我々が普段やっている自己紹介の内容は色んなバージョンがあります。
対象によって内容のポイントが異なるからです。
就職のための自己紹介、お見合いのための自己紹介、クライアントに会った時の自己紹介(クライアントの業種によってさらに変わったりもする)、隣に住んでいる人にする自己紹介等、、、しかし、私は一度も自分の読者を対象に自己紹介をしたことがないのでかなり悩んでました。
それもそうです。普段自己紹介の冒頭に入る名前と国籍さえ私にとってはそう簡単に答える問題じゃありません。私が韓国仁川に生まれた時“与えられた”名前は李権錫(イー、クォンソク)、中学校3年の時アメリカに移民してからは韓国語の名前がアメリカ人に言いにくいという理由で当時お母さんが好きだった俳優アンソニークイーン(Anthony Queen)からアンソニーという名前を取り、それが現在私のアメリカパスポートにあるLegal nameです(ずっと後でわかったけどアンソニークイーンはハリウッドでもっとも成功したメキシコの俳優)。
しかし、アンソニーは又アジアの友達にとって発音が難しいということでその略であるトニー(Tony)という名前で知人の間にはもっとも多く呼ばれてます。勿論、トニーという名前も日本や韓国では三類芸能人、アメリカではピザ屋のオーナー、イタリアマフィアのチンピラみたいな“軽い”ニュアンスがありますがもういいと!
国籍もアメリカではありますが米国という国の文化と歴史が私という人間を規定することはできません。死ぬまでコロンバスデイーやサンクスギビングデイーを自分の節句として思うこともないだろうし、オリンピックで米国が金メダル順位1位を取ったって興奮することはないでしょう。 だから私は“何処の国の人ですか?”(Where are you from?)って聞かれると答えに困るわけです。 どう答えても私という人間を理解するのに邪魔になるからです。
私は自分が生まれた韓国で15年、アメリカで14年、そして中国で20年を住んで、一年ほど前から又アメリカに戻って暮らしてます。日本に住んだことはありませんが日本人の友達はアメリカと韓国を合わせた数以上に多いです。一方、私の妻は私に出会うまで中国を離れたこともない純度100%の中国人だし、母国語が中国語の私の長女はまだ韓国語ができません。だから私は毎日四ヶ国語で考えて、書いて、読んで、話しながら生活をしてるわけです。そんな私に一人の人間のアイデンティティを一つの国に限って定義するということは無理に決まってるわけです。 実は私だけじゃありません。現在地球上に住んでいるすべての人々がそうだと思います。 一つの国に生まれて、一つの言語だけ使って生活をしている人たちも彼らの考えと行動を支配する文化は一つの国に制限されないからです。 それを否定して自分のアイデンティティを一つの国の枠に無理矢理当て嵌めようとすると頭は偏狭となり、心は荒れるだけです。だから私は敢えて思うのです。 You cannot define your identity by your nationality! 自分のアイデンティティは自分の国籍で定義できない!20万年の歴史を持つホモサピエンスを20世紀の産物である民族国家(nation state)という垣根の中に閉じ込めることはあり得ないことです。
人間は国より大きい!
皆さんと同じく、私もどんな国より大きな存在です。