「自分が放った一言が患者の人生を変えると思って会話しなさい」と、就職した際に教わりましたが、たった一言がそんなに影響するはずがないと思いました。
看護師から「PTさんが歩行練習してくれてから、〇〇さん歩けるようになりました!」と言われることがありましたが、たった一回の歩行練習で歩けるようになるはずがないと思いました。
しかし、たった一言、たった一回が強く影響する場合がたしかにあるんだと、最近思います。
注意深く見ないと見落としてしまうような僅かな変化でも、タイミングを合わせて軽く後押しすると、変化は爆発的に大きくなる。そんな印象があります。
誰にも口を開かず目も合わせない患者が、
初対面の臨床心理士と長々と会話する場面や、
部屋に閉じこもって全て拒否する患者が、
ホールで作業療法士と楽しげにゲームする場面や、
かなりの介助量の患者が理学療法士と手をつないで歩いている場面などは、
とらえようによっては「先生という肩書があるから・男性だから・白衣を着ているから、患者がその気になった」といえるかもしれませんが、もしかしたら、それぞれの専門分野の目で僅かな変化を見落とさず、タイミングを合わせているからできることなのかもしれません。患者に変化する兆しがあれば、専門家の出番ということだと思います。
例えるなら、古いバイクのエンジンがどうしてもかからず、バイク屋に持っていったら「このエンジン、回りたがってるから大丈夫だよ」と言われ、ちょっとしたコツを教わってからペダルを踏み込んだら、たった一発で「ドルルン」と動き出した…という感じです。
人生を変える「たった」が出せるように、頑張っています。