2012年8月尖閣島の中日領土紛争により、中国全国の80ヵ都市で反日デモが起きました。 私が中国で居住した20年間起きた反日デモの中でその規模や強度面で一番大きかったと覚えてます。 日本人は中国行きの日程をキャンセルし、中国に暮らしていた日本人たちは外出をできるだけ控えて、外出した時は自分が日本人であることがばれないように神経を使いました。 中国人のデモ隊は中国公安の暗黙の中で日本車をひっくり返したり、日本看板が掛かれてる店を破壊したり暴れまくりました。

 

当時彼らが叫んでいたスローガンは大きく二つ:「尖閣島は我々の領土」&「日本商品ボイコット」。 実際日本車の売り上げは9,10月前年対比平均マイナス30%となり、それは中国市場進出以来初めてのマイナス成長でした。

じゃ、これは明らかに反日感情がどれほど中国人の心に染みられているのかを証明する、、、と言えるのでしょうか? 私にはそう言えません。何故ならば:

 

1.同期間ネットでの日本商品売り上げは変わらなかった。 日本車はその「露出度」が問題でした。 つまり、他の中国人同士に見られると破壊、批判される。 ネットでこっそりと買えて、家でこっそりと使える日本商品は影響を受けなかったわけ。 そのところか、タオバオ(中国最大のECサイト)で同期間売れた「育児商品トップ9」のうち、トップ1,2を含めた6つが日本ブランドだったのです。 即ち、日本車売り上げの暴落は中国人を恐れる中国人という社会的なプレッシャーによって起きた現象だったのです。(↓の写真:自分の車に「車は日本車、心は中国心」、「尖閣島は中国の」のサインを貼り付けている。 オーナーの本音は勿論「俺の車を壊さないで~」である) 

2.それから1年後、2013年9月日本車の売り上げは前年対比平均80%の増加率を記録し、今回は中国進出以来最高の成長率となった。

 

3.韓流パーワーで韓国ドラマや映画が中国動画サイトで欧米コンテンツと肩を並んでる今でも日本アニメの地位は絶対的であり、この10年間「ワンピース」と「ナルト」は不動の#1。日本人が作った物だけではなく、日本人が語る物語にも大きく共感してるということ。

 

4.日本を訪ねる中国観光客は増加する一方である。 一人平均26万円を滞在の間に使う。彼らは中国でも買える日本製品を態々日本で買います。なぜ? 彼らは中国人向けに作られた日本製品じゃなく、日本人向けに作られた日本製品がほしいから。

 

世間では中国政府が裏でデモを助長したとか、デモ隊にお金を払ったとか、等の話もされてるようですがそんな話はなんの役にも立ってないのでここでは議論しません。 私は両国関係改善という大前提から外れてる“批判のための批判”の論調は100%無視します。

 

中国人の反日感情はこのように政治的、社会的な事件でキラッと起きる花火、又は祭りみたいなもんです。 尖閣島事件の場合は祭りの期間が3か月ほどで普段より長かっただけ。共産党がどれほど大きな影響力を振り回しても実質的な利益を追求する中国人の性向は変えられないと思われます。 これが先話した抽象的な対象に対する感情の限界であり、国家を人格化して認識する習慣の盲点です。 

 

結果的に“日本製品とアニメは大好きだけ日本は嫌い”という、“妻が作ってくれる料理は大好きだけど妻は嫌い”のような自己矛盾に落ちてしまうわけです。 矛盾の中に生きることは辛いこと。