こんにちは、受験パパ@NAGOYAです。


今回は、「学校見学会」、「入試説明会」についてお話したいと思います。


もういくつかの学校ではH P上で「学校見学会・説明会」の案内が出始めましたね。
私のように私立学校に通った経験のないものにとっては、実際に校舎に入り、校長先生をはじめとする先生方の話を「直接」聞くことができる機会は大変貴重なものでした。
特に「女子校」は、当然のことかと思いますが、どの学校も基本的に外部からのガードは高く、外から伺うことはなかなか難しいものがあります。ですから、実際に「校舎に入る」という経験そのものが極めて大切だと言えます。 


では、私の経験から、「学校見学会」で特に注意して視たり、聴いたりする必要があるものについ て、まずお話していくことにします。


最初、校門から入り、下足箱のあるホールと通されるかと思います。その際は、生徒たちの下足箱を観察することをお勧めします。

学校側の生徒指導(というか躾)がどの程度行き渡っているのか、逆に生徒の遵守具合もわかります。
公立学校では教室等の清掃を生徒たちが行いますが、私立学校では学校見学会にように「一般の人」を多く招く時は清掃専門業者を入れて、ピカピカにしてしまうので、教室等は「普段の装いではない」と考えた方がよいでしよう。そういった中で見過ごされがちなのが下足箱というわけです。


次に廊下です。廊下で注目して観察すべき点は、「掲示物」です。
「どんなものが掲示されているのか」をじっくり観察することをお勧めします。
というのも掲示物の内容が、学校からの連絡だけに留まっているのか、生徒間相互の連絡や提案が多くあるのかで、学校の雰囲気が自ずと想像できます。前者であれば、生徒指導の厳しい「管理志向の高い学校」、後者であれば、生徒の自主性を重んずる「生徒自主性尊重の学校」となります。
正直なところ、どちらが正解というわけではありませんが、ご自分のお子様の性格を考えると、どちらの学校の教育方針が良いかという学校選択の上では重要な点かと思います。 


次に教室です。

生徒がほぼ一日過ごす教室は、その学校の教育思想・方針が最もよく表れている場所だと考えられます。
例えば、教室に「時計」がない学校もあります。このような学校は「自律( =自らが自らを律し、規則正しい学校生活を送る)」ことを重視しています。そんな学校の中にはチャイムさえ廃止しているところもあります。
また、最近では「I CT教育」に関心が高まっています。

授業で使用するためのPC、タブレット、プロジェクター、そして電子黒板の有無とそれらをどのように有効利用しているかを判断することができます。「模擬授業」があれば、さらにその活用度合いが理解できます。
加えて、公立中学校にはない、私立中学校の大きな特徴が「設備の充実」だと言われますので、  I CT教育に対する設備の充実度を確認しないわけにはいかないと考えます。
例えば、「WiFi環境」についても、その受信機が教室の中はもちろん、廊下や体育館など、どれくらい広範囲、かつ密に設置され、通信環境が十分か否かも重要なチェックポイントです。


次に共有空間、つまり理科室、音楽室、体育館、食堂、売店です。これらもその学校の教育思想がよく表れているので、じっくり観察することがよいかと思います。
自分が卒業した公立中学校・高校との違いを比較してみると、自ずとその良し悪しがわかるかと思います。

特に理科室が複数ある学校は、「実験・実習」を通じた理数教育に力を入れていることがわかります。


あと、見せてくれることはほとんどありませんが、「職員室」は大変重要な点です。  
当然のことながら、先生が学校で過ごす場所は、教室と職員室が大半だと思います。従って、職員室の「机」はその人柄をよく表していますし、副校長、教頭、その他各種主任先生といった「管理職」がどの程度業務管理・労務管理しているかがわかります。

端的に言えば、整理整頓が行き届いていない職員室は、先生方全体もいいかげんであり、管理職も業務管理+労務管理しきれていないため、学校全体としても管理が行き届いてない、教育方針が行き届いていないのではないか、と考えるべきでしよう。
 

最後にその学校の教育方針ですが、学校見学会や説明会では、おおむねHPやパンフレットに記載されている内容を繰り返して説明されることが多かったと思います。
ただ、「校長先生の挨拶」は違います。     
学校教育の責任者である校長先生の話は、HPやパンフレットに掲載された内容以上の「本質に迫る」内容を話されることが多いので、それを聞けば、その学校がどの点に重点をおいて教育をしているのかが「一発」でわかります。

活字にはできない「雰囲気」みたいなものも体感し、校風をわずかながら感じることができると思います。


あと、どうしても気になることや、もう少し詳しく知りたい場合は、見学した当日、学校の先生に納得が行くまで質問してみることをお薦めします。先生とのやり取りの中で学校の「本当の姿」が見えてくることがあります。
 

次に、「入試説明会」についてお話します。 
「入試説明会」は、募集要項が発表された以降、具体的には夏休み明け以降に実施されるものです。

多くの場合、入試に関する詳細、入試科目の出題意図や今後の勉強法が説明され、学校見学会も短い時間での「短縮版」とはなりますが、同時に開催されます。
 

まず、入試に関する詳細説明ですが、入試科目に限れば、毎年ほとんど変わらない学校もあれば、 毎年コロコロ変更する学校もあります。コロコロ変更する学校は、どこが変更となったのかを注意深く、かつきちんと理解しておかないと、その後の受験勉強に大きな影響が出るので十分な注意が必要です。


一方、時間を割いて丁寧に説明される「出願方法」は、インターネットを利用した「Web出願」が主流となっています。
ただ、学校によってその登録方法等がバラバラなので、しっかりと確認し、不明であれば、学校に直接問い合わせることをお勧めします。中にはWeb出願を数年続けていても、システム変更 等で入力手順等が前年度とガラッと変わってしまう場合があるので、特に要注意です。 


最後に、入試科目の出題意図や今後の勉強法について説明してくれる学校もあります。

これは、出題者自身がその出題意図(目的)まで説明してくれることが多いので、その内容は塾の同様の説明よりもはるかに詳しい場合が多く、重要な点をメモするなどしっかりと聴き取ることが大切です。

例えば、滝中学校の算数では「最後まで粘り強く取り組む力を見たい」ということで、計算が複雑な問題を出題します、といった具合です。

  
以上、「学校見学会」、「入試説明会」をお話ししました。
子供は塾のスケジュールの関係で学校見学会や入試説明会に参加できない場合もあるかもしれませんが、親単独での参加でもよいので、関心がある中学校は、できるだけたくさん参加しておくべきだと思います。
というのも、入試日が近づくと、当初の第一志望を変更することもあり得ます。そんなとき、説明を聴いたこともない学校に大切な我が子を通わせることになりかねません。

そんな最悪のケースを避けるためにも時間がある限り、学校見学会、入試説明会には参加しておくべきであり、親の責務だと思います。