大変お待たせ致しました。
ポポンデッタ製品で東急5000系が発売となり、やはり気になる先行するTOMIX製品との比較
約20年前とはいえ、ハイグレードモデルとの比較に「人の心無いんか?」と思いながら製品が届く前から書くのを決めており(笑)
が、両社の製品を並べて写真を撮り始めると意外と…?
それでは本編です。
まずはデハ5000形から
ポポンデッタ製品は大井町線セットのデハ5015号車、TOMIX製品は3両セットのデハ5031号車を代表に
前面
ポポンデッタはHゴムをボディ側で表現、これが非常に良い味を出してくれています。
対するTOMIXは車体側表現で、若干陥没してしまっているように見えるのは残念
窓下に出るR角度の変わる箇所の表現はTOMIXが繊細でそれらしく、ポポンデッタはその線が消えてしまっていてちょっと異なる雰囲気です。
ワイパーはポポンデッタはボディ含めてモールド、TOMIXは窓パーツのみに印刷と両社の作風の違いを感じます。
行き先はポポンデッタが印刷済みに対して、TOMIXは付属ステッカーでの選択式なので表記無し
特にポポンデッタの窓に印刷された運番は結構面倒くさく…この点の自由度はTOMIXが圧勝(笑)
ポポンデッタは種別板を保持する留め具の表現が3か所ありますが、TOMIXは上下2か所がなく下部の1か所のみ
この点に関しては、純粋にエラーなのか実車の経年変化でこういった形態が存在したのか不明です。
やや上から
おでこのRはポポンデッタがやや急、TOMIXはキレイなRを描いている感じに
前照灯の表現はポポンデッタが少々目立つ別パーツなのに対して、TOMIXはキレイな一体成型
譲渡後のバリ展を何処まで考慮しているかの違いはありそうですが、この点はTOMIXが凄いです。
このアングルから見ると、ポポンデッタの凸表現Hゴムがより良い味を出していますね。
TOMIXはHG製品なので前面周りのホースなどは別パーツ
フル装備するとデハ5043号車(右)のようになります。
20年前とは思えない繊細さでこの点は流石…前面もTNカプラー装備で連結可能なのもgoodです。
対するポポンデッタは全体的にシャープさはなく…ですが、製品仕様でこの状態なので昨今の“レディ・トゥ・ラン”志向を思うと、好む層も居るでしょうか?
側面の比較
TOMIXは後期更新の窓サッシ化されて、戸袋窓のみ原型を保っている形態
対してポポンデッタは、中期更新の戸袋窓を含めて窓サッシ化された姿を再現(デハ5015号車とデハ5016号車)
厳密にいうとプロトタイプが異なります。
乗務員扉の窓もも車体色で塗装されているポポンデッタに対して、TOMIXは未塗装と差異があります。
同じく乗務員扉下部のメッシュ部分は、オーバースケール気味ではありますがポポンデッタは表現し、TOMIXは埋められた形態?でしょうか
ステップはTOMIXの圧勝…ポポンデッタは成形不良を疑いたくなる形状です。
機器類を下から眺めてみます。
表面から見えない箇所もバッチリ作り込まれているTOMIXに対し
ポポンデッタは流石にそこまでの作り込みは無し
個人的には気にならない部分ですが、20年前とは言え流石TOMIXのハイグレードモデルだなという感じです。
床下周り…というか、ポポンデッタ製品で一番賛否両論になりそうな箇所はここでしょうか
車体構造故に通常のTNカプラーに対応できず、アダプター形式となった車端部
TOMIXは幅が狭いタイプのTNカプラーを標準装備し、ボディ側はキレイに表現
ここに関してはTOMIXが間違いなくベストでしょう…流石TNカプラーの開発元は違います。
ポポンデッタがデハ5016号車に交代して頂き…動力車の比較
両社ともに汎用性を加味して先頭車を動力に設定していますが、TOMIX(上)は奇数車、ポポンデッタ(下)は偶数車と設定が異なります。
機器配置の差異は、奇数車と偶数車の違いで両社共に実車に忠実です。
20年前とはいえ流石にTOMIXの方が精密で流石です。
ただ、色味に関しては成形色丸出しでちょっと安っぽく(この点に関してはT車も含めて)
この点はポポンデッタが恐らく成形色ながらも落ち着いた黒色を表現していて実車らしい印象を盛り上げます。
ちなみにですが
ポポンデッタの東横線と目蒲線セットに含まれるデハ5025号車とデハ5026号車は、前期更新の窓サッシ化されながらも全て塗装された形態を再現
色味の違いだけですが、複数種類を楽しめるのはポポンデッタ製品の特権です。
妻面側
ポポンデッタは資料の問題でしょうか、妻面は一切の印刷が無し
TOMIXの銘板と検査表がある姿が正解です。
両社ともに幌は標準装備で、東急の模型としてはハイグレードで素晴らしいです。
標準的に出してるメーカーは…(以下略
屋根周り
TOMIXは一色塗に対して、ポポンデッタはパンタグラフ周りの絶縁塗装を再現
往年の東急鋼製車ではお馴染みでしたが、製品状態で再現されるのは初めてで感動
メリハリという意味ではポポンデッタの方が好感を持てます。
パンタグラフはTOMIX(左)とポポンデッタ(右)共に専用のPG16を再現
ポポンデッタでは初の菱形パンタグラフとなりまして、上がらないなどの不具合はありませんが何ともごついディテールで…
この点、TOMIXは今も昔も定評がある作りの素晴らしいパンタグラフで、この点に関してはTOMIXの圧勝(笑)
配管周りの描写も、TOMIXの方が繊細に感じます。
ベンチレーターは両社ともに別パーツ
メッシュ部分の表現が大分異なっており、実車にも二形態あったのかは不明です。
屋根の雨どい部分
上のTOMIXは、ドアの脇で雨どいが切断されている晩年に観られた姿を再現
対して、下のポポンデッタは雨どいの途切れていない原型に近い形態を再現
ここにも細かな違いがあります。
アンテナ装備の車両
TOMIX(上)は別パーツで選択可能、ポポンデッタ(下)は製品状態で固定で仕様ごとに有無を再現
汎用性という意味ではTOMIXの仕様が嬉しいです。
車内の比較
正直この点に関しては最新仕様のポポンデッタが圧勝
標準仕様となった座席の塗り分け、目立たないように別パーツを取り付ける形となった室内灯の支え
最新仕様を遺憾なく発揮しています。
乗務員室周り
ライトユニットで完全に埋まって何の描写もないTOMIX(上)に対して、シースルー化は成し遂げなかったもののポポンデッタ(下)は乗務員室内の描写があります。
マスコンやブレーキハンドル、メーターなどもそれっぽい雰囲気で分解しても楽しいです。
続いてサハ5350形の比較へ
上からTOMIXのサハ5369号車、ポポンデッタのサハ5373号車、もう1両ポポンデッタのサハ5363号車となります。
床下機器は実車がスッカスカの仕様なので、殆ど差が無さそうですw
TOMIXとポポンデッタ共に、基本的には戸袋窓が原型で他の窓がサッシ化された後期更新の見慣れた姿を再現
唯一の例外はポポンデッタの東横線セットに含まれるサハ5363号車(一番下)で、戸袋窓も含めて窓サッシ化された中期更新の形態を再現
たった1両の為に、ここの作り分けを行うとは恐れ入りました…。
更新時期を確認出来る資料が本当に欲しいところですorz
続いてはデハ5100形
配管がある側の妻面
屋根と同様に、若干配管の曲がり方が両社で異なっております。
パンタグラフ周りを真上から
描写の丁寧さはやはりTOMIXに軍配が上がるところ。
ですが、ポポンデッタも塗り分けでは負けてないというところになります。
基本的にはポポンデッタとTOMIX共に雨どいがある標準的な形態なものの、サハ5350形と同様にポポンデッタ製品に1両例外が存在します。
左のデハ5117号車がその例外
晩年に見られた屋根上の雨どいを完全に撤去した形態を再現し、変わりに増設されたドア上の雨どいを印刷で表現しています。
5000系のセットではなく5200系の大井町線セットに含まれる曲者で、この形態を再現したNゲージ製品もBトレインショーティーを除くと史上初です。
5000系オンリーで構成された編成でもこの形態は存在しましたので、今後のバリ展にも期待です。
ということで、ポポンデッタ&TOMIX 東京急行電鉄初代5000系のNゲージを比較してみる でした。
両社ともに本当に出来が良く甲乙つけがたく…比較用の写真を撮りながら非常に楽しかったです(笑)
TOMIXのハイグレードモデルにここまで迫れたポポンデッタも凄いし、約20年後のポポンデッタ最新製品と比べてもないTOMIX製品も凄い、という感想です。
両社の良い点を比べて、お好きなものを買えばどちらでも幸せになれると思いますし、折角なら両方買ってもっと幸せになるのも乙でしょう。