小径
私はどこかの中心にいました。
見回すとそこには沢山の小径がありました。
私はどこか小洒落た径を選びました。
進むとそこは歩いても歩いても小さい径でした。
1度中心に戻ってみました。
私は自分が一瞬で好意を持った径を選びました。
そこは楽しく幸せな場所でした。
少しずつ径は広がっていく気がします。
だが私が目指してる径には程遠いものでした。
時々止まったりしました。
歩き続けなければいけないとこの社会の風潮のせいなのでしょうか。
止まることに罪悪感を覚えていました。
私はそれから何度も色んな径を歩きは止まり、
止まっては戻り。
小径を進めば必ず広く言葉のない世界にたどり着く、偉い大人は言っています。
偉い大人はたどり着いたのかと疑問に思いながらみなそれを信じてみては不信に思い人間の本能でしょうか、
矛盾や葛藤にもがいています。
私は中心でしばらく過ごす事にしました。
目を開けば小径がある。
そんなどこかもわからない中心部です。
そこで気づきました。
径を歩く度、色んな人に会いました。
径を歩く度、色んな気持ちになりました。
径を歩く度、恐れる事もありました。
径を歩く度、汚れた泥も着きました。
径を歩く度、泥を落とす銀色の水も流れてきました。
径を歩く度、諦める事を考えました。
径を歩く度、弱音を吐くことも増えました。
径を歩く度、人に迷惑ばかりかけていました。
それなら止まっていたほうがいいってそう思ったりもしました。
だけど
径を歩く度、どこかで誰かが私を呼んでいました。
径を歩く度、必ず背中を押す人がいました。
径を歩く度、いやこの小径こそが広く言葉のない世界とかそれ以上に大切なものに繋げているのかも知れません。
沢山の小径は沢山の努力のスタート地点でした。