紆余曲折 賛否両論 ありながら、実現したこの試合
WBA世界スーパーフライ級タイトルマッチ
河野 vs 亀田

王者河野の馬力と、挑戦者亀田のスピード?テクニック?の争いとなるのでしょうか。

勝敗のターニングポイントが、序盤早々に現れました。
2R
亀田のボディーブローが王者を苦しめますが、いつもの癖かローブローもちりばめられます。
王者ダウン!かと思いきや、レフェリーの判断はローブローによるもの。
王者もローブローをアピールし、しばしの休憩を得ました。
再開後、河野の右ストレートが、亀田の顎を直撃し、亀田ダウン。

3R
亀田のローブローに対し、2度にわたる減点を取ります。このレフェリー、ちょっと厳しいなぁと思いつつも、長年にわたる反則のツケが、ここにきて回ってきたということでしょう。

序盤で、4ポイントのアドバンテージを得た王者ですが、両者の戦力を考えると、ここまでで勝負は決したように感じました。

中盤、何ラウンドか忘れましたが、河野の4連コンビネーションの最後の右ボディーが、亀田のベルトライン辺りにヒットし、亀田がローブローをアピールしますが、レフェリーは続行を指示!
本当のローブローだったかはよく判りませんでしたが、ローブローと判断してもらえなかったあたりは、前述のツケの利子分でしょうか。

終盤も、お互いに手数が減らず、気迫のこもった打ち合いが展開されました。

判定は、文句なしの3-0で河野が防衛成功しました。
113-111というジャッジもいたのには?とは思いました。河野も1ポイント減点があったから、12ラウンド中の半分は亀田にポイントを与えたってことですよね?うーん・・・

河野の、執念に満ち溢れたボクシング。不器用だけれどスタミナと馬力で押し切るボクシング。
王者の真骨頂を体現した素晴らしい試合でした。
理想は、WBOチャンプの井上のようなボクシングですが、河野のようなボクサーもいるからこそ、ボクシングは面白いのです。

私は、どちらかといえばアンチ亀田ですが、今日の亀田は頑張ったと思います。
困ったオヤジと世間様との狭間に立ち、辛いことが多々あったと思いますが、
今日の亀田は、頑張ったと思います。

客観的にこの試合をみれば、せっかくアメリカ初披露の日本人対決だったのに、レベルの低いものでした。
でも、こういう泥臭いボクシングも、悪くはないですね。


さて気になるのは、ワタナベジムの今後です。
ボクシングファンから疑問視され続けた亀田戦に固執し、わざわざアメリカで実現したわけですが、日本の誇る名チャンプ内山さんにも”アメリカ”を実現させてあげて下さい。

最後に、亀田について。
兄弟3連敗です。亀田劇場の終焉が近づいています。
子供のころからボクシング漬けで、バイトもせず練習に集中できる環境にあったわけですね。
ここまで来たのは、あの困ったオヤジのおかげといえばそうなんですが、
ボクシングと人生と、もっと違ったトレーナーに師事していれば、3買級制覇ではなく、真の3階級制覇ができたかもしれませんね。
口が悪いとか、態度が悪いとか、いろいろ言われましたけど、これだけバッシングを受けたのは、そんな表面的なことではなく、本職である”ボクシング”で体現しなかったのが本当の原因なのでしょう。
ランダエタ戦はしょうがないとして、その後、何度も挽回の余地はあったはず。
モレノから逃げた。あれがラストチャンスだった。