日銀量的緩和 | 今今と今という間に今ぞ無く 今という間に今ぞ過ぎ行く by道歌

日銀量的緩和

日銀が量的緩和で目標としている当座預金残高の


一時的な目標割れを認める発表をしました


この、経済界にとっては結構ビックなニュースに対して


そもそも日銀の量的緩和とは何か?と言うところから迫りたいと思います


皆さんもご存知のとおり中央銀行と言うのは世の中に出回る


貨幣の量を恣意的にコントロールすることで金利に影響を与えたり


物価に影響を与えて世の中の経済を間接的に


コントロールしようとします


これを金融緩和とか金融引き締めと言います

(金融緩和は貨幣供給量を増やして景気を活性化することで金融引き締めはその逆です)



今は不景気なので日銀は世の中の貨幣供給量を増やして金融緩和をし


少しでも投資に向けさせたり消費に向かせたりしようとしています


その政策に一環として行われているのが当座預金残高の目標設定です


当座預金残高と言うのは市中銀行が日銀の口座に預けてある預金のことです


この市中銀行は当座預金残高の額に比例して外部に融資することができるので


当座預金残高の目標額をを増やすことは地中銀行の融資額を増大させたい


と言う意図が表れているものと経済界では判断されます


もともと日銀はゼロ金利政策と言う銀行間でのお金のやり取りに際する


金利をほぼゼロに近いものにするような政策を行っていて


これでもかと言うくらい金融緩和を行っていたのですが、それでも


なかなか景気がよくならないので苦肉の策、裏技として当座預金残高の


目標引き上げに踏み切ったと言うわけです


もうゼロ金利ですら世界的な観点から見ればかなり異例の金融緩和であったため


当座預金残高の目標引き上げなどは内外に景気が悪くて日銀も


身の振りようがなくなってしまっていることを認めてしまっているようなものです


そのため、日銀は少しでも景気が回復してきたらこの量的緩和を解除したいのです


今回内閣府の調査の結果今期の経済成長率が5%台と言う今の日本では


考えられないくらいの高成長を記録するなど景気がよくなっている兆候が表れ始めました


そういったことから今回の発表が行われたものと思われます


しかし、日銀の政策は貨幣供給量によって実物経済に与える影響のほかにも


アナウンスメント効果と言うものがあります


これは、日銀は景気をどう判断していて、これからどういう政策に打って出るのかを


日銀の今の政策から世の中が予想して、それにしたがって行動をはじめると言うものです


そういったことから量的緩和を完全に解除することは日銀がこれから金融引き締め


に傾くことを投資家などに予想させ、投資に慎重な判断をし結果的に景気を


冷え込ませる恐れがあります


そういったことを懸念して日銀はなかなか量的緩和解除に踏み切れません


さらに、今の日本財政は非常に厳しく、これから消費税の高率化を行うしかないと言う


議論が政府内でも本格化しているため、量的緩和の解除時期によっては


金融引き締めと増税と言う二重の景気抑制政策と言うことになりかねません


そのため、財務省が日銀に量的緩和の解除を遅らすよう圧力をかけています


現在日銀は金融政策において非常に難しい舵取りを求められていると言えます



今回の発表に際しても一時的な割り込みは技術的な問題で量的緩和の


枠組みはこれからも維持するとしていますし、市場の出方を伺っていることの


表れかもしれません


しかし、量的緩和の解除時期をめぐる攻防はこれからの日本経済を


読む上で非常に重要な論点となることは間違いないのでしっかりと見守っていきましょう



最後になりますが・・・・・政府の財政政策や日銀の金融政策が本当に


実物経済に対して影響を与えるのか?と言うテーマはマクロ経済学の最大の関心事です


経済は市場原理に任せることが望ましいとする古典的な考え方を貫く古典派経済学派と


市場の価格調整メカニズムは機能しないので政府が積極的に経済に


介入すべきだとするケインズ経済学派に分かれて今でも論争中です


しかも最近では今の日本のようにケインズ型の総需要管理政策が景気にあまり


役に立たない事例が増えていて、古典派の流れをくむ新古典派やマネタリストと言われる


学派が盛り上がっているような常況ですので、今のケインズ型の裁量的経済政策をもとに


考えられている政府の経済政策のあり方は時代遅れと言えるのかもしれませんね


まぁ、まだ学者の中でも決着が当分つきそうにない話題ですので


時代遅れとも断定できませんが・・・・