先日、ご家族からこんな相談を受けました。
「歩き始めるとスムーズに歩けるんですが、歩き始めの一歩が出ないんです。」
こういう場合、何とか片脚を前に出させようと介助しがちなのですが、そうすると余計脚が出なくなります。
こうなる原因は、両足に体重が乗ったまま歩き始めようとしていることにあります。
どうすれば良いかというと、身体の片側に体重を寄せて、頭と腰と片脚が垂直に並ぶようにしてあげれば良いのです。寄せるといってもほんのわずか、数センチです。
そうすることで、片脚が体重を支え、もう片方が自由になるので、あとは身体を前に数センチ引いてあげれば自然に歩き始めます。この方の場合、極端にスタンスが狭く両足がほとんどくっついていたので、立ち上がった時にスタンスを広げてから歩き始めの介助をすることでスムーズに歩き始められました。
介助方法というのは、ポイントがわかってしまえば何てことないものです。少し練習すれば誰でも出来るようになります。
しかし、ポイントがわからなければ非常に苦労するものでもあります。
理学療法士の仕事として、介助のポイントを見つけて伝えることは非常に大切です。高齢者の在宅生活を支援する上では、個別のリハビリよりも重要かもしれません。
同様に作業療法士は、認知症やうつの高齢者の在宅生活を支援するために、より良い支援のポイントを見つけて伝える仕事をしています。
私たちの仕事は、リハビリテーションの枠組みでいえば、そういう感じになるのでしょう。