ゴーリーのプレーについて少し。



セーブでは、

「ボールを身体の正面に来るように動け」とよく指導されます。

このように指導するのは、動きの基礎の指導としては間違っていません。

最近ユース選手を含め、この言葉によりセーブ動作が、

「動き過ぎる」

傾向にあるのではないかという仮説を立てています。



女子ゴーリーの身体の幅は、ゴール(約180cm)の約1/3です。

正面にシューターが立ち、ゴールラインに沿ってゴーリーが真ん中に立って、

シュートをパイプ際に打つと、ゴーリーは肩幅分の足を踏み出せば、

シュートを止める位置まで身体を動かす事ができます。

つまり、最もゴールの隙間が空いている状態で、ぎりぎりの位置にシュートを打たれた場合のみ

身体を最大に動かしてセーブする必要があると考えれば良いです。



例えばシューターが45度の位置にいる場合で、ゴーリーが正しいポジショニングを取り、

シュートをパイプぎりぎりに打った場合で、同じように足を踏み出した場合、

またはそのシュートに対して身体を正面に持って来ようと動いた場合、

ゴーリーの身体のうちどれだけシューターから見たゴールの枠の外に身体が動くか?



半分以上は枠の外です。

つまり、本来守るべきでないところまで身体を動かしてセーブしようとしている事になります。

シュートを打つ角度が薄くなればなるほど、ゴーリーの左右の動きは少なくて済むはずですが、

多くの場合そうではありません。

この「無駄」を省くようにすれば

よりぎりぎりまでシューターの動きを見極める事ができるし、

より「最短で直線的な」セーブ動作をするという事になると思います。


「セーブの基礎の形」を作った上で、

「セーブフォームの精度を上げる」とは、

この事であると

言えるでしょう。





次に「ゴーリーの指示」について。

女子ゴーリーのコーチを始めて以来、必ず改革する必要があった事の一つが、この

「指示=コーチング」能力です。

最近では、いろんなチームでもDFに「ゴーリーの指示を聞け」と言われていますが、

ゴーリーが適確な指示を出せるようになるのは、なかなか難しそうです。

2005W杯の代表活動においても、ゴーリーの指示能力は大きな課題でした。

もちろんフィールドの選手達の「指示を聞く」能力も課題でした。

(最終的にはかなりなレベルでの指示能力を身につけたのですが)



ユースでもそうですが、「指示を出す」事を意識させても、それはただの

「実況中継」になる事が多いです。

「ボール右!左上!」

「ボールダウン!」

「1on1来るよ」

「ワンサイ、ワンサイ」

「ナイディー」

・・・

極端に言えば、「そんなのわかってるよ」といった類の事ばかりですね。

「実況中継」はその瞬間に「過去」です。



よく質問されるのは、

「指示を出そうと思っているのですが、

何を指示すればいいのかわからずに、

気がつくとボールの位置しか言っていないんです。

どうすればいいですか?」



この質問こそ、全ての問題点が含まれています。

指示する内容がわからないのは

「オフェンスもディフェンスも知らないから」です。

「オフェンスもディフェンスも知らない」のは

「ゴーリーしかやってないから」です。

ゴーリーはディフェンスの中心とか言っておきながら、

練習している事の殆どはセーブの事や投げる事ばかりです。



最近「指示を出せ」とか「5秒早く指示しなさい」という事の指導方法自体に

大きな欠陥があると仮説を立ててみました。



指導法としては、

フィールドプレーをもっとやらせてみる。

机上ラクロスで、どういう場面で何を守るのか、どこを攻めたいかを考えさせる。

これらの事をやった上で、

「より具体的で、早い指示」が出せるようにしてみようかと。

やっぱりゴーリーは「やらねばいけない事が多い」です。





「ゴーリー」に興味があってブログ検索でここにたどり着いた方々にも、ご意見聞きたいところです。