まずは結果から。
1回戦 対明学 4-0 ○ 序盤ガチガチでシュート決まらずも、ボール支配率80%、ルーズボール支配率も圧倒し、まずは初戦突破。
2回戦 対日体大 5-1 ○ 開始早々の2得点で流れを掴み、ウィンター覇者の相手を圧倒。
3回戦 対桜美林・玉川 8-1 ○ 前の試合での勝利によるメンタル面での浮つきが懸念されたが、見事に克服し圧勝。
準決勝 対東女体 3-1 ○ 山場。強い向かい風の中、クリアに苦しみルーズボールの局面でも劣勢の場面が多く苦しんだが、同点からゴール前のこぼれ球を執念で押し込み、そのまま逃げ切り。
決勝 対日女体・創価 9-0 ○ 序盤から攻守心全てにおいて相手を圧倒。20分流しのゲームにおいて、ほぼ「2分に1点」のペースで得点し、グランドに強烈な印象を残して3年ぶり2度目の制覇。
ということで、目標通り優勝。見事です。
ほとんどの試合で相手にまともなラクロスをさせなかった。
これは2005W杯で見せた日本代表の戦い方に似ていた。
「戦術」と言われるオールコートのゾーンプレスでは、
相手のプレーエリアを限定してミスを誘い、
ミスの後のルーズボール局面に対しては常に人数を優位にしてボールを奪う。
全員の戦術への理解ができているから、ミスが起こる場面を予測でき、
スピード(速さ)では劣る相手に対して、早さで反応するからルーズボールを支配できる。
攻撃からの味方のミスに対しても、ボールの奪い返し方がわかっているから、
リスタートに対して相手よりも早く準備をし、数的空間的に劣勢にならない。
ハーフコートでの守りにおいては、難敵の東女体戦でマンツーマンからゾーンの切り替え
(練習ではほとんどやっていない)を無難にこなし、相手の特徴を消して守りきった。
YミとOボの二人のゴーリーは素晴らしかった。
攻められる場面が少なかったにも関わらず、
セーブへの準備と対応、ルーズボールへの対応、落ち着いたクリア、味方への指示など、
技術面、精神面でも明らかに今大会に出場したGの中ではトップレベルだ。
二人の総合力はスーパースター軍団のMキ、S州の2年時のレベルの上を行く
(もちろんMキ、S州はその後の伸びが尋常ではなかったが…)。
二人のハイレベルなGがいる事がうちの最大の強さだった。
DF陣(Aい、N子、Hな、Hえ、Jん、Rみ)の出来はほぼ完璧だった。
相手の苦し紛れのロングパスの処理、中盤を突破された後の早い対応、
ファールを抑えながらのチェックや危険な位置への守り、そしてボールを奪った時の積極的な攻撃。
一対一の守りではうちほどしっかりとサイドカットをできているチームはいない。
地味かもしれないが、わかる人にはゴーリーを含めたこの安定感あるDF陣がチームの屋台骨であると感じてもらえたはずだ。
Aい、Hなのルーズボール処理は見事だった。
二人のボールを持った時の強さは、チームの流れを支配し続けた最大の要因だ。
N子は試合毎に積極性が増し、準決勝決勝ではフィールドで最も強い気持ちの入ったプレーを見せた。
Hえはスペースへの対応の天才かもしれない。
もともとその予感があったが、危険な位置をよく埋めていたし、1対1への対応も完璧だった。
Rみはベンチスタートでも戦況をよく見ており、全ての場面で完璧に頭を使って守っていた。
最後にATでの投入をできなかった事が悔やまれる。
Jんは、持ち味を最大限に発揮してくれた。
頭の良さ、ボールへの執着心、スピードは出るときの役割を与えれば必ずやってくれる、横に置いておきたい最高の13番目の選手だ。
MF陣(Kち、Hみ、SP、Kく、Kな)にはもともと絶対の信頼をおいていたが、驚きの連続でもあった。
Kちは間違いなく将来日本を代表する選手になれるし、
SPの攻守両面での戦術的視野はグランド外からも絶賛だった。
Hみは課題であったメンタルを完璧に克服し、東女体戦では苦しい展開の中でも相手に対して最も強気でいた選手だ。
Kくは急造ドロワーにも関わらず、不思議なほど相手に思うようにドローさせなかった
(日体大戦で2回連続リドローにしたのが大きかった笑)し、
チャンスを作り出す能力は飛びぬけていた(あとは決めるだけ・・・)。
Kなのスピードは誰にも止められないし、ベンチでの「Kなっ!」の儀式はベンチでの「勝つためのルーティン」として使わせてもらった。
AT陣(Rえ、Yか、Tに、Rな、Mこ、Aさ)は、うちのオールコート戦術の要だった。
毎試合前線からのチェイスをさぼらずにやりつづけた執念が全てだった。
控えの3人衆のチェイスぶりは、今まで見たことないほどの執念だった。
Aさの復帰祝いの得点、
Rなの決勝でのアシスト、
Mこの最後の全力プレーは、それぞれのラクロスへの想いと1年間の成果だった。
スタートの3人は小粒ではあるが、一番頭を使ってATの役目である「オフェンスのコントロール」を実践してくれた。
申し訳ないが何度もベンチに返され「積極的に」と指示されながらも、その時に最も有効な攻めを「自分で」考えていた事はコーチとして最も嬉しかった。
RえのATのポジションにとどまらないマルチプレーヤーとして能力は非常に助かったし、
頭を使ったプレー選択、ルーズボールの処理は絶品だった。
Yかは東女体戦でのこぼれ球を押し込んだ選手だ。あの執念がチームをこの結果に導いた。
そして精神面で大きな自信を掴んだことをプレーの随所に見せてくれた。
Tにのオフェンスの独特なリズムは誰も止められない。
スペースさえ見つけて積極性を持った時の怖さは、今後の大化けを予感させるものだった。
コーチとしては、メンタル面での試合前の意識付けがほぼ全てだった。
試合への入り方、それぞれの役割に対する意識、自分達のこれからのプレーに対する自信、緊張の中での自分の気持ちの持ち方を、いつもより敢えて時間を割いて徹底した。
一番のキーワードは、例のごとくオシム師匠から戴いた。
「とにかく賢くプレーすること」。
どんな場面でも頭を働かせる。
予測、反応、判断。
コンセプトを統一した中で自分達の判断を下せる事、それを信じて行動出来る事、頭を使った判断を尊重できる環境を作る事が、若い選手の成長には絶対必要だと思った。
だから試合前の最後の言葉は
「あとは任せた」。
タイムアウトを取れないルールの中では、あとの仕事は選手の起用だけ。
とにかく思考を働かせきれてないと見えれば、交代選手に意識付けをしてすぐ交代。
ベンチワークではとても楽しませてもらったところだ。
戦術は確かに効いた。しかし、選手は戦術に頼る戦い方はしなかった。
「ひとりひとりの力」。
ひとりひとりが、全ての相手に対して技術以外で決して負けない。
一人がチームに助けられるのではなく、一人一人が相手に勝ってチームを作る。
という意識。
一年間の指導の最後に、選手達にそれを見せてもらったと思える大会だった。
MVPはKちが獲ったが、フィールドに立った選手全員がそれぞれの責任を完璧に果たしたという点で、
俺の中では全員がMVPと言えます。
一年間の指導の課題も明らかになった。
「技術をどう伸ばすか」
次の一年生には、
技術以外で絶対に負けない。
技術でも負けない。
というような事をやっていかなければ。
逆に言えば、若いからこそ技術にもっと重点を置いてもいいかもしれない。
勝利に浸るのは、昨日まで。
さぁ、次に向かいましょう。