『WSへ向けたチームの変化』
サマーステージ(SS)予選敗退の原因は明らかでした。
自分達をコントロールできず、判断をしないでひたすら無理な一対一勝負で自滅。
夏合宿で鍛えたはずのボールへの反応とNBCの動き出しが経験不足の為、発揮できず。
幸い負けた事により、モチベーションは自然に向上しました。
GBを支配することへの意識変化と、ボールを奪うためのチームDFの理解。
ミスを予測して反応してGBを支配すれば試合を制する事と、
相手のBCを悪い状態へ追い込んでダブルチームでボールを奪う事を、
W大とのリベンジ練習試合で認識。
「あの作戦」。
オールコートゾーンプレス。
去年のWSでは「そこまでやらなくても」と考えていましたが、
今年は早くもSSでR大が仕掛けていた事もあり、まずは同じ土俵に立つ必要がありました。
というよりも、日本の女子ラクロスの流れが間違いなくある方向に流れ始めている中で、
いつまでも既成概念にとらわれる必要性が無かった。
選手もそれを望みました。
「一ヶ月の早朝練だけで、初心者が理解できるものなのか?」
の疑問の声もあがりましたが、
これにはコーチとして「絶対にできる」の自信がありました。
逆に言えば、これをやる方が簡単。
足が速い選手、視野が広い選手、バランスを取れる選手、声が出せる選手、GBが強い選手・・・
メンバーを見ればチームとしてはこれをやるのが一番適しているのもわかってました。
あとは、ひたすらポイントを絞って言い続ければいいから。
「予測と反応」
「BCの視野を限定する」
「行き場を失わせて狩るか、出させて狩る」
「狩った後のGB処理と、最速最善の攻めの判断」
それだけです。
自分達の武器の単純化と意識統一
オールコートゾーンプレスで奪ったボールは、速攻か遅攻のどちらかになるわけで、
個人の一瞬の判断による部分が大きい速攻と、
単純化した一対一による遅攻以外の攻めを排除。
セットオフェンスからのフィードは一切無し。
(「だって君達のパスが通る確率と一対一仕掛けてシュート打てる確率比べてみれば?」で選手納得。)
遅攻はクリアアウト⇒一対一⇒パス⇒クリアアウト⇒一対一の繰り返しのみ。
よく見かける「DFに守られているのにカットしてスペース潰す」事をこれにより無理矢理排除。
パス出したらクリアアウトし、クリアアウトするまで一対一を仕掛けないという「ルール」を作ることにより、
チーム全員の統一された判断があるから
結果的に攻める回数が増えるという攻めにしました。
結局、大学までボールゲームをやった事のなかった選手にも、
自然と「スペースを作って使う」意識が身につく事になり、
狭い場所に無理矢理突っ込んでボールを奪われるというシーンが少なくなったのです。
チームDFはとにかくカバーの意識と積極的ダブルチーム。
一対一をひたすら一人で守らなければならないという既成概念的な事より、
「攻めてない選手(=屍)は守らない=カバーの準備とダブルチーム」です。
ゾーンプレスの効果でしょうか。
かなり屍を放っておけるようになりました。
シュートへの意識
「ゴーリーとシューターとの空間と時間の奪い合い」とはいうものの、
やはりまだまだ技術不足。
なので、ただ一つの技術だけはしつこく身につけさせました。
怒号を浴びせながら…
「ゴーリーの身体の線に沿って縦にクロスを振る」
「ゴーリーの胸の高さにだけは打たない」
ただこれだけです。
気持ち良くシュートを打って余韻に浸る一年生に、ただただ罵声。
少年サッカーのコーチから学んだ俺流コーチング。
不評だったかもしれませんが…
そんなこんなで、選手はどん底から這い上がって行きました。
続く