欧州・新興国への大胆シフトを
2024年12月以降、私は米国株に対して一貫して弱気なスタンスを維持してきました。
「マーケットを畏怖せよ」と繰り返し警鐘を鳴らしてきたのは、過熱感や過信が市場に蔓延していたからです。
しかし、4月に入りセンチメントは一変。
VIX指数は一時45を記録し、プットコールレシオは1.07に達するなど、恐怖が極点に達しました。
投資家は十分に震え上がっています。
このタイミングをもって、私は弱気スタンスを撤回し、「中立」に転じます。
4月7日、反発の兆し
おそらく4月7日(月)のニューヨーク市場は、窓を開けるように安寄りして始まるでしょう。
これは「三空完成」を意味し、典型的な底打ちのサインでもあります。
ザラ場では、いったん反発を模索する展開が期待できます。
そしてその反発は、短期的なリバウンドに留まらず、時間をかけて今年の高値近くまで戻す展開になる可能性もあります。
だが、今こそポジション調整を
注意すべきは、ここが**「売りそびれた人の最後の逃げ場」**になりかねないという点です。
この戻り局面で「もう大丈夫だ」と安易に米国株に強気になってはいけません。
むしろこのチャンスを活かして、米国株を軽くし、欧州株や新興国株に大胆にシフトするべき時期だと私は考えています。
駆け込み消費と決算シーズン
足元の強気材料として注目すべきは、関税による駆け込み消費です。
自動車、スマホ、アパレルといった分野では、関税発動前に購入を急ぐ動きが出ています。
4月中旬から始まる2025年Q1の決算発表では、この駆け込み需要が売上を下支えし、数字は見た目以上に強く出ると予想されます。
さらに、企業は関税リスクを想定して事前に在庫を積み増しているため、供給面の混乱も起こりにくい状況です。
この数ヶ月はむしろ業績が良く見えるでしょう。
値上げできない圧力と7月以降の収益悪化
とはいえ、中長期的には別の問題が浮上します。
トランプ陣営が企業に対して「関税コストを消費者に転嫁するな」と圧力をかけており、価格転嫁が困難になります。
その結果、利益率が圧迫され、7月以降にEPSコンセンサスが下がり始めると予想されます。
主な企業のグロスマージンを見ると:
- アップル:46%
- ナイキ:45%
- アマゾン:49%
- メタ:82%
- ウォルマート:7%
- HP:5%
これらの数字を見る限り、多くの企業は2〜3ヶ月の“我慢”は可能ですが、長期的には限界があります。
利下げは秋以降にずれ込む可能性
市場は、インフレが一時的に再燃すると同時に、その後急激なデフレが来るという極端なシナリオを織り込んでいます。
しかし、関税によるコスト転嫁が本格化するのは7月以降。
つまり、インフレ再燃は夏以降にずれ込みます。
これにより、利下げも秋以降に後ズレする可能性が出てきます。
市場が現在期待している「年内4回の利下げ」には過度な楽観が含まれているかもしれません。
半年間続く“不透明相場”
インフレ、関税、企業収益、金利政策——。
これらすべてが交錯する中で、この春から秋にかけては非常に不透明な相場展開になると考えられます。
それゆえに、世界中の投資家たちは米国株に偏重していた資金をリバランスし始めています。
向かう先は、欧州株や新興国株、フロンティア市場です。
今後のS&P500のイメージ
- 4月〜6月:戻り基調が継続
- 7月〜:利益率悪化とともに下落圧力
- 9〜10月:景気悪化が表面化し、最も苦しい局面へ
結論:米国株は中立、次の主役は海外市場
今週からの戻り相場はポジティブに捉えつつも、それは**“逃げ場”であり、再投資の機会”**でもあります。
主役交代の兆しはすでに見えています。
米国一極集中から脱却し、欧州・新興国・フロンティア市場へ視野を広げてください。
今の時代、ポートフォリオの地理的多様化こそが、次の強気相場を先取りする最大の戦略になるはずです。