♪♪キーーーンコーーーーンカーーーーンコーーーン♪♪
もう6時間目終わりか。
『あのこと』を耳にしてから
授業どころでもなく不安しかなかった。
この先どうしよう。
退学して新しい環境に、、。
とまで考えた。
だけどそこまで絶望的な気持ちではなかった。
まだホントかどうかわからないじゃないか!
自分に言い聞かせてた。
「友理~?帰ろ?」
真子と裕子がマフラーを巻きながらいった。
「あ、わっ私石橋先生に用があってさ…」
「先帰ってて?」
「いいよ!待ってるよ!ね?真子?」
相変わらずのテンションで真子に問いかける裕子。
「私…晴香と用事が…ごめん!先帰るね」
「じゃー私も真子と帰るね!ごめん友理!また明日!」
「へーきへーき!じゃ明日ね!」
ホントは石橋先生に用事なんてない。
ただ一緒にいるのが苦痛だった。
目的は一緒に帰りたくないから放った嘘だが
あっさりOKされて
なんだか複雑な気持ち。
それも真子の先に帰る理由もなんだか
腑に落ちない。
「わたし、どうすればいいのかな…」
ピコん!!
メッセージか。
画面を見ると真子と裕子と私の3人のプリクラを背景に裕子からメッセージが来ていた。
【裕子:あんまり気にすんなよ(*゚▽゚)ノ】
いや、気にするでしょ。
聞きたくなかった。
聞いた方が良かった?
いや聞いた所でなにかできるわけでもなく
ただただどうすればいいのかという答えの出ないものを探し続ければならない。
でも気にしないでいいか。
真子は当然私が【このこと】を知ってることなんて知らないだろうし。
明日から頑張る。
そうする。
頑張ろうという決意に
夕日が私の背中を押していてくれた。
「ままー行ってくるねー」
「はーい。気をつけるのよ、早く帰りなさいよ」
「なんで?なんかあるの?」
「冬なんだし夕方もすぐ暗くなるじゃない、危ないわよ」
親の心配に少しイライラする。
これが年頃の感情なら正常だろう。
「じゃーねー」
バタン。
バス遅れる、早く行かなきゃ!
あれ?
いつもの猫がいないな?
思わず足を止める。
まぁいいか。
ピコん!
寒さで指が固まる。
特に第二関節から上はジンジンして
返信どころじゃなかった。
バスの中で返信しよう。
携帯画面をちらっとみた。
【真子:ごめん、遅れる先いってて】
思わずまた足を止める。
急いで返信をした。
【いいよ、待ってるよ】
送った瞬間既読がつく。
【真子:いやいいよ、先いってて】
ん?まぁいつものこと。
なら早くバス乗らなきゃ
【わかった】と返すと既読がついたまま返信はこなかった。
プーーーーーー。
あ!!
バスが行ってしまった。
どうせなら止まらなきゃ良かった。
今日はついていない。
ため息は冬には見えるものになるよな…。
夏なら目に見えないものなのに。
家に逆戻りし、
寒さの中自転車で駅へ向かった。
キーーーー。
いつもと1本違う電車。
なにか雰囲気が違う。
こっちの方が混んでるな。
なぜか私はドキドキして挙動不審状態だった。
え、、。
なにか聞き覚えのある声が聞こえた。
背伸びしてみると
真子だ。
隣にいたのは隣のクラスの結衣だった。
「真子、意外と黒いよね~笑」
「そんなことないよ!!」
「だってさー、わざと時間遅れて友理ちゃんと一緒に行かないようにしてるんでしょ?」
「いやーそれはさ!笑」
どうしよう。
涙が出そう。
これで確実に
それは陰口として聞いてしまった。
自分で聞くしかない。
押しつぶされそうで逆に燃えてきた。
今日は学校に行こう。
マフラーに顔を埋めて真子と結衣にバレないように
電車を乗っていた。
つづく!