基本的に、多くの構造解析では格子解析が用いられます。

格子解析は主桁や横桁などを梁要素でモデル化したものです。

そこで得られた断面力から中立軸位置、断面二次モーメント等を考慮して応力を評価します。

 

しかし、立体的なものを梁に置き換えているため、立体解析(3次元FEM等)との差が生じることが考えられます。

技術者として、格子解析はどの程度安全側に算出されるのかは気になるところです。

鈑桁では、主桁のねじり剛性を考慮しない。解析モデルでは横桁を考慮して対傾構、横構、床板は考慮しない。(ただし、合成桁では床板あるいは鉄筋と鋼桁による剛性をはり要素に与える)

などなど一般的に行われるようです。

したがって、実挙動とかけ離れた応力状態になるのは間違いありません。

 

そんな中、安全側の結果を提示しているのを見つけました。

支間36m4主桁の単純活荷重合成桁について、格子解析と立体解析を行った結果1)があります。

それぞれに、幅員中央に対して左右対称に分布荷重を載荷した中央載荷と、

幅員中央に対して左側に分布荷重を偏載荷した場合について比較しています。

 

主桁に関しては

中央載荷では、立体解析に比べて約1.08~1.2倍、

偏載荷では、厳しい主桁に関しては約1.1~1.45倍ほどフランジ応力が大きくなります。

 

横桁に関しては

中央載荷では、立体解析の約2.5~2.9倍、

偏載荷では、約5.7~14.5倍フランジ応力が大きくなります。

 

つまり、格子解析では立体解析よりも安全側の値を与えるということがいえます。

特に、横桁は差が非常に大きいです。格子解析では床板や横構による影響を考慮していないことが要因となっています。

それを考えれば、横桁に関しては断面寸法および継手は更に合理化できそうな気がしてきます。

しかしながら、継手に関しては亀裂の発生事例があるようなので、安心はできません。2)

 

留意点として、橋には様々な条件があり、それに適応した構造形式となっているため、全ての橋で同じことがいえるわけではありません。

 

なお、前述の数値実験では下横構ありとなしのパターンを比較しています。

下横構が無い方がフランジ応力が大きくなるわけですが、格子解析は下横構がないものよりも安全側となります。

したがって、下横構が無い方が格子解析に結果は近づくということになり、合理的な設計となり得ることがいえます。

 

 

 

1)橋梁と基礎 報告記事「下横構を省略したプレートガーダー橋の提案」 1993/11

2)鋼道路橋疲労設計便覧 R2 p.48